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繊維工業試験場懇談会(書面開催) 令和3年度意見書まとめ

更新日:2022年5月27日 印刷ページ表示

令和3年度の繊維工業試験場懇談会は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、書面開催とさせていただきました。

繊維工業試験場懇談会とは

繊維工業試験場は、県内繊維関係企業の中核的支援機関として、その運営に外部からの意見を反映させるために懇談会を設置しています。

質問1:令和3年度繊維工業試験場の業務実績について

意見

委員A:コロナ禍の制約下であるにも関わらず、積極的な研究開発(資金獲得や件数含む)や商品化、特許取得などの成果、及びオンライン/リアル等工夫した中で、講演会の実施がなされていたことを高く評価したい。又、今年は特に多くの企業との連携や協同開発がなされている様に感じた。

委員B:産業技術センターと繊維試験場にタッグを組んでもらい伝統産業の部品枯渇問題を解決するための足掛かりとなる研究に取り組んでもらった。伝統織物桐生織を消滅させないための未来へ向けての橋渡しをスタートすることができたと考えている。

委員D:インスタ、Youtubeの発信はとても良いと思う。
依頼試験・加工の実績が減ったことはコロナ起因か?
部品の再現案件も良い。これをどう事業者に落とし込んで商売にするか。
委員F:伝統産業の織機部品の枯渇問題への取組がなされているとの事。この実効性について、又問題点について機会があればお伺いしたい。

委員G:ファッションに興味ある学生が体験できると良いと感じていたが、前年の議事録で「卒業生の中には、作家活動を行いたいという人がいることから、個人導入が難しい装置については、試験場を利用できるよう話したい。」との提案あり、インターンシップ実習とした利用が検討されていた。地域に開かれた試験場として取り組まれているのが実感できる。新規事業立ち上げなどのハードルも下がると思う。

委員L:商品化に関して

  1. 繊維工業試験場はそれぞれの商品化事例に関してどういった役割をされたのか明記されたほうが良いと思う。
  2. 過去の商品化事例を通じて、どの程度の売り上げが発生したのか、お調べになるべきです。センターの関与の度合いはともかく、産業支援がミッションであるということであれば、最終的にどの程度経済効果に寄与できているのか説明すべき立場でもあると思う。

試験場回答

外部資金研究、受託研究、公募型共同研究等の研究開発支援に係わる研究費は、前年比25%増加し、また、コロナウイルス感染拡大防止として実施したオンライン講演会についても好評を得ました。産業技術センターと連携して取り組んだ、伝統産業の織機部品の枯渇問題についても様々なところから研究概要についての問い合わせがありました。そのため、各委員から評価していただくことができました。
また、商品化支援について、どの程度経済効果に寄与できているのか、事業終了後の追跡調査を次年度以降は行いたいと考えています。

質問2:令和4年度繊維工業試験場の業務計画について

意見

委員A:数値目標及び設備計画については理解できた。しかしながら、それ以外の項目については具体的な記載がなくコメントのしようがなく残念である。確かに共同研究や外部資金等については今後の依頼次第ということになるのであろうが、試験場独自の研究開発や行動方針/目標については懇談会に諮るべきではないかと考える

委員D:"受託研究等収入"について、もう少し積極的な金額を設定しても良いと思う。

委員E:機器設備監視システム導入でロス削減効率化も進めていくなど群馬の繊維試験場として、いつまでも続けてほしいと思う。

委員J:講演会で、海外を含めたファッション市場について報告してもらいたい。繊維工場のDX化、我々が取るべきSDGs等の情報も流して欲しい。

委員L:抗ウイルス試験をおこなえる体制を構築されたことは、アフターコロナの時代においても一定の需要があるかと思いますが、マスク性能試験機の導入については、今後どの程度の需要が見込めると考えて導入されたのか、対面での会議ではご質問させていただきたい事項であると思った。

