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子どもの救急ってどんなとき?~嘔吐(おうと)をした時
更新日:2011年3月1日
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観察のポイント
回数はどうか、腹痛はあるか、頭痛はあるか、機嫌はどうか、食欲はあるか、下痢があるか、熱があるかを、よく観察して下さい。
赤ちゃんの嘔吐
ダラダラ、ゲプッと吐いて、あとはケロリとしている場合は心配ありません。
生後まもない赤ちゃんの胃は、胃の入り口(噴門)の筋肉がまだ弱いため、ちょっとした刺激でミルクを吐いてしまうことがあります。順調に体重が増えているようなら、多少吐いても発育に影響することはありません。
幼児の嘔吐
かぜや扁桃炎、胃腸炎のときは吐きやすくなります。
1歳以上の幼児になると、乳児のときほど簡単には吐かなくなります。
かぜをひいたときなど激しくせき込んだ拍子に吐くこともありますが、単に吐くだけでは、急を要するものではありません。発熱や頭痛あるいは血便など他の症状をともなっているかどうか観察しましょう。
様子を見て大丈夫(通常の診療時間内に受診しましょう)
- 吐く回数が数回以内で治まり、吐いた後はケロッとしている
- はき気が治まった後、水分が飲める
- 下痢、熱などがなく、全身状態が悪くない
- 食欲がある時、元気がある時、睡眠がとれている時
早めに救急外来を受診した方がいい時
- 嘔吐と下痢を同時に何回も繰り返す
- 吐いた物に血液や胆汁(緑色)が混ざる
- 何回も吐いた後、コーヒーかすのような色や黄色の胃液になった
- 強い頭痛をともなったり、強く頭を打った後
- けいれん(ひきつけ)をともなったり、意識がぼんやりしている
- おしっこが半日位出ない
- 唇や舌が乾いている
ワンポイントアドバイス
家庭で対処すること
- 吐き気の強い時飲食をするとかえって吐くので、30分~2時間は飲ませないで様子を見る。
- 嘔吐の間隔が開いたら、経口補水液、湯ざまし、お茶、薄めのイオン飲料を少しずつ、回数を多めに与える。
- 胃腸を休めるために固形物はやめる。また、脱水症状になりやすいので、吐き気が治まるのを待ち水分は十分に与える。
注意すること
- 牛乳、乳製品、炭酸飲料、柑橘類の果汁などは避ける。
- 吐いた物を肺に吸い込んだりしないように、寝ている時は、体や顔を横に向けるなどして注意する。
- 吐いた物を始末したらよく手を洗う。