本文
やえがさたより2021年4月号
新年度のごあいさつ
日頃から家畜保健衛生並びに畜産振興に係る事業の推進にご理解とご協力を賜り、厚く感謝申し上げます。
この度の定期人事異動では転出者3名、転入者2名の異動がありましたが、新体制のもと業務を一歩一歩着実に遂行する所存ですので、よろしくお願いいたします。
さて、令和2年9月に県内高崎市で豚熱(CSF)が発生し、延べ2,558名の従事者により、5,887頭の疑似患畜処分を実施した記憶も新たなうち、令和3年4月2日に前橋市で豚熱の発生が確認され、延べ3,867名の従事者により、10,207頭の疑似患畜処分を実施ました。両農場ともに近隣で野生いのししの豚熱感染が確認されており、管内農場への消毒命令を含む飼養衛生管理の徹底を指導しているところであります。
また、令和2年度国内において高病原性鳥インフルエンザが猛威を振るい52例、約1,000万羽の殺処分が行われました。海外においては現在も近隣諸国において発生が継続しており、油断できない状況にあります。
このような状況下において、人・物を介した病原体の侵入リスクも高い状況にありますので、畜産農家並びに関係者の皆様におかれましては、引き続き農場での飼養衛生管理の徹底による家畜伝染病の侵入防止に努めていただくとともに、飼養家畜に異状が認められた場合は早期通報をお願いいたします。
結びに、昨年来の「新型コロナウイルス感染症」のまん延ならびに感染拡大が継続されている状況です。畜産への影響として、「全日本ホルスタイン共進会」をはじめ各種イベント等が中止となっています。皆様におかれましても「三密」を避け、充分な対策を講じることで新型コロナウイルスに感染しないようにしていただきたくお願い申し上げます。
課長 庭野 正人
豚熱のまん延防止対策について
豚熱ワクチンの適時接種だけでは発生予防には不十分です。
農場防疫の強化を図る上で、飼養衛生管理基準の完全遵守が必要不可欠です。
今回Faxにて実施した「飼養衛生管理基準の緊急再点検」の調査で、不備が認められる農場については、後日家保による立入調査および対面指導を行いますので、ご協力をお願いします。
また、飼養衛生管理基準の遵守については、伝染病予防法に基づく生産者への義務事項となっています。罰則規定も盛り込まれていることから、不備ある項目がありましたら早急に改善対応をお願いします。
養豚農場への消毒命令発令中
4月に発生した豚熱による県内のまん延防止のため、発生農場から半径10キロメートルに所在する養豚農場に対し、消毒命令が発令されました。
東部管内では、桐生市新里地区、黒保根地区が該当します。
畜舎周囲、農場敷地内などに消石灰を全面に散布するとともに、ネズミ等による伝搬防止のため、殺鼠剤や殺虫剤の散布もあわせて実施してください。
豚オーエスキー病ステータスの変更について
令和3年4月から以下のとおりステータスが変更になりました。
- 桐生市新里地区(4)
- 黒保根地区(4)
- 太田市新田地区(4、3前期)
- 太田市薮塚地区(4)
- みどり市笠懸地区(4)
- 板倉地区(4)
- 明和地区(3前期、3後期)
- 邑楽地区(4)
※注 3前期:繁殖豚へのワクチン接種地域、3後期および4:ワクチン接種中止地域
牛の定期検査の実施について
昨年度、延期されていた牛の定期検査を今年度は次のとおり実施します。
検査疾病
ヨーネ病
対象牛
- 生後6ヶ月月齢以上で搾乳の用に供し、又は供する目的で飼育している雌牛及びこれらと同一施設で飼育している牛
- 繁殖の用に供し、又は供する目的で飼養している肉用雌牛
実施地区(実施予定時期)
- 太田市太田地区(7月)
- みどり市大間々地区(10月)
- 館林市(11月)
※注 実施時期については予定です。
ゴールデンウィーク中の死亡牛BSE検査受付について
家畜衛生研究所で実施しているBSE検査の受付については、下記のとおりです。
