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衣服が燃えてやけど!~着衣着火にご用心~
更新日:2011年3月2日
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料理をしているときに袖口を焦がしたり、たき火が衣服に燃え移ったりした経験はありませんか?このような原因で起こる火災を「着衣着火」と言います。今回は、身近で起こりやすい「着衣着火」の事故状況と対処方法についてご紹介します。
県内でも高齢者の事故が発生!
総務省消防庁の資料によれば、平成17年に全国で「着衣着火」が原因の火災で亡くなった方は144名で、65歳以上の高齢者の方が75%(108人)を占めていました。群馬県でも17年1月~3月の間に3名の方が亡くなりました。事故のあった消防署から伺った詳細は次のとおりです。
- 60歳の1人暮らしの男性。ガスコンロで調理をしていたところ、衣類に火が燃え移った。
- 77歳と82歳の男性。畑で枯れ草を燃やしていたところ、風が急に変わり、衣類に火が燃え移った。
「着衣着火」の原因
ガスコンロの調理中による事故の他、たき火、暖房器具、ライター、花火、ろうそくなどの火も原因になります。衣類は、一般に燃えやすい性質があることに加え、生地の種類によっては、火が燃え移った際に炎が瞬間的に衣服の全面を走る「表面フラッシュ」という現象が起こり、やけどをする可能性が高くなります。
「表面フラッシュ」が起きやすい衣服は?
「表面フラッシュ」は、生地の表面が起毛しているものなど、表面に空気を含んだ燃えやすい衣服で起きます。綿やレーヨンなどの植物性繊維のもの、ネル地、パイル地、モール糸などの起毛したもの、洗濯を繰り返して表面が毛羽立ったものは、特に注意が必要です。
「着衣着火」の事故を防ぐには…
- ガスコンロで調理するときは、炎が衣服に触れないように注意しましょう。そのためには、鍋の外側に炎がはみ出さないように火力を調整し、奥のものを取るときは、手前のコンロの火を消しましょう。
- たき火をするときやストーブを使用するときは、近づきすぎないようにしましょう。
- 炎を扱うときは、表面フラッシュが起きやすい衣服は着用しないでください。また、袖や裾の広がったパジャマやはんてんなどは、火が燃え移ったときに気づきにくいので危険です。
火の近くで作業をするときは、防災製品の腕カバーやかっぽう着を着用する方法もありますが、まだ一般のお店にまで普及していません。必要な方は財団法人日本防災協会(電話 03-3246-1661)までお問い合わせください。
「着衣着火」が起きてしまったら…
- 表面フラッシュが起きた段階では、まだ炎が小さいので、ろうそくの炎を吹き消すように強く息を吹きかけたり、手やタオルで炎を払って消すことができます。
- 生地本体に炎が燃え移ってしまったら、大声で人を呼び、水をかけたり、ぬらしたタイルや毛布などで衣服を包んで消します。