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第7回群馬県感染症危機管理チーム会議議事録
1.日時 令和2年2月2日(火曜日)19時00分~20時00分
2.場所 秘書課会議室
3.出席者 資料2「出席者名簿」のとおり
4.議事
(1)県内外の感染状況と警戒度移行の判断について
(2)県内9市町の飲食店に対する営業時間短縮要請の延長・解除等について
(3)その他
(1)県内外の感染状況と警戒度移行の判断について
(2)県内9市町の飲食店に対する営業時間短縮要請の延長・解除等について
(知事)
今日もお忙しい中お集まりいただき感謝申し上げたい。委員もお忙しい中東京の方からご参加をいただいて感謝申し上げたい。それから委員もweb会議で参加していただくのでよろしくお願いしたい。ここに来て少し数字が落ち着いているように見えるが、まだまだ群馬県の感染状況も油断ができないと思っている。日によって異なるが、感染者も若年化が進んでいるというところがある。
また、有料老人ホーム等で、連続してクラスターが発生しており、しっかり対応していかなければいけないと思っている。これは東京都でも同じだと思うが、病床の稼働率が現時点56%で、何とか6割切っているが、相当長い間6割台のため、かなり苦戦をしている。病床の方は、医師会や医療関係者の方々とご相談しながら、現実的な数を一生懸命積み上げており、一つ群馬県の特徴として、健康福祉部や医療関係者の皆様にご協力いただいて、いわゆる「入院待機・調整者」というものが非常に少ない。ほとんどは、今のところ入院していただくか、あるいは、宿泊療養施設に入っていただけている。ここのところは群馬県の特徴として、しっかりやっていきたい。
今日は菅総理が夜に記者会見をされて、緊急事態宣言の延長をどうも発表されるみたいだ。栃木県が外れるということだが、ここについても、今日専門家の先生方からいろいろとご意見をいただきたい。
我々も「どこまで今の状況を続けていくのか」ということも含めて、国の制度も確認しているが、方針を出していかなければいけないと考えている。今日も率直なご意見をいただきたい。よろしくお願いしたい。
(健康福祉部長)
それでは、ここからは山本知事に座長をお願いし、議事に入りたい。
(知事)
委員には警戒度移行の判断基準の資料をお渡しさせていただいている。現時点で病床稼働率が56.0%で、新規感染者数も相当高かったが、ここに来て一日平均が36名ぐらいになってきた。感染経路については、7割近く追えている。3割が感染経路不明になっているということだ。陽性率は6.2%ということで下がってきた。重症者は13人ということで、もう少し減らせればいいが、このぐらいのレベルで推移をしている。
全国的に落ち着いてきた感じがあるが、「今後群馬県としてどのような対応をとっていくべきか」について、委員の方にお話を伺って参りたい。
それではまず委員からご意見いただきたい。
(委員)
群馬県の地域の具体的な事情を存じ上げている訳ではないが、地域の陽性者数が減ってきているのはすごく良いことだと思う。あと知事が言ったとおり、どこまで今のレベルの対策を続けていくかが焦点になると思う。やはり病床稼働率がすごく課題になるのだと思う。すぐには回復しないから、なかなか減らない。
あと病床も、我々も感覚的に分かるが、半分以上埋まっているとやりとりがものすごく大変である。これが逆に陽性者が増えると一気に医療に負荷がかかると想定できる。
もうしばらくは対策を続けて、しっかり下げていくことが必要ではないだろうかと感じている。どこまでいくかということは本当に難しい。今回いろいろご意見があると思う。
参考までに、東京の方で「どこまで下げるか」という公の議論はまだ行っていない。ただ、仲間内で、我々や医療を行う救急の先生方と話をすると、2波から3波の間、東京は一日当たり100例くらいまでしか下げられなかったが、感染自体はものすごく早く、一気に追い込まれてしまった苦い思いがある。
