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冬物のジャケット・コートに多いクリーニングトラブル「際(きわ)つき」
更新日:2011年3月2日
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「中綿入りの婦人コートをクリーニングに出したところ、ポケット部分やボタン付近の縫い目に黒くぬれたようなシミが発生した。」という相談が寄せられました。
相談品を調べた結果、ドライクリーニング用の洗剤等が残ってできたシミ「際つき」と推定されました。今回は、冬に多い衣料品のトラブル「際つき」の原因と予防方法について紹介します。
“際(きわ)つき”とは?
- 洗濯に使用した洗剤等が、衣類の縫い目などに残ってできるシミです。
特にドライクリーニングでは、洗浄液に石油系の溶剤を使用しますが、1つの洗濯槽で洗い、すすぎ、脱液(洗浄液を除く作業)まで行い、洗浄液を循環して使用する方式が主流のため、脱液や乾燥が十分に行われないと、洗剤や溶剤の汚れが、乾燥しにくい縫い目やポケット等に残り、ぬれたようなシミになることがあります。
発生しやすい生地は?
- ジャケットやコート類に多く使用されている生地です。
- 白、ベージュ等、シミの目立つ色が多いようです。
洗浄液が浸透しにくく、抜けにくいもの
- 樹脂コーティングしたもの:合成皮革、防水加工品、防汚加工品等
- 高密度織物:二重織り、極細繊維を使用した織物等
たくさん洗浄液がしみこみ、衣類に残りやすいもの
- 中綿や羽毛入りのもの:キルティング、ダウンジャケット等
トラブルを予防するためには?
現在、ドライクリーニングでは、洗浄液を循環して使用する方式が主流のため、完全に“際つき”を予防することは困難ですが、次のような対応策があります。
- 白物の厚手のコート等、“際つき”が発生しやすい衣類をクリーニングに出すときは、クリーニング店と相談し、できるだけ「水洗い」を指定しましょう。
- “際つき”ができてしまったら、クリーニング店に申し出ましょう。洗い直すことで、シミがとれる場合もあります。