受付時間は9時00分~16時00分です。
- 4月29日(木曜日) 休み
- 4月30日(金曜日) 受付
- 5月1日(土曜日) 受付
- 5月2日(日曜日) 休み
- 5月3日(月曜日) 休み
- 5月4日(火曜日) 休み
- 5月5日(水曜日) 受付
- 5月6日(木曜日) 受付
家畜体内受精卵移植師講習会の開催について
受講希望の方は、以下1~3の書類を家畜保健衛生課あて提出してください。
必要書類は家畜保健衛生課で配布しています。
- 受講申請書(指定様式)
- 履歴書(指定様式)
- 家畜人工授精師免許証の写し
開催期間 令和3年6月18日(金曜日)~7月9日(金曜日)
修業試験 令和3年7月12日(月曜日)~7月13日(火曜日)
開催場所 群馬県畜産試験場
提出期限 令和3年5月14日(金曜日)まで
浅間家畜育成牧場の入牧について
令和3年度入牧希望牛の調査にご協力いただきありがとうございました。
今年度の入牧予定は以下のとおりです。概ね一ヶ月前を目安に入牧牛の衛生検査を行います。
また、該当牛がいる場合は同日に退牧となります。
入牧区分 | 入牧日 | 対象 |
---|---|---|
春入牧 | 4月21日(水曜日) | 西部、吾妻、利根沼田 |
春入牧 | 5月19日(水曜日) | 中部、東部 |
夏入牧 | 6月23日(水曜日) | 県域 |
夏入牧 | 7月21日(水曜日) | 県域 |
夏入牧 | 8月18日(水曜日) | 県域 |
夏入牧 | 9月22日(水曜日) | 県域 |
秋入牧 | 10月20日(水曜日) | 県域 |
※注 秋入牧の10月20日は一斉退牧日です。令和2年入牧牛および令和3年夏季牛は退牧となります。
ハエ対策はお早めに!
ハエは
- 家畜のストレスとなって生産性を低下させます。
- 病原体を運び衛生環境を悪化させます。
- 近隣住民に不快感を与え、苦情の原因となります。
早めの対策が有効です!
- ハエの発生は6~7月がピークです。
- 春先のうちに除ふんや清掃で、越冬している卵や幼虫などを排除し、数を減らしておきましょう。
発生源をなくすことが有効です!
- ハエの発生源は、水気とウジの食べ物があるところです。
- 家畜のふん尿、飼槽の食べ残しなどは、とても良いすみかです。
- できるだけこまめに(ウジが成虫になる前に)除ふんや清掃を行いましょう。
基本のウジ対策は徹底的にやりましょう!
- 除ふん後は堆肥舎やコンポで素早く堆肥化しましょう。
- 発酵熱によりウジは死んでしまいます。
- どうしても掃除できない場所はウジに効く殺虫剤を散布すると成虫にならないで死んでいきます。
- 消石灰散布も効果があります。
成虫対策は効果的ではありません。
- 飛び回るハエに殺虫剤を吹きかければ一時的に量は減りますが、薬剤に対する抵抗を作りやすく、効果的ではありません。
- 成虫への対策は、発生源とウジへ対策をした上で行うようにしましょう。
「こまめな清掃」・「適切な堆肥処理」・「畜舎環境を清潔に保つこと」が大切です。
定期報告書等の提出について
令和3年の定期報告書について、ご提出頂きありがとうございました。まだ提出していない方は、早急に提出をお願いします。
すでに提出いただいた方でも、書類に不備があった場合等には確認のためのご連絡をさせていただくことがあります。また、追加書類の提出等についてもご協力をお願いします。
※注意
- 家畜を飼養されている方は、飼養衛生管理状況の報告が義務付けられています。
- 農場平面図、埋却地確保状況が未報告の方は、必ず提出をお願いします。また、畜舎等の増改築や増頭等を行った場合には再度の提出が必要です。
- 未報告の場合や飼養衛生管理基準が遵守されていないと判断された場合には勧告や罰則の対象となり、農場で伝染病が発生した場合に国から支給される手当金が、減額または不支給となる場合もありますので注意してください。