やはり1波の終わりぐらいまでは下げたいという話はしている。それがそのまま群馬県に当てはまるかどうかはわからないが、全体としての考え方は参考にしていただけると思い話をさせてもらった。
(知事)
またあとで委員に伺いたいと思うが、群馬県では地域を絞って、営業時間短縮の要請をしているが、地域によっては少し基準を下回っているところも出てきている。
いつまでも今の状況で協力金を払い続けるというのは財政的に難しく、国の制度や臨時交付金を最大限に活用していくが、「下がったところは外すかどうか」という判断を迫られるようなことになると思う。一旦外して様子を見るという、それぞれの地域の事情にもよるが。その点は委員いかがか。慎重に見れば、そのままというのもあると思うが、かなり地域差が出てきているので、どのように考えるか。
(委員)
やはり地域性をもっているので、地域を区切って対応を変えるというのは、ありではないかと思う。もちろんその場合にはそれぞれの地域間の人の行き来等に注意が必要であると思う。地域の方々の納得が得られれば、そういうやり方もあると思う。
(知事)
委員はいかがか。
(委員)
自分も委員と似た意見で、皆さんのおかげで下がってきたことは素晴らしいと思う。その中で、今、病床稼働率や陽性率が下がり始めて少し経ってきているというところかと思うが、3月・4月に人の移動が起こってくるまでに、もう少し下げておくと、3月終わりから4月にかけては、かなり安心して、新しい施策等を検討いただけると思う。もうしばらくは上がらない対策をするべきと思う。
時短要請については、第1弾から第5弾まで追っていくと、第3弾まではあまり効果がなかったように受け取れる。対応を20時までが始まってから、やはり効果が発生してくる。やっぱり1ヶ月程度かかり、やっと収まってきているので、そういう意味でも、まだここで緩めてしまうのは少し危険だと思う。
部分的に改善がかなり顕著な地域を外すのは良いと思う。タイミングは、「十分下がった」と皆で確認した上で、部分的に外していくということがよいと思う
(知事)
委員にお聞きしたい。群馬県で見ると、どこもそうかもしれないが、かなり多くの方々は感染防止対策に協力をしていただいている。
やはり一部のお店や一部の方々が、かなり不注意な行動があって、それが結構大多数の県民の皆さんの努力を水の泡にしているようなところもある。もちろん緩んでいるということもあると思うが、第1波の時はもちろんみんな気をつけていたが、明らかに冬に入って感染力が増えているというか、ウイルスの感染力が増してうつりやすくなっているという感覚がある。委員はどう思われているか。
(委員)
感染力に関しては、ウイルス側の問題もあり、どのような可能性があるか、ちょっと複雑的な問題があるかもしれない。
少し話をそらすが、若い人たちがやはり感染の基点になっている可能性はどこもあると思う。店舗ごとにフォローするのは難しいので、ビルの方から対策を攻めていく。店舗の感染拡大に関してはビルの組合の方から各店舗の人達にアプローチしていこうという作戦をとっている。ビルの人たちは店舗ごとに契約しているから、店舗の状況を把握しているし、そこから防止する作戦をとっている。
(知事)
委員の言ったビルの話はちょっと参考に研究させていただきたいと思う。
委員はいかがか。
(委員)
傾向としては確かに大分落ち着いてきていると思うが、高齢者施設で発生したクラスターで、施設間格差が大きいということがわかった。今回クラスターが発生した施設は、全然対策ができてないということがわかったので、関連施設に早めに、対策班を出して対策しておきたい。1人判明した時にそこで抑えられるのか、広げてしまうのかというのが大変大きな問題になる。それは対応していきたいと考えている。
あと学校関係では、運動もそうだが、吹奏楽も少し重点的に対策が必要と感じている。全体的には収まっているところではあるが、そこが今検討課題かと思う。
(知事)
