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第15回がん対策推進協議会議事録
- 日時:平成30年2月15日(木曜日)18時30分~19時25分
- 場所:群馬県庁舎7階 審議会室(群馬県前橋市大手町1-1-1)
- 参加者:群馬県がん対策推進協議会委員17名(代理出席2名)県健康福祉部部長、健康福祉部副部長、保健予防課長ほか関係課長等 7名
《配付資料》
- 資料1 第3期「群馬県がん対策推進計画」(案)
- 資料2 第3期「群馬県がん対策推進計画」素案に対する意見への対応・回答
- 資料3 群馬県がん対策推進協議会部会・専門分科会構成(案)
- 資料4 群馬県がん対策推進協議会 今後の開催予定
- 参考資料1 第3期「がん対策推進基本計画」(厚生労働省)
- 参考資料2 第2期「群馬県がん対策推進計画」
- 参考資料3 重粒子線の保険適用の拡大について
- 参考資料4 群馬県がん患者ミーティング2018(リーフレット)
会議内容
1 開会
開会
2 あいさつ
群馬県健康福祉部部長 川原 武男
群馬県がん対策推進協議会長 須藤 英仁
3 議事
事務局が議案資料に基づき説明を行った。
- 第2期「群馬県がん対策推進計画」案について
- 群馬県がん対策推進協議会部会・専門分科会の再編及び委員構成について
- 群馬県がん対策推進協議会の今後の開催予定について
- その他
主な意見・質疑の概要
第3期「群馬県がん対策推進計画」案について
(委員)
パブリックコメント等への対応につきましては、県の事務局とも意見交換を重ねてきた。その結果として、最終的にこういう案になったということであればやむを得ないと思うが、個人として提出した意見について述べさせていただく。
まず、委員等からの意見としてあがった「「群馬県庁が群馬県禁煙施設認定を受ける。目標値1」とするのはどうか」について。県の保健予防課には、群馬県禁煙施設認定制度という制度を進めており、これは、県内で禁煙を進める施設を募って認定するという制度である。こちらについては、既に1,566施設が認定になっているが、まだ、群馬県庁は認定になっていない。この認定制度の良いところは、それぞれの施設が、「自分の所は禁煙にしよう」と話し合って、自ら自主的に行うところにある。県の対応案を見ると、法律で決まるので(目標にしない)となっており、他人任せの考え方である。公衆衛生というのはそのような考え方ではなくて、やはりそれぞれのコミュニティがしっかりと話し合って、どういう風に進めるべきかを決めるものであり、自ら行っていくというその自主性を持っていけるといいのではないかと思います。
次に、がんの教育について、これも群馬県の教育委員会の方とも話し合って、最終的にこういう形になったが、計画の中にしっかりと、いつまでに全小中学校・高等学校で行われるということを明記して、がん対策推進計画を目にする方々に周知をしていく、がんの教育がこうやって始まるんだと分かっていただく。がん教育を進めることはとてもたいへんなことだと思うので、多くの方々の協力がなければ進められない。そういう意味でも、計画の中にしっかりと書いていただいて、計画を見た方々の協力を得ながら進めていく、という方向が良いのではないかとの思いで意見を出した。
今回の協議会もそうだが、県内のがん対策に関わる方々が集まって議論を交わす、みんなで一緒になって計画を策定する、そういう共通理解事項というか、みんなでこういうことを進めていくということを理解した上で、協力し合うことが大事。そのためにも、しっかりと明示する必要があるのではないかと思う。
(事務局)
ご提案をいただいた点については、他人任せと言われてしまうとそれまでだが、期間中に法律で必ず行わなければならないものであり、達成しなければいけないことを目標に掲げることに違和感があり、現在のような形としている。
(委員)
やはり、実効性のある取組を行っていかないと、というところだと思う。文書にして報告書を出すのは良いけれども、実行していかない限りただの文書になってしまう。是非、その辺りを配慮していただきたい。
(委員)
計画中に「受動喫煙の機会を有する者の割合」という指標などがあるが、どこからこの数値は出てくるのか。
(事務局)
生活習慣に関する数値は、がんの計画とは別に、群馬県健康増進計画「元気県ぐんま21」というのがあるが、そちらの目標が平成34年度までということで計画期間がほぼ重なること、また、目標を定める目的が一緒ということで、そちらの数値を持ってきている。
(委員)
その中でも受動喫煙は、がんについては、喫煙が一番悪玉なわけですから、その辺りを強調することは大事かなと思う。
(委員)
