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「いじめ防止フォーラム」の実施について
1.「いじめ防止フォーラム」について
「いじめ防止フォーラム」は、県内12地区に設置された地区中学校・高等学校生徒指導対策協議会が開催しているものであり、小学校、中学校、高校、特別支援学校の代表者が校種を越えて意見交換等を行うことを通して、いじめ防止に向けた児童生徒の主体的な取組をより活性化させるとともに、他者を思いやる心を育み、良好な人間関係づくりを促進することを目的としています。「いじめ防止フォーラム」は平成25年度に始まり、今年で9年目を迎えました。
今年度は、SNSによる誹謗・中傷等のいじめの増加や一人一台端末の導入を踏まえ、話合いのテーマを「これからのネット社会をよりよく生きていくために、今、私たちにできることは何か。」とし、県が作成したネットリテラシー向上動画を視聴して意見交換を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、オンラインや書面により開催する地区が多くなりましたが、8月末現在、8地区で実施されています。話合いで決められた地区ごとの行動目標やスローガンについては、啓発資料等にまとめられ、各地区の全ての児童生徒にフィードバックされることになっています。また、「いじめ防止フォーラム」の様子については各校のホームページ等で積極的に情報発信し、学校だけでなく、保護者や地域の方々と共有することを通じて、オール群馬で行ういじめ防止活動を目指しています。
2.地区別日程
(新型コロナウイルスの感染状況等により変更の可能性があります。)
番号 | 地区名(事務局校) | 実施日・期間 | 開催時間 | 開催方法 |
---|---|---|---|---|
1 | 前橋地区 (県立前橋工業高等学校) |
7月~11月 | 書面 | |
2 | 伊勢崎・佐波地区 (県立伊勢崎清明高等学校) |
6月~9月 | 書面 | |
3 | 渋川広域圏 (県立渋川女子高等学校) |
9月~12月 | 書面 | |
4 | 高崎地区 (高崎市立高崎経済大学附属高等学校) |
8月4日(水曜日) | 14時30分~15時50分 | オンライン |
5 | 多野・藤岡地区 (県立藤岡中央高等学校) |
9月~10月 | 書面 | |
6 | 甘楽・富岡地区 (県立富岡高等学校) |
10月27日(水曜日) | 13時30分~15時45分 | オンライン |
7 | 安中地区 (県立安中総合学園高等学校) |
7月9日(金曜日) | 14時30分~15時30分 | オンライン |
8 | 吾妻地区 (県立長野原高等学校) |
6月14日(月曜日)~18日(金曜日) | 書面 | |
9 | 利根・沼田地区 (県立利根実業高等学校) |
6月中旬~7月6日(火曜日) | 13時30分~15時00分 | オンラインと書面の併用 |
10 | 桐生・みどり地区 (県立桐生工業高等学校) |
8月5日(木曜日) | 13時30分~15時30分 | オンライン |
11 | 太田地区 (県立太田高等学校) |
8月2日(月曜日) | 13時45分~15時45分 | オンライン |
12 | 邑楽・館林地区 (県立館林女子高等学校) |
10月29日(金曜日) | 13時30分~15時30分 | 集合 (事務局校にて) |
3.「いじめ防止フォーラム」の活動内容
オンラインで開催された5つの地区の活動内容について紹介します。
(1)利根・沼田地区 7月6日(火曜日)
利根・沼田地区の「いじめ防止フォーラム」は、小学校、中学校、特別支援学校については書面で開催し、高校についてはオンラインで開催するという、書面とオンラインの併用型で実施しました。小学校、中学校、特別支援学校は、各校で動画を視聴し、テーマに沿って意見交換を行い、その結果を書面にまとめて事務局校である県立利根実業高等学校に提出しました。事務局校は提出された意見をまとめ、それらを踏まえた上で、地区の高校5校でオンライン協議を行いました。各校からは以下のような意見が出されました。
- 大切なことは相手の顔を見て落ち着いて話そう。
- SNSは学習に差し支えない程度に使い、直接的なやりとりを大事にしよう。
- 相手がどうとらえるかを考えてメッセージを送ろう。
(2)安中地区 7月9日(金曜日)
安中地区の小学校、中学校、高校の代表生徒が参加し、オンラインで実施しました。音声が聞こえたときは手で丸を作るなど、お互いに協力して課題を解決する姿が見られました。事務局校である県立安中総合学園高等学校の生徒達が自主的にリーダーシップをとり、意見を発表する場面でもうなずいたり、反応したりしながら、温かい雰囲気で話合いが行われました。各校からは以下のような意見が出されました。
- 思ったことをすぐに書き込まず、送信する前によく考えよう。
- 困った時は一人で抱え込まず、友だちや保護者など、周囲の人に勇気を出して相談しよう。
- データが残ってしまうことを意識して、言葉を選んで送信しよう。
(3)太田地区 8月2日(月曜日)
太田地区の小学校、中学校、高校、義務教育学校、特別支援学校の代表児童生徒が参加し、オンラインで実施しました。事務局校である県立太田高等学校を中心に事前の接続テスト等を行い、当日に備えていたおかげで大きな問題もなくスムーズに開始できました。班別協議では、各班のリーダーが、考える時間や話し合う時間、発表する時間を明確に示しながら進めたため、とても充実した協議となりました。また、発表の際には、黒板やホワイトボードに意見を書いて発表する等の工夫が見られました。各校からは以下のような意見が出されました。
- 情報リテラシーを学び、自分で判断し、行動に責任をもとう。
- 相手の立場になって行動しよう。
- ネットよりも対面でのコミュニケーションを大切にしよう。
(4)高崎地区 8月4日(水曜日)
高崎地区の小学校、中学校、高校、特別支援学校から事前に提出された報告書を踏まえ、オンラインの形態で行われました。9教室に各班の司会と記録の係の生徒が分かれ、それぞれにオンライン上のグループで協議を行いました。事務局校である高崎市立高崎経済大学附属高等学校の事前準備と前日リハーサルのおかげで、各教室でスムーズな話合いが行われていました。各校からは以下のような意見が出されました。
- メッセージを送る時は相手の気持ちを考えて言葉を選び、受け取る時は相手の言葉の意図をしっかり読み取ろう。
- 自分が不満に思ったことはSNSに書き込まず、直接相手に伝えよう。
- 嫌なことがあってもすぐに人をいじめるのではなく、よく考えてから行動したり、メッセージを送ったりしよう。
(5)桐生・みどり地区 8月5日(木曜日)
桐生・みどり地区の小学校、中学校、高校と特別支援学校の代表者がオンラインで実施しました。各班は、小学校、中学校、高校(班によっては特別支援学校)の生徒が全て入り、8つの班に分かれ、高校生がそれぞれの班長を務めました。班長は入念な打合せの上、コンピュータ室のパソコンを使ってそれぞれの班の協議を運営し、充実した話合いが行われました。各校からは以下のような意見が出されました。
- 情報に振り回されないように、自分の意見をしっかり持とう。
- 返信する前に相手の気持ちを考えよう。
- SNSトラブルストップ講座を生徒主体で行おう。
最後に事務局校の県立桐生工業高等学校から「誰かにメッセージを送る前に、相手を傷付けたり、相手に誤解されたりする可能性はないかなどを考え直す『Rethink』という言葉を入れたのぼり旗を作成しよう。」という提案があり、全会一致で承認されました。