委員にお話を伺ったが、健康福祉部長と話をして、県独自の発熱モニターシステムを頑張って、ほとんどの高齢者施設と障害者施設に広げた。かなり長い間、クラスターが出てなかったが、最近連続して発生した。調べてみると、やはりだんだん報告の中身が雑になっていたりする。特に有料老人ホームについて、委員も言ったとおり相当緩くなっているので、改めてチームを作り、特に東毛が多いので、ここはしっかりやりたいと思う。
それから委員が言った部活もある程度制限しながら対応しているが、やはり球技で出ていて、やはり一つのボールを扱うというのは相当危ないというふうに思った。あるいは吹奏楽部で出たりしているので、そこら辺を少しピンポイントでよく調べてみたいと思う。続けて委員いかがか。
(委員)
県の方で宿泊療養施設の3棟目を設置し、そのおかげもあり待機している陽性者が少ないということは本当にありがたく思っている。最近の傾向を見てみると、栃木県でかなり急激に減少しているのに比べ、群馬県はまだ少し高止まりかなという印象を受けている。やはり高齢者福祉施設や介護事業所におけるクラスターというのが気になっている。今、知事が言ったとおり、発熱モニターシステムが少し緩くなっているということもあるのかと感じている。
先ほど委員が言ったとおり、医療機関とすると、病症使用率が50%超えていると、割と余裕がないという印象が実感としてはある。このところ大体50%台となっているが、そういう印象がある。
本日の資料においても、一部の病院で一般医療への影響が出ているということがある。手術等もこれまでと比べると、少し延期する期間が長くなっているという場合も見受けられる。やはり医療機関にとっては少し余裕がないという状況かなと思う。
それと、同じ患者数を受け入れるにしても、1日で1度に多数というと急に医療が逼迫してくるので、そういう意味でもクラスター発生をぜひ避けたいと思う。
それと、時短要請については、20時にしてかなり効果が出ているということもあるが、やはり感染状況によって地域ごとに判断をして、場合によっては20時を、22時にするなど緩和するのも一つの方法と思う。
(知事)
今日は専門の先生方のご意見を伺う中で、当然慎重なご意見も多いと思ったが、栃木県は緊急事態宣言により、相当感染者数が下がっているが、経済的には大変なダメージがあった。
昨日菅総理が政府として、栃木県を除いて緊急事態宣言を延長するという方針が出た後に、対象地域の知事のコメントがあった。
福岡市長が悔しいと。これを続けるのは相当地元にダメージがあるので、本当は解除したいが残念だと。とにかく福岡は医療が厳しいので仕方がないというふうに言っていた。我々も慎重にやらなければいけないと思っているが、経済も回さなければいけないということもある。もっと言うと協力金について、国の方でもいろいろ臨時交付金等の対応をやってくれたが、財政にも結構限界があって、できれば、状況によって、ある程度本当に収まってきたところに対しては、一旦先程二人の委員が言ったように全体をかけていても、少し外してみるとか、そういうこともやらざるを得ないかなと思う。いかがか。
(委員)
地域によって差をつけていくのも一つの方策だと思う。
(委員)
警戒度移行の判断の前に、武漢に由来するウイルスは一旦押さえ込んだ。その後3月にヨーロッパから入ってきて、そのままどうも残って、第2波でも収まりかけたが、完全に押さえ込めなくて、第3波になった。1月29日に国立感染症研究所からデータが公開されたが、どうも二つの塊があって、それが残っているということだ。そのためやはり一旦はかなり押さえ込まないと、また同じような形で出てきてしまう可能性がある。
今の警戒度については、群馬県は大分少なくなってはいても、陽性者の推移を見ると警戒度を上げた時と比べて25日以降の数字がそんなにまだ下がり切ってはいない。やはりそれがもっと下がるまで続けた方がいいのかなと思う。
それから時短要請については、地域によっていろいろな事情があると思うので、いろいろ考えて、下げてもよいのではと思う。
(知事)
