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第13回群馬県がん対策推進協議会議事録
- 日時:平成29年7月14日(金曜日)19時00分~20時15分
- 場所:群馬県庁舎7階 審議会室(群馬県前橋市大手町1-1-1)
- 参加者:群馬県がん対策推進協議会委員(18名)、県健康福祉部長、県保健予防課長ほか関係課長等(7名)
《配付資料》
- 資料1:平成29年度がん対策関係事業(県実施分)
- 資料2:第3期群馬県がん対策推進計画・策定スケジュール(案)
- 資料3:第3期がん対策推進基本計画案(案)
- 資料4:本県のがんをめぐる現状
- 資料5:第3期群馬県がん対策推進計画・骨子全体構成(案)
- 資料6:第3期群馬県がん対策推進計画・骨子(案)
- 資料7:がん検診精度管理部会(仮称)の設置
- 参考資料1:群馬県がん対策推進計画
- 参考資料2:第3期群馬県がん対策推進計画骨子案に係る部会意見とりまとめ
- 参考資料3:第3期群馬県がん対策推進計画・骨子(案)補足説明資料
会議内容
1 開会
開会
2 あいさつ
群馬県健康福祉部長 川原 武男
3 会長・副会長選出
次のとおり選出された。
- 会長 須藤 英仁 委員(群馬県医師会会長)
- 副会長 田村 遵一 委員(群馬大学医学部附属病院長)
4 議事
事務局から配付資料に基づき説明を行った。
- 平成29年度がん対策関係事業について
- 第3期群馬県がん対策推進計画策定スケジュール(案)について
- 第3期がん対策推進基本計画案について
- 本県のがんをめぐる現状
- 第3期群馬県がん対策推進計画の全体構成及び骨子案について
- がん検診精度管理部会(仮称)の設置について
- 群馬県がん対策推進協議会部会・専門分科会委員任期の延長について
主な意見・質疑の概要
就労支援について
(委員)
群馬労働局では、両立支援推進チームを設置しているほか、ハローワークでは、県立がんセンターで出張相談を実施している。労働問題は、事業者側と労働者側があって、がんになる人が多くなる中で、労働者ががんになったことだけで仕事を辞めてしまうのは悲しいことである。一方で、事業主側からみても、現在は深刻な労働者不足の状況であり、優秀な従業員が病気だけを理由に辞めてしまうと、戦力を失ってしまうことになる。そういった意味では、事業主さんも少しずつ工夫しており、我々も大事な戦力を失わないように支援しているので、県と連携して、支援策の周知を図って参りたい。
(委員)
現役のがん患者であり、大腸がんを患っている。私は会社を経営しているが、入院先で他のがん患者さんと話をすると、会社に内緒で、言うと部署を外されてしまうということで、土日の抗がん剤治療や有給休暇を消化して治療を行っている方もいた。私もそうだったが、抗がん剤治療について、途中からきつくて治療を辞めたくなり、先生に中止をお願いしたが、そういった悩みを持っている方がたくさんいた。私も抗がん剤治療を行っている時は、何日か頭がぼーっとして何にもできない時があって、体が動かない時もある。そういったことを事業主側が理解しないで、退院してきたからということで、結構、出社してくればあてにされる。私は大腸がんだが、がんの種類によって症状は違うと思う。私も一年間人工肛門をつけて仕事をしたが、人工肛門をつけていると怖くて満員電車に乗れないといった悩みもあるので、ただ単にフォローします、ケアしますというのではなくて、具体的にどう対処すれば良いか、それをがんの症状に応じて、患者から聞き出していただきたい。これは、企業ではできないことなので、県の力で情報を集めていただいて、それを群馬労働局に集めて、経営者の方に周知していただき、貴重な労働力を失わないようなにしていただきたい。
がん対策推進計画検討部会の検討内容について
(委員)
受動喫煙については、減らすのではなくて、無くすんだということ。それから、喫煙率がどうしても下がらないので、見本として、まず医療従事者は喫煙率を0にしようということ。また、がんの研究については、地域社会についての研究についても大事だという意見が出された。
