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令和5年度 病害虫発生予察情報 第1号(4月予報)

更新日:2023年4月10日 印刷ページ表示

予報の概要

予報の概要

作物名

病害虫名

対象地域名

発生時期

発生量

作物全般

アブラムシ類

平坦地栽培地帯全域

イネ

縞葉枯病

感受性品種栽培地帯

ムギ類

赤かび病

栽培地帯全域

早い

やや多

うどんこ病

栽培地帯全域

 

ナシ

赤星病

栽培地帯全域

やや早い

施設果菜類

灰色かび病

施設栽培地帯全域

 

コナジラミ類

施設栽培地帯全域

 

キュウリ

褐斑病

施設栽培地帯全域

 

べと病

施設栽培地帯全域

 

うどんこ病

施設栽培地帯全域

 

イチゴ

アザミウマ類

施設栽培地帯全域

 

ハダニ類

施設栽培地帯全域

 

ナス

ハダニ類

施設栽培地帯全域

 

夏秋キャベツ

コナガ

高冷地栽培地帯

(発生時期の空欄は連続発生)

主な病害虫の発生予報

1 イネ

縞葉枯病

発生地域

発生時期

発生量

感受性品種栽培地帯

1 予報の根拠

  1. 令和5年2月~3月に採取したヒメトビウンカ越冬世代幼虫のイネ縞葉枯ウイルス(RSV)保毒虫率の県平均は1.9%で昨年並、過去10年の平均値の3.5%を下回った(令和5年3月24日発表 発生予察情報)。
  2. RSV保毒虫率が2.2%であった昨年のイネ縞葉枯病の発生は、平年並であった。

2 防除上注意すべき事項

  1. 施設内で局所的に発生することがあるので、ほ場全体をよく観察する。また、発生が多くなると防除が困難となるので、早期発見及び早期防除に努める。
  2. 気温の上昇により発生が助長されるため、ほ場をよく観察する。
  3. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。また、薬剤散布は葉裏まで薬液が十分かかるよう丁寧に行う。
  4. 感受性が低下している薬剤もあるため、効果のある薬剤をよく確認して薬剤散布を行う。
  5. 天敵を導入しているほ場では、天敵に影響の少ない農薬を選択して散布する。

2 ムギ類

赤かび病

発生地域

発生時期

発生量

栽培地帯全域

早い

やや多

1 予報の根拠

  1. 今後1ヶ月の気象予報(4月6日発表)によると、平年と同様に晴れの日が多く、平均気温は高い確率60%、降水量、日照時間ともに平年並の確率40%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 赤かび病の防除適期は次のとおりである。
    コムギ:開花始期~開花期(出穂7~10日後)
    二条オオムギ:葯殻抽出期(穂揃期10日後)
    六条オオムギ:開花始期~開花期
  2. 第1回目の防除を実施後、曇雨天が続き多発が予想される場合には、第1回目の防除から7~10日後に2回目の防除を行う。
  3. コムギの茎立期は平年より4~6日ほど早まっている*。今後も高温が予想されており、ムギの生育が早まる可能性があるため、生育状況をよく観察し、防除適期を逃さないように注意する。
  4. 食用麦の赤かび被害粒混入割合基準は0.0%(0.049%以下)であるので防除の徹底を図り、被害粒が混入しないよう注意する。
  5. 凍霜害により不稔が発生した場合は、赤かび病の発生が懸念されるので防除を徹底する。
    * 令和5年産小麦の作況と麦類の当面の技術対策(令和5年3月20日現在 群馬県技術支援課発表)

3 イチゴ

アザミウマ類

発生地域

発生時期

発生量

施設栽培地帯全域

 

 1 予報の根拠

  1. 現在までの発生量は平年並である。
  2. 今後1ヶ月の気象予報(4月6日発表)によると、平年と同様に晴れの日が多く、平均気温は高い確率60%、降水量、日照時間ともに平年並の確率40%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 現在までの発生量は平年並であるが、花への寄生が確認されているため注意する。
  2. 気温の上昇とともに発生が助長されるため、ほ場をよく観察する。また、発生を認めた場合は早期防除に努める。
  3. 多くの植物に寄生するため、ほ場及び周辺の雑草は除去する。
  4. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。また、主に花の内部へ寄生するため、薬剤散布は丁寧に行う。
  5.  薬剤防除にあたっては、天敵や訪花昆虫(ミツバチ等)への影響を考慮し、薬剤を選定する。
<ムギ類>出穂期は見た感じより早い???-赤かび病の防除時期に注意しましょう-

ムギ類が出穂期を迎えると、赤かび病の防除時期が近づいてきます。
ところで…防除時期を出穂期後○日でお知らせしていますが、出穂期ってどんな時期でしょう??
「出穂期とは全茎の40~50%出穂した日」(※注)とされています。ここでいう出穂とは、穂先が葉鞘から出た状態(※注)のことで、止め葉から上に穂先が出てくれば出穂ということになります。
そのため、見た感じより出穂期は早く、農家の皆さんが「出穂したなあ」と感じる時期は、出穂期から4~6日くらいあとの穂揃期にあたることが多いです。
ほ場をよく観察して防除時期を逃さないように注意しましょう!
(※注)参考:農研機構の小麦調査基準 第1版

その他の病害虫の発生予報

その他の病害虫の発生予報

作物名

病害虫名

発生時期

発生量

特記事項

作物全般

アブラムシ類

各種トラップへの飛来数は平年並。

ムギ類

うどんこ病

 

現在までの発生量は平年並。
風通しや日当たりの悪い場所、厚播きや窒素質肥料の多施用、追肥の遅れなどにより軟弱過繁茂したところでは発生が助長されるので注意する。

ナシ

赤星病

やや早い

現在までのビャクシン上の冬胞子堆の成熟度は平年より早い。
胞子の飛散時期である4月中下旬の降水量が多くなると感染しやすいので注意する。

施設果菜類

 

 

灰色かび病

 

 

現在までの発生量は平年並。
発病葉や発病花、発病果は伝染源となるため速やかに取り除き、施設外に持ち出して適切に処分する。

コナジラミ類

 

 

現在までの発生量は平年並。
多発後は防除が困難になるので、早期防除を心がける。

キュウリ

褐斑病

 

現在までの発生量は平年並。

ベと病

 

現在までの発生量は平年並。
肥料切れや草勢の衰えにより発生が助長されるため、適正な肥培管理を行う。

うどんこ病

 

現在までの発生量は平年並。
多発してからの薬剤散布は効果が劣るので、発生を認めたら早めに防除する。

イチゴ

ハダニ類

 

現在までの発生量は平年並。
今後、気温の上昇とともに発生が助長される。発生量が多くなると防除が困難となるので、早期発見及び早期防除に努める。

ナス

ハダニ類

 

現在までの発生量は平年並。

夏秋キャベツ

コナガ

現在までの育苗ほにおけるトラップ誘殺数は平年並だが一部で発生が早い。
苗のトンネル被覆を剥がすこの時期は、苗に産卵されることでコナガを本ぽへ持ち込むことが懸念される。コナガの寄生が心配される場合には、育苗ほで防除後、採苗する。

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