警戒度については、今警戒度4で最高ではあるが、これを一つ下げただけでも相当緩みが出てしまうので、これはとてもできるような状況ではないと思う。我々としては数字の基準を設けたほか、いろいろな要素を勘案して時短要請をかけた。
実は時短要請をかけてほしいという地域もあるが、人数だけでなくて、そこに地域の広がりがあるかとか或いは感染経路が追えているかどうかを勘案している。例えば藤岡市みたいな数字上は微妙なところも、いろんな方の意見を聞くとほとんど感染経路が追えていたりするので、ある程度時短要請地域の濃淡をつけている。また、ここでよく出てきたのがPCR検査の話で、どの地域もそうだと思うが、今のところ皆さんのご協力をいただいて、群馬県で大体今1日1000ぐらいやっている。診療検査外来が300から400ぐらいあって、能力で言うと8000ぐらいできるという中で、やはり「PCR検査をとにかくもう少し多くしてくれ」という流れがある。そういう声が多くあるが、委員いかがか。
(委員)
群馬県は、衛生環境研究所、民間、大学も含めて医療機関もかなり頑張ってやってくれているので、非常にうまく検査がすすめられているのかなと思う。
問題になるのは例えば、クラスターが発生して、濃厚接触者の検査についてやはりPCR検査をしっかりやることが必要ではあるが、例えば、陽性者が出ていないところに対してPCR検査をやるという話があるが、偽陰性の問題があり、なかなか難しいという気がする。
群馬県でいうと、分担を保健所の方でいろいろと考えて検体を出しているので、今の状態でうまくいっていると思う。
(知事)
PCR検査のことは後でまた伺いたいと思う。委員いかがか。
(委員)
警戒度移行について、一部の都府県に2回目の緊急事態宣言が出たが、毎日6つの指標がNHKやいろいろな新聞で出ている。群馬県が出している指標とはずれがあるのが少し気になっている。警戒度移行に関しては、国の基準に合わせて判断するのがよいと思う。
あと時短要請については、少し対策を変更する時期にきているなと感じている。時短要請を一旦終了し、やはり注力できる力というのは限りがあるので、時短要請をする飲食店の方々への痛みは一旦終了させていただいて重点的にやらなければいけないことがあると思う。委員が言ったように、高齢者施設に対する支援や準備等、あと、1人でも発生した時の対応というのをもう少し強化していく必要があると思う。C-MATについて、群馬県は他県に先駆けて大分早い時期に作ったと思う。C-MATの運用方法が少し変更されており、委員や委員、臨床の先生方への負担が大分大きくなっている状況だと思うが、やはり最初に1例でも出た場合に、早め早めに施設への対策の支援に入るという方がその後が大きくならない。クラスターが大きくなればなるほど医療への負担がかかる。やはりここには注力していくべきだと感じている。
二つ目として、外国籍の方々に対する対策に力を入れなくてはいけないと思う。群馬県はやはり外国籍の方が多い地域なので、今まで以上に外国籍の方に対する啓発にもっと力入れていくべきだと思っている。外国籍の陽性者が増えると、医療の逼迫はもちろんだが、宿泊療養施設への影響もあるので、やはり対策を強める必要があるなと感じている。
三つ目として、学校において、部活動や授業の内容により感染が広がっているのではないかと思う。やはり何度も話をしているが、新型コロナウイルス感染症が流行する前の授業形態に戻ってきている。給食を食べる新しい様式やマスクをつけて授業を受けることは浸透された。しかしながら、限られた空間、例えば体育館の中でマスクをしないで、クラス合同でホッケーをしていたケースがあった。これを今の時期にやらなければならなかったのかという思いがある。やはりそれが原因で広がったのではないかと調査して感じた。例えば通常の授業を受けるとか、学科をしっかりと学んでいくということに重点を置いていればありがたいと思った。感染が広がると濃厚接触者が増え、余計2週間、3週間と学校を欠席するという悪影響が大きくなる。ここはもう少し対策を強めていただけたらありがたいと思う。
