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群馬県福祉プラン及び群馬県子どもの貧困対策推進計画の点検・評価に係る社会福祉審議会結果の概要について
1 開催日時
平成29年12月15日(金曜日)午後2時~午後3時50分
2 場所
県庁7階 審議会室
3 出席者
(1)委員 11名
井上委員、河合委員、須田委員、中島委員、上原委員、生方委員、閑野委員、鈴木委員、須藤委員、田尻委員、戸澤委員
(2)事務局
こども未来部長、健康福祉部長ほか8名
4 議事
(1)群馬県福祉プランの点検・評価について
群馬県福祉プランの点検・評価の実施方法等について、事務局から説明を行った。
主な質疑等
○委員
「子ども子育て支援施策の充実」の中で、子育て短期(ショートステイ)が平成27年度はA評価となっているが、平成28年度はD評価となっており、実績値が減少している。原因は何か。
●子育て・青少年課長
預け先となる乳児院や児童養護施設が、ほぼ定員に達している状態であることが挙げられる。ショートステイもなかなか枠がないという状況であり、実際、施設が事業としては枠を確保していても、施設に行くと余裕がなくてなかなか預けられないという状況もあると思う。そういった場合、児童養護施設に預けることができないため、児童相談所の一時保護所で対応しているという場合もある。
○委員
一時保護所で預かるのはいいことだと思うが、一時保護所に預けると、子どもが学校を休んでいるという状況になってしまうので、できれば里親とかに預けて、学校に通える環境にすることがいいのかなと思う。里親の数を増やすことが、子どもにとっても幸せなのかなと思う。
●こども未来部長
県ではこの未来プランの中でも家庭的養護推進計画を設けており、できるだけ里親に預ける形を進めたいと思っている。そのため、なるべく多くの意欲のある里親の登録を推進していくとともに、資質向上の面でも里親さんたちと一緒に取り組んでいきたいと思う。
○委員
ぐんま子ども・子育て未来プランのデータは全部群馬県単位で出てきているが、結局地域のデータが全然分からない。地域別のデータは出してはいけないのか。というのは、例えば桐生の子どもを高崎に預けるわけにはいかないわけで、そういうことを考えると、もう少しどこの地域に何が足りないというのを把握することも大事だと思うがどうか。
●子育て・青少年課長
今回は県全体の集計となっているが、基礎データは全部市町村ごとにとっている。圏域ごとの過不足を県でもよく見ながら、不足部分については市町村に指導、助言をしていきたい。
○委員
当然市町村ごとのデータもあると思うが、我々が見てもちょっと分からない。群馬県全体の数字が出てきていても、例えば病児保育は1万と結構多いが、地域的には相当偏りがあるのではないかと思うし、そこらへんのところがもう少し分かった方がいいと思う。
●子育て・青少年課長
今後実績を報告させていただく際には工夫した資料を作りたいと思う。
●こども未来部長
病児保育等は、市町村ごとというよりはむしろ、地域ごとで過不足その他を調整するような形となっているので、次回以降工夫して報告できればと思う。
○委員
生活保護の「世帯類型別」を見ると、高齢者世帯が55.7%であり、割合が高くなっている。一方で、「生活保護費の状況」を見ると、介護扶助費が3.5%ということで、非常に少なくなっているが、制度的なものなのか。
●地域福祉推進室長
高齢者世帯は65歳以上の世帯であるが、介護保険を適用されていない方も多くいることと、生活保護制度では他法他施策優先の原則があり、介護保険の場合は本人負担分のみを介護扶助で負担することとなっていることなどが考えられる。
○委員
障害福祉分野における「福祉施設の入所者の地域生活への移行」の部分で、移行される方の割合が低いままとなっており、何か対策はないだろうかという話がたぶん前回もあったと思うがどうか。特に最近は入所者の高齢化に伴い病気を持つ方が多くなり、どの施設も大変だと思う。一般の高齢者との同じ扱いは難しいため、介護保険を使っても受け皿となる病院や施設がなかなかなく、病気を持った方の行き場所の確保をしっかりする必要があると思うが、県としてはどう考えているか。
●障害政策課長
障害者が施設の中で高齢化していくのは全国的な問題となっている。施設数の上限はある程度決められているので、年齢や健康状態を考慮して、医療的ケアの必要な方は病院で、地域生活が可能な方はグループホームで生活するといった棲み分けを行うなどの施設運営の工夫が必要だと思う。