また、第2期計画を策定する際、群馬県で取り組みを総合的かつ計画的に推進するために必要な事項として、3つの事項を定めた。1つ目が関係者の連携を更に強化しようということ。第2期を策定した時には、県の教育委員会や群馬労働局との連携は非常に弱かったが、県の教育委員会ではがん教育が始まり、今回から治療と仕事の両立支援が始まるということで、群馬労働局がメンバーにも加わっていただいたり、少し進んだかなというところ。しかし、この協議会に県の教育委員会はまだメンバーに入っていないし、群馬労働局も両立支援が始まっただけで、例えばがん検診について、地域と職域が一体となって進めていくんだという課題もあるし、ますます連携強化を進めないといけない。がんの対策の中で非常に大きな割合を占める未成年者の喫煙について、いったいどれくらい吸っているのかということが問題になる。県の教育委員会の方で調査していただければ、これは、かなり精度の高い調査ができるのではないか。県民健康・栄養調査というのがあり、そちらでも未成年者の喫煙率を調べたが、なかなか良い数字が出てこないというところがある。やはり、こちらも連携強化を進めていく必要があるじゃないかと思う。それから2点目、がんに強い地域社会の構築ということについて、これはそういう地域社会がもしできたとすれば、がんだけではなくて、色々なことに対して地域社会で取り組むことできる。例えば、高齢者の介護にしても地域包括ケアシステムということが進められているが、自治会レベルの協力、それぞれで支え合うというところにも関わってくる。また自殺予防というところにも関わってくるだろうし、障害者が地域で生活しやすいというところにも関わってくる。そういったところを見据えて、がんだけではないんだ、地域社会をきちんと作っていくんだという視点をこれからも持ち続けることが必要ではないかと思う。それから3点目の情報を集めてそれを評価するということについて、これは検討する部会が設置されて検討を行ったが、なかなか良い方向に進んでいない。今のところ、ちょっとペンディングの状態になっている。この3点目は、やはり大事であって、情報を集めてそれを分析することで、はじめてそのPDCAサイクルとか、新たな計画とか見えてくるのではないかと思う。
引き続き、第2期計画で定めたこの3つの視点については、第3期においても必要になるのではないかと思う。
チーム医療について
(委員)
チーム医療という問題で、がんの認定看護師の県内の教育の状況は。
(委員)
専門看護師は、群馬大学でがんの専門看護師の養成を行っている。がん関係の認定看護師になると、県内で養成は行われていないので、資格取得にあたっては、仕事を休んだりする必要があって、施設長や管理者の理解が必要である。
(委員)
県内での看護教育という部分があんまり進んでいないというように感じているが。
(委員)
県が、がん看護分野における研修について群馬大学医学部附属病院に委託して実施している。認定看護師の講習までは受けられない方など幅広い方に受講していただいている。また、認定看護師の講習を受講する動機づけにもなっているので継続していく意味はあると思う。
その他
(委員)
関係する色々な方達との連携は非常に大事だと思うので、がん条例や計画の中にも関係者等と「等」という書き方があるが、なるべくきちんとした名称を書いた方が良い。こういう人たちが協力し合ってがん対策を進めるんだということがわかるように、関係者の名称をしっかり入れることが大事ではないかと思う。
(委員)
当院にかかっている末期がんの患者さんが60名位いるが、その約6割位が後期高齢者の方で、90代の方もいる。ここ半年くらい、色々な学会や文献とかで、高齢者に対するがん治療の問題が出てきているが、現場で見ていて、確かに高齢者にとって一律に標準治療を実施するはかなり過酷である。標準治療を受けることで精神的に参ってしまうという患者さんも見受けられるので、高齢者一人一人の気持ちとか人格に配慮したがん医療が必要だと思う。
(委員)
地域で民生委員を務めている中で、高齢者のお宅をまわっているが、がん患者さんの方もいて、どの方も自宅で静かに最後を迎えたいと言っている。これからもがんの在宅医療が重要になるのかなと思う。
(委員)
緩和ケアも含めて、在宅を進めていかなければいけないんだと思う。
(委員)
たとえば、がん診療拠点病院にはがんの相談窓口があるが、そこに行って相談したことで解決が図られるのか、というところまで考えていかないと、あんまり意味がないという気がする。そういう意味で、なるべく現実的な政策・施策を打っていく必要があると思っている。
(事務局)
本日も色々と御意見をいただきましたし、まだ骨子なので、肉付けしなければいけない。色々と御相談をさせていただきながら、具体的に、かつ、特に患者さんや家族にとって効果のあるものにしたいと思っているので、御協力をお願いしたい。
5 開会
開会