四つ目として、委員の話を聞いてだが、正直に言えばPCR検査が各地域で、幾らでもできるような体制が整ってきている。地域力がすごく高まっている。ただ、地域の医師会長の先生にお願いしたことだが、「基本的に症状が一つでもあれば、一度様子を見て返すのではなくて、すぐにPCR検査をまずとってください。処方するのはもちろんありがたいが、1回目からPCR検査をしてほしい。そしてそれを、医師会員の皆様に周知していただきたい。」とお願いして、快く承知していただいた。そのためPCR検査は大分群馬県に浸透しつつあるのではないかなというふうに感じている。
(知事)
今委員が言ったことは非常に大事なことが多い。まず一つ外国籍の方に対する対策の話を聞いて思ったのが群馬県だけではないと思うが、ブラジル国籍の感染者が多くなった時に県民の皆さんに外国籍が多いということを1回は言わなければいけなかったと思ったので、いろいろあったがその時だけ発表させていただいた。あとこれは他の知事はやっていないと思うが東京の大使館に行ってブラジル大使館領事館大使と総領事に東毛まで来てもらい、コミュニティの人に会ってもらった。ボリビアの方も少し増えたことがあったので宇留賀副知事に大使館に行ってもらい、ベトナムについても、ベトナム大使や外務大臣ともやったので、このようにしっかり呼びかけている。少しまた外国籍の方に対する対策を我々もピンポイントで考えてみたいと思う。
これまでの話を聞いて、例えば有料老人ホームもそうだが、いくつかピンポイントにして対策をしていきたい。いくつかにジャンルを分けてピンポイントでやっていきたいと思う。それから委員がすごく大事なことを言ったが、時短要請はやはり1回解除しても良いのではないか。今日実は委員の方々に聞きたかったことだ。まず、時短要請について、多分吾妻みたいなところと、高崎前橋みたいなところは違うと思う。この時短要請を解除できるかどうかというのは我々としてすごく大きなことで、委員の趣旨はつまり時短要請に対してとにかく協力金等々でまずリソースを使うということよりも、むしろ今言ったようにほかの対策にもう少しこうリソース分けてもいい時期になっているという話か。
(委員)
極端に全部100で対応するのではなくて、100を50ずつにするとか少しこう対策するフェーズが変わってきたのではないかと感じている。
少しクラスター発生だとか広がり方も変わってきていると感じている。飲食店で全く発生しないということはありえないと思うが。
(知事)
もう一つ、PCR検査のことについて、群馬県は全都道府県に比べて決して平均で劣っているわけではなく遜色ないが、栃木県とか岐阜県に比べると少ない。そのためいつも健康福祉部長に、「もう少しPCR検査を広げられないか」という話をしている。あんまりむやみやたらに検査をしてみんな陰性になった場合、実は偽陰性の人たちがまた広げるようなこともあったりする。ただ、8000できるとすれば、もう少し広げてもいいのではないかなというふうに思う。
(委員)
いくらでもできるような感じだ。ただ、1日でできる数が限られている。300人であれば3日にかけて100人ずつだとか、それでも対応できると思う。
(知事)
委員、今日伺いたいのは、もちろん東京でもどこでもそうだと思うが、飲食店の時短要請というのが、政府が打ち出している柱の一つだと思う。群馬県では地域を絞って時短要請をかけているが、流石にこれだけ長くなって、これが続いてくると何が起こるかというと、例えば「なんで飲食業界だけなのか」とか「飲食業界が困っていることによって我々関連の業界も困っているじゃないか」いう話がでてくる。それについてどうも政府がそこの支援を倍増するみたいな報道を見たが、この不公平感みたいなもの、「何で飲食業界ばかりなのか」と言われた時にどうやって説明していくべきか。いつも言っているのは、「専門家の方々の見解でも、会食により飲食店でうつるリスクが大きいからだ」と説明しているのだが。