委員M:具体的な表記がない中で、ぜひニット分野における取組を計画していただきたい。

試験場回答

試験場の業務は、業界の要望と群馬県総合計画の基本方針に沿って中期ビジョン計画を策定しています。これにより、従来のものづくり産業・地場産業振興とともに、産業のDX推進、医療・ヘルスケア分野、環境・新エネルギー分野等の次世代産業の創出・育成にも取り組んでいます。
機器設備監視システムは、複数の機器の稼働状況を一括してデジタル管理し、リアルタイムで稼働状況を把握することにより、トラブルに迅速に対応できるようになるため、品質低下や時間ロスを防ぎ効率的な機器の運用により、業務効率化と高品質で短納期の依頼加工を進めるためのものです。
マスク性能試験装置は、依頼試験・依頼加工で使用することはもちろん、企業との共同研究等で活用する予定です。
これらの機器の導入後には、報道提供と個別対応の内覧会を予定しておりますので、ご興味のある方は是非ご連絡をお願いいたします。また、講演会については、広く業界ニーズを調査しながらすすめて行きたいと考えています。

質問3:意見交換(業界や企業の業況、抱える課題等についてお聞かせください。)

意見

委員D:新規事業を立てることは容易でない。産地内での製品化が急務である。売れるものづくりの探求。このままだと、赤字で廃業する会社が増える。丁寧に、真面目に、仕事に励みつづける従業員の育成が必要である。

委員E:糸を他の繊維で被覆するための装置(カバリング装置)は産地近辺ではありません。
カバリング装置だけでなく繊維関係の機器は、その多くが産地や近隣からなくなるか老朽化してきています。(撚糸機も含む)

委員F:目の前の問題への対処におわれる日々ですが、社内での研修を課題をしぼってお願いできればと考えている。

委員G:SDGs、環境、人権などへの配慮が強く求められるようになってきた。
繊維商品でも、リサイクル生地などを使用することがトレンドになったり、生産の過程で環境負荷や、人権侵害がないことまで注目されている。

委員I:地元で就職したいという学生が増えているため、ぜひ桐生の産業である染や織の分野を紹介したいと考えている。ただ、給与や福利厚生などを重視する学生も多く紹介しようとしても、その点がネックになる事もあると実感している。

委員M:ニット業界においては、技術の継承が遅れており、最優先課題である。人材育成の取組を行政にもお願いしたい。

試験場回答

各企業から繊維産業の抱える課題として、売れる商品の探求、繊維製品製造関連機器の老朽化や部品枯渇問題、技術の伝承などの人材育成問題などがあげられています。試験場としては産業技術センター、大学などの外部機関と連携して、各企業の強みを活かせるような商品開発や技術開発支援、繊維分野以外の他産業分野への進出支援や部品枯渇問題に取り組んでいきたいと考えています。また人材育成については、業界の要望に沿った研修実施に取り組んでいきたいと考えています。

質問4:その他(上記以外のご意見をお願いします。)

意見

委員B:令和3年度の講演会は、ほぼすべてオンライン開催となってしまいましたが、やはり対面で行うことの重要性と価値を感じた。今年度はぜひ対面開催が一回でも多く開催できることを楽しみにしている。

委員D;繊工試が必要とされるケースは、やはり加工業/分析(生地)がメイン。それぞれを強化してほしい。

委員E:今後も産地の人材育成や研究開発のサポートをしていただきたい。産業技術センターとの統合で、この先心配しています。

委員H:桐生の繊維について全体を把握している人がいないため外部から見て誰に相談して良いかわからない。新しい取組みをしようとしても、どこに頼めるか手探り状態である。試験場が中心となり、とりあえず桐生繊維産業のデータベースを整備して、次のステップに進むと言うことが可能か。

委員L:インターンシップ等を含めた地域社会との交流等について、あまり触れられていない。直接的な業務ではないものの重要な意義があるものと思う。

試験場回答

試験場は、研究開発、技術支援、商品化支援、人材育成、情報提供を基本計画の5本柱として産地繊維企業の支援に取り組んでいます。今後も繊維企業のニーズに沿った依頼試験や加工のサポート体制を整備、人材育成、研究開発支援に取り組んでいきたいと思います。
試験場と産業技術センターの統合について、繊維企業のサポート体制が手薄になるのではないかとのご心配の声をいただきましたが、これまでより広い分野での技術課題解決に取り組んでいきたいと思います。
また、産地繊維企業支援について、桐生地域繊維企業支援団体協議会をつくり、情報交換と協力して繊維企業支援ついて取り組んでいます。今後情報交換の強化と支援体制の効率的運営について考えていきたいと思います。

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