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やえがさたより2020年4月号
新年度あいさつ
日頃から家畜保健衛生並びに畜産振興に係る事業の推進にご理解とご協力を賜り、厚く感謝申し上げます。
この度の定期人事異動では転出者1名、退職者1名、転入者4名の異動がありましたが、新体制のもと業務を一歩一歩着実に遂行する所存ですので、よろしくお願いいたします。
さて、最近の疾病の発生状況を見ますと、令和2年3月までに豚熱が8県58例での発生が確認され、本県においても昨年10月に野生いのししで豚熱感染が確認され、養豚場における豚熱ワクチン接種が開始されました。さらに東アジアではアフリカ豚熱が継続的に発生している状況であり、動物検疫所の手荷物検査において携帯品の肉等からウイルスが確認されている状況にもあります。
高病原性鳥インフルエンザは、昨年度、一昨年度と2年続けて国内での発生はありませんでしたが、海外においては現在も近隣諸国において発生が継続しており、油断できない状況にあります。
このような状況から人・物を介した病原体の国内への侵入リスクが高い状況にありますので、畜産農家並びに関係者の皆様におかれましては、引き続き農場での飼養衛生管理の徹底による家畜伝染病の侵入防止に努めていただくとともに、飼養家畜に異状が認められた場合は早期通報をお願いいたします。
結びに、現在、新型コロナウイルス感染症における緊急事態宣言が発出されている状況です。畜産への影響として、肉牛の価格の下落等が起きております。皆様におかれましても、三密を避け、充分な対策を講じることで新型コロナウイルスに感染しないようにしていただきたくお願い申し上げます。
課長 庭野 正人
定期報告書等の提出について
令和2年の定期報告書について、ご提出頂きありがとうございました。まだ提出していない方は、早急に提出をお願いします。すでに提出いただいた方でも、書類に不備があった場合等には確認のためのご連絡をさせていただくことがあります。また、追加書類の提出等についてもご協力をお願いします。
注意
- 家畜を飼養されている方は、飼養衛生管理状況の報告が義務付けられています。
- 農場平面図、埋却地確保状況が未報告の方は、必ず提出をお願いします。また、畜舎等の増改築や増頭等を行った場合には再度の提出が必要です。
- 未報告の場合や飼養衛生管理基準が遵守されていないと判断された場合には勧告や罰則の対象となり、農場で伝染病が発生した場合に国から支給される手当金が、減額または不支給となる場合もありますので注意してください。
家畜伝染病予防法が改正されました
国内で26年ぶりに発生が確認された豚熱が、野生イノシシによって広域に拡散したことや、アフリカ豚熱等の悪性伝染病の国内侵入リスクが高まっていることから、家畜伝染性疾病の発生予防とまん延防止を図るため、令和2年4月3日、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律が公布されました。今後、具体的な内容が記載される省令等の改正が予定されています。
主な改正点
- 衛生管理区域に入る者への消毒義務を出入りする者の義務に変更
- 家畜の所有者と管理者が別の農場では、衛生管理区域ごとに飼養衛生管理に係る責任者を選任
- 飼養衛生管理に関する改善命令に従わなかった場合の罰則強化
- 野生動物対策(浸潤調査、経口ワクチン)を法に位置づけ
- 予防的殺処分の対象疾病を口蹄疫のみからアフリカ豚熱を追加し、野生動物で発見された場合にも実施出来るように変更
- 検疫の強化とそれに関する罰則の強化
豚熱ワクチン接種手数料について
今年度より豚熱ワクチン接種には手数料(1頭あたり340円)がかかります。ワクチン接種日までに、家畜注射・薬浴・投薬申請書(ワクチン接種申請書)に住所・氏名・押印した書類を準備してください。
また、ワクチン接種手数料(340円×接種頭数)は後日、納付書が群馬県より郵送されますので、お近くの金融機関で指定期限内にお支払いください。
豚の導入計画書の提出について
豚を導入した際には、導入計画書を家保へ提出(Fax可)してください。
その際、導入豚の豚熱ワクチン接種の状況を必ず確認してください。
ワクチン未接種豚を導入した際には、到着後速やかにワクチン接種する必要があります。
令和2年度牛定期検査の延期について
牛のヨーネ病の定期検査は、家畜伝染病予防法に基づき、少なくとも5年ごとに実施することとされており、本県では4年に1回実施してきました。
今般、新たに豚熱ワクチン接種を継続的に実施していくため、既存の家畜防疫業務の見直しが必要となっています。このため、本県では令和2年度に予定されている牛のヨーネ病定期検査を延期して、令和3年度に実施いたします。ご承知願います。
令和2年度該当地域
太田市太田地区、みどり市大間々地区、館林市
ゴールデンウィーク中の死亡牛BSE検査受付について
家畜衛生研究所で実施しているBSE検査の受付については、下記のとおりです。
4月29日 (水曜日) |
4月30日 (木曜日) |
5月1日 (金曜日) |
5月2日 (土曜日) |
5月3日 (日曜日) |
5月4日 (月曜日) |
5月5日 (火曜日) |
5月6日 (水曜日) |
5月7日 (木曜日) |
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休み | 受付 | 受付 | 受付 | 休み | 休み | 休み | 受付 | 受付 |
※受付時間は9時00分~16時00分
和牛の血統矛盾が確認されています
和牛は我が国固有の財産であり、精液や受精卵などの遺伝資源について、海外への不正流出を防ぐための取り組みが進められてきたところです。
しかしながら、国内で和牛の血統矛盾が相次いで確認されるなど、和牛の信頼を損ねる事案が多発しています。獣医師、家畜人工授精師及び畜産経営等においては、家畜改良増殖法等の遵守、及び、家畜人工授精及び受精卵移植業務の適正実施について、再度確認し、適切な対応をお願いします。
家畜人工授精師養成講習会の開催延期について
例年4月下旬頃から受講希望者の申請受付、6~7月にかけて講習会を開催をしているところですが、新型コロナウイルス感染症に係る情勢を考慮し、開催が延期されることとなりました。現時点の開催時期は未定となっていますが、決まりましたら家保だより等でお知らせさせてただきますので、よろしくお願いいたします。なお今年度は、家畜人工授精師養成講習会を開催予定となっております。ご承知おきください。
畜産農家におけるクロピラリド対策について
海外で使用されている除草剤成分(クロピラリド)が残留した輸入飼料(粗飼料、穀類、ふすま等)を家畜に給与すると堆肥を通じて園芸作物等に生育障害が発生することがあります。県内においても近年、堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる生育障害が確認されていますので、クロピラリド対策について再確認をお願いします。
- 輸入飼料を購入する際は、購入先にクロピラリド使用の有無を確認しましょう。
- クロピラリド残留の可能性がある堆肥を販売する場合は、被害を受けやすい作物には使用しないよう伝えましょう。
被害を受けやすい作物
ナス科、マメ科、キク科、セリ科作物等
被害を受けにくい作物
イネ科、アブラナ科作物、果樹等