もう一つ委員に伺いたいのは、群馬県として結構早い時期に、県民の皆さんに不要不急の外出自粛を要請している。外出自粛を要請していることにより、かなり「お店も困っているのだから」という議論はいつもあり、これははっきり言って少し矛盾したことをやっていると思う。外出自粛を要請しているのに「お店は何時までやっていてもいいですか」みたいな話でなかなかそこの説明や解決がつかない。この飲食店に対する対策についての、根拠をどのように説明したらよいのかといつも思っているが、そこはいかがか。
(委員)
まず、知事の感じているその矛盾ということも私はぼんやりと感じていたところでその通りだと思う。片や不要不急の外出をしないようにお願いしながら飲食店に時短要請をしている。ちなみに、これは「20時で閉める予定にするけどそこまでは開けてもいい。」という話にもなる。このところの矛盾については私も感じていた。そこに関しての説明は大変難しいと思う。ただ東京で提案したのは例えば、業態の変化に対する支援、例えばデリバリーや持ち帰り、いわゆるテイクアウトを中心とする業態に対して支援をするのはどうか等を申し上げた。
(知事)
なんとなくやはり地元で暮らしていると結構飲食店の方々も県内で努力していて、一所懸命感染防止対策をやりながら、頑張っている。時短要請をかけるときにやる気のある人たちは怒っていて、「クラスターは出ていないじゃないか」と。
ただクラスターが出ていないからといって、別に安心できない。つまりやはり会食でうつっている人がいるかもしれないので。
やはり専門家の見解からいっても委員が言ったように、リスクは高いから、そこのリスクを少しでも減らすためにやっているのだと説明した。だが、何となく地元の方々の顔がうかぶと、「こんなに一所懸命やっているのに、ここから本当に出ているのか」と思いながらやっている。
もう一つ言うと、私はGoToトラベルの話を菅総理にした時に、群馬県は200人に調査して、確かに4割ぐらいは感染経路がわからなかったが、その中で200人のうち、GoToトラベルに行った人が数人しかいなかった。GoToトラベルで旅行に行った人が数人しかいなくて、しかもその人たちがGoToトラベルでうつったとも限らない。尚かつ観光地で、最近少し出たがほとんど出ない中で、やっぱりGoToトラベルを止める時の理屈が大変で、「やはり人が動くとリスクがある」と言った。あとやはりどう考えても会食でうつるリスクが高いということなのか。
(委員)
そこはもう間違いないと思う。感染研の先生方が集められたデータを見ると明確に出ている。それで私はそう認識している。
(知事)
委員いかがか。
(委員)
やはりリスクが高いのは飲食店である。11月の山を見ると、飲食店から始まって病院とか広範囲に次々と広がっていく。クラスターが発生してしまうと大体4週間とか、数週間かかってしまうので、ここで医療は遅れてしまう。こういったことを説明の材料にしている。そして「飲食店のほうから始まって病院に感染が拡大し、自分の家族や自分自身が入院できなくなってしまう。こういったことが起こるから、今も防がなければいけないのですよ」というように二段階の説明をして、コミュニケーションしていた。おそらく群馬県も同じような状態になると思う。やはり病院などの施設は守っていくべきで、施設で一人出たらすぐに行くのがいいと思う。これはかなり守りになると思う。これは盾です。また、矛として教育とか啓発を強化する。感染を抑えていくという対策は必要だと思う。「矛と盾でやっていく」という形がある。
(知事)
これから、警戒度移行の判断する時期がやってくるが、そこまでよく数字を見なければいけない。例えば一部地域を外すにしても、今委員が言ったように、代わりにしっかり啓発するとか、その地域のホットスポットをきっちりと対応する状況を作ることが大事だということを学ばしていただいた。しっかりやっていきたいと思う。そこで、今日委員の先生方にご意見を伺いたいのは、委員の話の中でそろそろリソースを動かしたらいいということがあった。重点的にやるところはまず一つは有料老人ホーム、これは健康福祉部長がしっかりとまた東毛を中心に回ると言っている。