パブリックコメントの中に、群馬を大きく分けて、4つの病院くらいは全ての診療科をカバーしなさいというものがある。それに対する事務局の回答が、「厚生労働省が「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」の見直しを進めているので、その状況を見ながら対応したい」となっている。見直しの中で、がん診療連携拠点病院は全診療科をカバーしなさいということが出ているのか。
(事務局)
現状では、特にそのような話題は出ていない。
(委員)
各地域に全てをカバーできるがんセンターのような施設があれば良いのだろうけど、医療資源等を考えると、難しいのが現実にある。その辺りは、連携でカバーするのが中心になると思う。
群馬県がん対策推進協議会部会・専門分科会の再編及び委員構成について
(委員)
がん登録は良いが、がん対策情報収集・分析検討部会、これは一言で言うとどのような部会か。
(委員)
第2期の計画を策定した時に、がんに関する色々な情報が集まっていないととなった。ですので、そういう情報を集めて分析して、その時考えていたのが大阪府の成人病センターにあるような疫学的な研究をしているような部署だけれども、しっかりとがんの研究をして、その成果を計画に盛り込むようなことをしていたので、そのような組織が群馬県にあれば良いのではないかということで、新たに情報収集と分析を兼ねるようなセンター的なものを作れれば良いのではないかと提案され、それの実現性について検討する部会である。しかし、なかなか実現しないままに現在に至っているが、分析していくことは大事であるし、がん登録のデータをどう扱っていくのかということも大事であるので、今後は2つをまとめて検討するということで良いのではないかという提案だと思う。
その他
(委員)
重粒子線治療について、保険適用になると、いわゆる治療費は下がる。そういう点では、患者数がもう少し増えてこないと収益性が上がらないというのが現実。群大病院においても集患に対しての行動をしっかり取っていただきたい。また、保険適用の拡大について、県民のみなさんに周知していかなければならないと思う。
(委員)
先ほど実績の説明があったが、最近インバウンドが話題になるが、外国人の方の受診の割合はどの位か。また、ニュースで治療費の滞納が話題になるが、そのような問題はあるか。
(幹事)
外国人の方の関係については、問合せはあるようだが、実際に治療につながる患者は年に数人程度である。医療ツーリズムでの短期の場合は、重粒子線治療は3~4週間程度はかかるので、難しいかと思う。海外からの治療者の滞納という話は、これまで聞いてはいない。
(委員)
抗がん剤治療に伴い頭髪がなくなる関係で、ウィッグに対する補助について、他の県を見てみますと、2万とか3万とか補助しているところがあるが、群馬県としては今後計画とかあるのでしょうか。
(事務局)
直接すぐに何か対応するという予定はありません。
(委員)
女性にとっては重要なことですので、前向きに検討していただければと思う。
(委員)
がん患者の就労について、企業がどのような形で入っていけるのかという点で計画を見ると、がんに対する施策が色々と盛り込まれている中で、企業の就労支援については、これからかなという印象。まず、企業はこんなことで困っているという情報が集まっていない状態。しかし、私たちの周りにもがんになられた方、がんになった経営者の方、本当に増えてきた。重篤な方もいる、後遺症で悩まれている方もいる、そういったところで、仕事から外さないでいかにフォローしていくか、がんにならないということも非常に大事だが、がんになった後のサポートをこれからどのような形で行っていくか。私自身もがんで2年ほど企業活動から外れたが、そこからの立て直しが、すごく経費的なもの信用的なものが落ちてくる。そこは自助努力しかないのだけれども、やはり人口の半分ががんになるという準備のもとで、施策の中で企業がどのように対応したら良いか、ということが計画の中から回答は見つけられていない。ただ、時間をかけて、具体的なものを見つけていかないと、本当に企業としても倒産に追い込まれるところも出てくるのではないかと感じている。
(委員)
ご指摘のあった企業の点について、病気になったから辞めさせる、辞めてもらうという考え方は、今はそれほど無いと思う。逆に人材不足と言われる中で、新たな人を雇って、その方が治療を続けている人と同じスキルまで育てるということは、非常にコストもかかるので、できれば辞めないで治療をつづけながら働いていただきたいと考えている企業の方も多いと思う。そういった企業の悩みにも応えるのも、治療と職業生活の両立支援の一つ。この計画の中にはストレートには入っていないが、事務局の回答のとおり、県と労働局で連携しながら取組をしっかりと進めていく、このことが、実行性のある取組に繋がると考えているので、その様に対応したい。
(委員)
今のところ、経営者の考え方とかそういうところに左右されるところがある。収益等を考えると難しい面もあるが、前向きに進めていかなければならない非常に大事なところである。
4 閉会
閉会