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旧富岡製糸場の国宝指定について

更新日:2015年3月10日 印刷ページ表示

 平成26年6月25日、世界遺産に登録された旧富岡製糸場<外部リンク>は、同年12月10日の官報告示により、3棟が国宝に指定されました。県内の国宝指定は、重要文化財の建造物・美術工芸品を含めて初となります。

国宝となった建造物

 旧富岡製糸場(きゅうとみおかせいしじょう)1件

 繰糸所(そうしじょ)、東置繭所(ひがしおきまゆじょ)、西置繭所(にしおきまゆじょ)の3棟

国宝の概要

名称及び員数

 産業近代化の根幹となった絹産業の拠点施設(近代/産業・交通・土木)

 旧富岡製糸場 3棟(繰糸所・東置繭所・西置繭所)

所在地

 群馬県富岡市富岡1番地

年代

 明治5年(1872年)

国宝指定について

 国宝(建造物)「重要文化財のうち極めて優秀で、かつ、文化史的意義の特に深いもの」

 旧富岡製糸場は、明治5年に明治政府が設立した模範的な器械製糸工場です。繰糸所、東置繭所及び西置繭所の3棟は、木骨煉瓦造による桁行100メートルを超える雄大な歴史的建造物で、工場の中核として、我が国の器械製糸工場建物の範となりました。
 明治政府の産業近代化の政策を端的に物語り、世界の絹文化の発展に大きく貢献した我が国の絹産業の拠点的施設であり、文化史的に深い意義があります。

構造・形式及び特徴

 旧富岡製糸場は、明治政府が設立した模範的な器械製糸工場です。フランス人の生糸検査人ブリュナの指導のもと、横須賀造船所の技師バスティアンが図面を作成し、施工は日本人があたり、明治5年10月4日に操業を開始しました。3棟はいずれも木造の軸組に壁を煉瓦積とした木骨煉瓦造です。
 繰糸所は敷地の中心に位置する繰糸を行う建物で、桁行が140メートルと長大です。キングポストトラスの小屋組や高い天井、鉄製ガラス窓で明るい大空間を実現しています。
 東西の置繭所は、繰糸所と直交方向に建つ桁行104メートル、二階建、ほぼ同形の建物です。繭を乾燥し、貯蔵し、乾燥のために多数の窓を備えています。東置繭所は入口正面の建物でアーチの要石に「明治5年」の銘を刻んでいます。
 旧富岡製糸場は、明治政府が推進した産業近代化の政策を端的に物語る官営の器械製糸工場で、繰糸所と東西の置繭所は、我が国の製糸工場建築の模範となりました。
 極東地域において、西洋、特にフランスの技術を導入し、日本固有の技術と融合させることで産業革命を成し遂げ、世界の絹文化の発展に大きく貢献した我が国の絹産業の拠点施設であり、文化史的に深い意義を有しています。

写真

繰糸所(手前)と西置繭所(奥)の写真
繰糸所(手前)と西置繭所(奥)

繰糸所内部の写真
繰糸所内部

東置繭所の写真
東置繭所

明治5年の要石(キーストーン) ※提供:富岡市の写真
明治5年の要石(キーストーン)※提供:富岡市

西置繭所の写真
西置繭所

参考

指定の状況

指定の状況一覧
指定の種類 指定の範囲 指定日
国宝
(3棟)
繰糸所・東置繭所・西置繭所 平成26年12月10日告示
国指定重要文化財
(4棟1基1所)
蒸気窯所・鉄水溜・下水竇及び外竇・首長館・女工館・検査人館 平成18年7月5日告示
国指定史跡 敷地全体 平成17年7月14日告示

国宝及び重要文化財指定基準(建造物の部)

(昭和26年5月10日文化財保護委員会告示第2号、改正:平成8年10月28日文部省告示第185号)

重要文化財

 建築物、土木構造物及びその他の工作物のうち、次の各号の一に該当し、かつ、各時代又は類型の典型となるもの。

  1. 意匠的に優秀なもの
  2. 技術的に優秀なものもの
  3. 歴史的価値の高いもの
  4. 学術的価値の高いもの
  5. 流派的又は地方的特色において顕著なもの

国宝

 重要文化財のうち極めて優秀で、かつ、文化史的意義の特に深いもの。