もう一つ飲食店については、産業経済部長を中心にチームを作って、おそらく他の県よりも一生懸命やっている。県警にも陰に陽にいろいろとご協力いただきながら、この対策をしっかりやっていく。それから学校についても教育委員会を通じて今までよりも注意していかなければいけない。ボール等でうつる可能性もある。今まで部活の対外試合を自粛してほしいと言ってきたが、吹奏楽も含めてもう少し細かい指示を学校側に出す必要がある。それから若者に対する啓発というのは、ご存知の通り各新聞に広告を出して、SNS、フェイスブックやLINEで啓発活動を行っている。この間も青年会議所との代表と面談し、周知してもらうよう依頼した。ピンポイントと言った場合に、有料老人ホーム、学校、それから若者、それから外国籍の方に対して更に強化するよう少し戦略を練り直してやっていきたい。委員いかがか
(委員)
その辺は重点的にやっていただきたいと思う。確かに我々が見ていて、やはり飲食店でも伊勢崎、太田は全然違う。「これだけ陽性者がでているのにまだやっているのか」という感じなので、そういう地域にももう少し頑張っていただければと思う。前橋・高崎は確かに陽性者が出ているが規模や人口規模からいってかなり少ない。
(知事)
私も高崎に住んでいるので、土日に駅前等を回っているが、高崎はやはりしっかりやっていて、市長から相当きちっとお触れが出ているので、お店を覗いても結構みんなアクリル板とかで仕切りがあるし、これだけ人口が多いのに実際陽性者が少ない。他の市町村では結構みんなマスクをとっていて、会食していることにより、結構密になっている。そういうところに対してピンポイントで対策していくということか。委員いかがか。
(委員)
ここ最近の新規感染者数の推移でこの時短要請の影響を県全体で見てみるが、地域によって分けていくとかなり効果が違っている。地域ごとで見ていたら時短要請の効果があったと思うが、一部の地域ではなかなか効果が出ていないようだ。
だから、そのような地域に対して対策を徹底するというのは非常に重要だと思う。やはりC-MATや発熱モニタリングシステムをもう一度徹底していく必要があると思う。早い段階にしっかりとチェックするということだ。
(知事)
C-MATは先日の非常に大規模なクラスターの時はすぐ出していただいたので、市長と話した時に「やはりこのようなときに出動していただくと大変ありがたい」と思っていた。C-MATの強化についても医療関係者の従事者の方々に大変な負担をかけているが、これからピンポイントで対策していく時にまたご協力いただければと思う。それから病床については、今稼働率を下げるために一生懸命やっていて、群馬県は相当真面目に、医師や看護師の数も考えながら、健康福祉部を中心に相当細かく議論をしながら積み上げてきた。ここからまた県立病院中心に、民間にも働きかけて行こうと思う。大変難しいのだが、やはり今のところは36人程度だが、一時100人近くまで陽性者が発生した時に、これが2週間続くと医療崩壊する。民間病院も相当頑張って協力してくれているが、実は病床なんてそんなに余っていないということもわかっているが、そこはまたよく医師会ともご相談しながら、どうしても最悪の場合に備えなければいけない。委員いかがか。
(委員)
病床だけでなく、やはりそれを実際に対応する職員の体制をきちっとする必要があると思う。今回がんセンターで、病床21床追加してもらったが、実はがんセンターは、7対1看護じゃなくて10対1看護のままなので、看護師の負担がかかっている。その辺のサポートも併せて考えていただければと思う。
(知事)
わかりました。委員いかがか。
(委員)
この新型コロナが出てから、地域の医療機関の先生や院長先生から、直接携帯にかかってくることがすごく増えている。今回は病床の確保に関してだが、ある病院の院長先生が、わざわざ連絡くださって、「人道的にも、やっぱりうちが頑張らなきゃいけないってことで一つの病棟、全部コロナの病棟にするよ」と言ってくださり、そのあとフォローで何回も電話したり、伺ったりした。ゾーニングをしたり、空調の管理をしたり、更にスタッフの方が安全にできるよう、院内感染が起きないようにと配慮しながら進めている様子を見て、本当に涙のでる思いで仕事をさせていただいている。どの病院の先生方も使命感を持っていて、群馬県が本当に大変な状況ならば皆さんから更に支援の手を差し伸べてくれると思っている。
