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扇風機による事故に注意!
気温が上がってくると、扇風機やエアコンを使う機会が増加します。扇風機を使用しているご家庭も多いと思いますが、扇風機は使い方を誤ると火災などの事故に至ることがあります。
扇風機による火災事故は、製造から10年以上経っている製品で多く発生しています。劣化した部品が使用中に発熱や発火することにより、火災につながっています。
今回は、扇風機による事故事例と、事故を防ぐための注意点をご紹介します。
【事故事例1】
扇風機から出火し、住宅を全焼する火災が発生した。
約40年の長期使用により、モーター巻線又はコンデンサーが絶縁劣化したため、ショートし、出火したものと考えられる。
なお、事故品の扇風機は使用時に動作が止まることがあったが、しばらく放置すると再び動作していたため、使用を続けていた。
【事故事例2】
扇風機を使用中、電源コードから発火し、扇風機及び周辺を焼損する火災が発生した。
扇風機の電源コードが壁とテーブル間に挟み込まれていたため、コードが断線状態となり、ショートして出火したと考えられる。
取扱説明書には、「重いものを電源コードの上に乗せたり、挟み込んだりすると電源コードが破損し、火災及び感電の原因になる。」と記載されている。
【事故事例3】
施設に設置されていた天井据え付け型の扇風機及び周辺を焼損する火災が発生した。扇風機は動作していなかったが、運転スイッチは入っていた。
約25年の長期使用により、モーターの回転軸が固着して、正常に回転できなくなったことで過大な負荷が掛かって、モーターの巻線が異常発熱し、出火したものと推定される。
なお、事故品の扇風機は使用時に首振り動作をさせようとしても、首を振らないことがあり、手で旋回方向に力を加えると首振りを始めることがあった。
事故を防ぐポイント
1.次のような異常が見られるときには、使用を中止してメーカーや販売店などに相談しましょう
- スイッチを入れても羽根が回らない
- 羽根の回転が遅い、または不規則な動きをする
- 異常な音や振動がある
- 電源コードに触れると羽根が回転したり、止まったりと動作が不安定
- 首振り動作が不規則であったり、異常な音がする
2.使用しないときは電源プラグをコンセントから抜いておきましょう
「動いていないためスイッチが切れていると思ったが、切れていなかった」というような事例も報告されています。
3.電源コードの取扱に注意しましょう
電源コードを傷つけてしまうと、ショートして発火に至るおそれがあります。コードに重いものを載せたり、家具やドアなどで挟み込んだりしないでください。
長期使用製品安全表示制度
エアコン、扇風機、電気洗濯機(乾燥装置を有するものを除く)、換気扇、ブラウン管テレビの5品目において、製品の経年劣化による事故を防ぐため、「長期使用製品安全表示制度」が設けられています。
平成21年4月以降に製造された扇風機等には、「製造年」、「設計上の標準使用期間」と経年劣化についての注意喚起が表示されています。買い替え時期の参考としてください。
表示がないものは既に製造から10年以上が経過しているものです。異常な音や振動、においなどの変化に注意しましょう。
内部の電気部品は劣化が進んでいるおそれがあるため、安全のために早めの買い替えも選択肢の一つです。