(2)群馬県子どもの貧困対策推進計画の点検・評価について
群馬県子どもの貧困対策推進計画の点検・評価の実施方法等について、子育て青少年課長から説明を行った。
主な質疑等
○委員
計画に、社会的養護を受けている中学生に対しては、学習塾の通塾費用を支給しており、平成27年度からは、高校生が通塾するための費用も対象になったということであるが、どのような制度で、どのくらいの人数が実績として受けているのか。
●子育て・青少年課長
担当課から改めて資料提供などさせていただきたい。
○委員
他県では、どういう事業を、どのくらいの費用で、どういうところを対象に実施しているかを記載した事業別シートを作成しているところもある。群馬県も評価をするときに、事業別のシートがあると、具体的な状況がわかると思う。また、子どもの貧困対策について、庁内会議等できちんと定期的に検討がされているのか。市町村や他分野の機関を含め、それぞれが連携してほしい。
特に、里親とか社会的養護で育った子どもについては、生活力が弱かったり、頼るところがなかったり、いろいろな問題が発生するので、措置解除後の支援について、しっかりと子どもが生活力を付けて行けるようにする必要がある。
○委員
教育委員会とは連携がしっかりとれているのか。子どもの貧困からの脱却には、教育の再配分がとても重要である。富の再配分はよく言われるけれども、教育を再配分していかないと貧困から脱出できないという考え方をもっと強く持った方がいいと思う。
●子育て・青少年課長
県では、教育委員会を含め、関係課による庁内連携会議を設け、共通した認識・方向性を持って取り組んでいる。教育の部分は、自己肯定感、社会力といった子どもの基礎をつくる上で一番大切なところであるので、念頭に置きながら教育委員会とも連携していきたい。
○委員
婚外子は子どもの貧困の原因となると思う。県としてしっかり対応してほしい。
●こども未来部長
県では、ひとり親対策も重要な課題であると考えている。共働きの家庭が増え、全体として子どもの貧困率は少しずつ改善していると思うが、ひとり親は仕事も子育ても一人でやらなければならず、非常に負担が大きいということで、ひとり親対策も一緒にしっかりやっていかなければならないと思っている。
○委員
事業シートに関する意見についてはどうか。
●こども未来部長
いただいた意見をもとに、関係部局を集めた連絡会議で検討させていただきたいと思う。
○委員
知り合いの外国籍の子が日本に溶け込めるようになったきっかけは、同級生から声をかけてもらったことだそうである。その同級生は日本語で話してもわからないだろうからと、自ら英語を勉強し声をかけてくれたことで、コミュニケーションが進んだそうである。外国の子どもだけでなくて、障害児も、困りごとを抱えた子どもに対しても、そういった目線が大事だと思う。子どもの本当の声を聞く仕組みづくりに取り組んでもらいたい。
●子育て・青少年課長
県では、子どもの居場所づくりに取り組んでおり、子ども食堂や学習塾に子どもが行って、大人と関わることで、子どもの生活状況の悩みであったり、親に関する悩み、経済的な困りごとなど、いろいろな話を引き出せる場でもある。そういった子どもの困り感を大人が察知し、市町村等相談機関につないでいただくことを念頭に置きながら事業に取り組み、居場所を活用して子どもやその親の支援にもつなげられればと考えている。
○委員
資料の進捗状況の数値について、パーセンテージでは分母が小さいので推移を見るのが難しいということであるが、パーセンテージと実数を出したらどうか。今年度は何人が進学を希望して、進学した子どもが何人とか、パーセントと実数という形で見れると、状況がどういうものか分かりやすいのではないかと思う。
●子育て・青少年課長
資料についてはいろいろ御意見をいただいたので、全体的に検討したい。
○委員
子どもの貧困対策の中になぜ児童養護施設の子どもが入っているのか。児童養護施設の子どもは、しっかり措置されているので貧困という意識はないと思う。
●子育て・青少年課長
貧困という計画の名称の問題もあるかと思うが、県としては子どもが将来に向かって自立心を持って成長していけるよう、経済的な格差だけではない面でも子どもの自立に向けて取り組んでいきたいと考えている。
○健康福祉部長
児童養護施設の子どもの高校等進学率については、計画策定当時、児童養護関係の委員からの要望があって指標に入れた経緯がある。