(知事)
委員、病床の数を我々も相当真面目に増やそうとしているが、やはり一つ病床を増やすためにはそこに医師や看護師の方が張り付いていなければならないので、この人の配置が極めて難しい。群馬県の場合今341床だが、これを何とかもう少し増やしていこうとして、まず県立病院からできることということで県立病院もぎりぎりだが、がんセンター等に努力してもらってまずは県立公立から増やしてきた。そこから民間の方にお願いをしているのだが、東京都はどのように対応しているのか。やはり人を配置するということはものすごく大変だと思うのだが。
(委員)
やはり東京は本当に苦労している。どの病院も、もともと一般診療所機能を十分担っていて、それ程余裕がない中で出せるところを何とか出し合って、確保しているところがあると思う。ただ、その上で多くの医療機関の方々に参加しいただくにはやはり公的病院が率先してやっていくべきだろうということで、東京都では都立病院にかなりの病床を増やしてもらい、特定機能病院も増やしてきた。あと最近では感染者も収まってきた中で、むしろリハビリが必要な方や或いは転院調整が必要な方々を受け入れようとかなり申し出が増えたと思う。そういう方々の調整もうまくいった。少しでも分業しながらじわりじわりと広げていっているという形である
もちろんこれで十分だとは思っていないが、やはりこの3波の中でもその辺を変えていったところを肌で感じているし、むしろ今からもっと頑張って広げるべきという思いをもってやっている。
(知事)
委員、病床確保についていかがか。
(委員)
他の自治体の例として、大きなアウトブレイクを起こしたところはそこにプレハブ等を作って、そこに5人でも10人でも受入病院として携わっていただくということも一つの方法だと思う。
(知事)
最後に、ワクチン接種がこれから一つの自治体の行政の柱になってくると思うが、国と市町村が主役なので、そこに県としてどういう調整の役割をしていくかということを毎日議論している。盟友の河野太郎大臣にこの間も連絡した時に、「しっかり自治体で、体制を整えてください」と言っていたが、これから医療関係者を中心に接種をしていくが、委員はどのようなシナリオを想定しているか。
(委員)
私には正確にお答えできるほど見識はないが、こちらの動きにはすごく期待している。国や自治体が段取りをきちんと取り組んで実際に行っていくということは、相当に負荷のかかる作業ではないかなと思う。どれくらいのスピードで入ってくるか読めないところもある。現場で対策をする側の人間としては、ワクチンに大変期待しているが、思った程にはスピードが出ない、なかなか接種が進まないという状況が想定されるのかなと思う。その上でやはり地域としての感染防止対策、医療体制の整備を進めていくということになるのかなと思う。世の中の動きを見ているとあまり楽観できないということは感じている。
(知事)
委員いかがか。
(委員)
私もそれほど見識はないが、ワクチンの有効性が6割から9割と言われていて期待してはいるがすべてが解決できるようなものでないと思う。今、機能している対策というのをしっかりと実施しながら、準備をしていく必要があると思う。現行の対策を優先して、その上でワクチン体制を作っていくとする形かなと思う。
(知事)
本当に貴重な時間をいただいた。これから警戒度の判断もあり、或いは我々として、時短要請地域の対象をどうしていくかっていう問題もあり、いろいろなことを議論して、しかもかなり迅速に決めていかなければならない。今日の議論も参考にさせていただきたいと思う。引き続きよろしくお願いしたい。
(健康福祉部長)
以上をもって、第7回群馬県感染症危機管理チーム会議を終了したい。
※(3)は、時間の都合上、省略