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腸管出血性大腸菌感染症
トピックス「腸管出血性大腸菌感染症の届出が増加しています」(2024年8月13日発行) (PDF:278KB)
どんな病気?
O157などの腸管出血性大腸菌が、口から体の中に入ることでおこる胃腸の病気です。
潜伏期間は多くは3~5日で、主な症状は発熱、下痢、腹痛、血便などです。軽症の時や無症状の場合(保菌者)もあります。また、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児が感染すると溶血性尿毒症症候群(HUS)になり、重症化することがあります。
本症は少ない菌量でも感染し発症するため、家族や集団生活の中で感染が拡大することがあります。
症状(腹痛・下痢等)がみられたら、自分で判断しないで医療機関を受診しましょう。
二次感染予防のために、トイレ後の手洗いはせっけんでしっかり洗い、お風呂はできるだけシャワーやかけ湯を使いましょう。また、症状のある人の下着は、塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)で消毒(つけおき)してから家族のものとは別に洗濯しましょう。
予防方法は?
腸管出血性大腸菌も食中毒原因菌のひとつです。「菌をつけない(食材・手をよく洗う)」、「増やさない(食品は冷蔵保存・調理後早く食べる)」、「殺菌(十分な加熱、調理器具の乾燥)」が予防の三原則です。
新鮮だから『生でも安全は間違い』です。新鮮でも菌が付いている肉を十分加熱しないで食べると感染する危険があります。
- 食肉等は十分に加熱(75度で1分以上)して食べましょう。
- バーベキューや焼き肉屋では、食材を取り扱う専用の箸やトングを用い、食事用の箸と明確に使い分けましょう。
- まな板は、使用の都度、洗浄剤でしっかり洗い、熱湯または台所用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム製剤)で消毒するとよいでしょう。
- 帰宅後、食事前、排便・おむつ換えの後は、手・指をせっけんと流水でよく洗いましょう。
- 動物とふれあった後には、必ず、石けんを用いて十分に手洗いをしましょう。
- 学校保健安全法では、第三種に指定され、症状により学校医その他の医師において、感染のおそれがないと認めるまでは出席停止になります。登校については校医もしくはかかりつけの医師と相談してください。
群馬県内の報告状況
腸管出血性大腸菌による感染症は、初夏から秋にかけて多く報告されています。少ない菌量でも感染するため、集団生活や家族の中で感染が拡大することがあり、注意が必要です。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると、重症化することが多く死亡する場合もありますので、感染予防に努めましょう。
報告年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
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報告数 | 83人 | 109人 | 119人 | 101人 | 57人 | 91人 | 115人 | 125人 | 163人 |
最新の報告数はこちらをご覧ください。
- 群馬県:医師が届出を行う感染症(全数報告:三類感染症)
- 全国:感染症発生動向調査(IDWR)(国立感染症研究所)<外部リンク>
2024年の報告ではO157、O26によるものが多く報告されています。
2023年の報告では、O157によるものが一番多く、次いでO26でした。
その他のO血清型としては、これまでにO91、O103、O111、O121、O145などが報告されています。
関連情報
・腸管出血性大腸菌感染症の届出基準(厚生労働省)<外部リンク>
予防方法・全国の患者情報
- 腸管出血性大腸菌による食中毒(厚生労働省)<外部リンク>
- 腸管出血性大腸菌感染症について(国立感染症研究所)<外部リンク>
参考資料
- ステーキチェーンBを原因とした腸管出血性大腸菌O157による広域散発事例(群馬県)(国立感染症研究所)<外部リンク>
- 焼肉店が原因施設と疑われた腸管出血性大腸菌O157食中毒事例(群馬県)(国立感染症研究所)<外部リンク>
- 群馬県内の2つの保育園で発生した腸管出血性大腸菌(O26)の集団感染例(国立感染症研究所)<外部リンク>
参考資料(患者様用リーフレット)
患者様へ感染拡大防止について説明するための多言語版リーフレットです。診療時などに御活用ください。
経口感染症二次感染予防リーフレット
糞便の採り方説明書