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令和4年度第1回群馬県障害者差別解消推進協議会の概要

更新日:2022年12月28日 印刷ページ表示

1 日時

令和4年10月11日(火曜日) 午後2時00分から午後3時40分まで

2 場所

群馬県庁29階 第一特別会議室

3 出席者

(1)群馬県障害者差別解消推進協議会委員

川原 武男 (福)群馬県社会福祉協議会
井上 政道 群馬県民生委員児童委員協議会
渡邊 秀臣 群馬県医師会
山本 聡 群馬弁護士会
浅見 昭二 群馬県人権擁護委員連合会
白井 桂子 日本労働組合総連合会・群馬県連合会
須藤 美由貴 群馬県商工会女性部連合会
大澤 伸一郎 群馬県中小企業団体中央会
五十嵐 亮二 (一社)群馬県経営者協会
熊川 真津美 群馬県町村会
塚田 佳代 前橋地方法務局人権擁護課
篠田 幸一 厚生労働省群馬労働局職業対策課

(2) 群馬県障害者差別解消当事者専門部会

杉田 安啓 (公社)群馬県身体障害者福祉団体連合会
江村 恵子 (一社)群馬県手をつなぐ育成会
吉田 英子 群馬県重症心身障害児(者)を守る会
金子 元二 群馬県精神障害者家族会連合会
山田 智子 群馬県自閉症協会
田名部 功 (公社)群馬県視覚障害者福祉協会
早川 健一 (一社)群馬県聴覚障害者連盟
飯塚 智宏 群馬県せきずい損傷者協会
瀧本 理絵子 群馬県難病団体連絡協議会
石川 美佳 (公社)群馬県知的障害者福祉協会
片山 和也 群馬県精神障害者社会復帰協議会

(3)事務局

高橋 淳 障害政策課長
金井 明 障害政策課次長
清水 彰 障害政策課自立支援専門官
横山 秀行 障害政策課社会参加推進係長
塩谷 朋弘 障害政策課社会参加推進係主任

(欠席)
協議会委員 霜田 浩信(群馬大学共同教育学部)、坂庭 秀((一社)群馬県商工会議所連合会)、冨岡 和正(群馬県市長会)、西山 徹(群馬県警察本部生活安全部生活安全企画課)
専門部会委員 眞下 宗司(群馬県身体障害者施設協議会)

4 議事の概要

(1)開会

  • 午後2時00分、開会
  • 県の情報公開制度に基づき、協議会を公開とすることを説明
  • 審議内容の概要を県のホームページ等で公開することを説明
  • 議事録作成のため、会議の内容を録音することを説明

(2)あいさつ

群馬県障害政策課長 高橋 淳

(3)出席者自己紹介

委員が自己紹介をした。

(4)会長の選出及び副会長の指名

会長に、川原 武男 委員が選出された。また、副会長に、霜田 浩信 委員が指名された。

(5)議事(議事進行は川原会長)

群馬県における障害者差別解消の取組に関する情報共有について

群馬県障害者差別解消推進条例の見直しについて

 「群馬県における障害者差別解消の取組に関する情報共有」及び「群馬県障害者差別解消推進条例の見直し」について、事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答を行った。

(早川健一委員・群馬県聴覚障害者連盟)
 事業者による合理的配慮の提供が義務化されるのは適当と考える。フォークリフトの免許がある聴覚障害者が、ハローワークを介して企業に入社した。本人はフォークリフトの運転を希望したが、現場の判断で認められなかったという。他の会社を探しても同様の状況であった。聴覚障害者は、何故、免許を持っていても運転できないのか、皆で考えていただきたい。

(江村恵子委員・群馬県手をつなぐ育成会)
 障害平等研修(DET研修)でサポーターをしている。先日、藤岡市がDET研修を実施し、市長以下熱心に受講されていた。DET研修は、車椅子ユーザーが講師になっているが、全ての障害について考えさせられるメニューになっている。多くの方に受講していただきたい。

(事務局)
 県では令和元年度から県民向けのDET研修を実施しており、今年度は、改正法の施行を見据え、事業者主体の研修を企画している。実施の際には、皆様にもご協力いただきたい。

(江村恵子委員・群馬県手をつなぐ育成会)
 DET研修は学校でも多く受講されており、教育の場による周知活動も進んでいる。事業者も積極的に受けていただきたい。

(須藤美由貴委員・群馬県商工会女性部連合会)
 例えば、女性部の研修でお願いしたい場合、県が実施している事業の中で対応できるのか。

(事務局)
 令和5年度に今年度と同様の予算が付くと仮定してだが、経済団体と連携しての実施は、多くの事業者に周知できるという点で県にとってもメリットがある。是非、相談させていただきたい。

(山田智子委員・群馬県自閉症協会)
 私たちは、障害のある人が隣に暮らしており、障害のある人が社会に参加しているということを学校教育の場で学んでいない。日本では、障害のある人とない人が分けられている。学び合うのは大切なこと。私たちも積極的に発信していきたい。

(早川健一委員・群馬県聴覚障害者連盟)
 これまでは、聞こえない人が聞こえる人に合わせてきた。これは差別と言える。障害のあるなしに関わらず、社会の中で誰一人取り残さないという目標がある中で、事業者は、障害を理由にして本人の望む仕事をさせないのではなく、事業者も研修をするなどして学んでいただきたい。

(川原武男会長・群馬県社会福祉協議会)
 障害者差別解消法でいう事業者は広範囲に及ぶことから、きめ細かに広報していく必要がある。また、条例改正に向けては、先行して義務化している自治体を参考にして、群馬県ならではの内容を盛り込んでいただきたい。

(事務局)
 事業者は、企業や店舗、NPOや事業を継続的に行っているPTAのような任意団体など多岐にわたる。障害政策課では、独自のリーフレットを作成して県庁各課に関係団体などへの周知を依頼した。年明けには、改正法の施行日が閣議決定されるという話も聞いており、このタイミングでも再度周知したい。
 また、条例改正についてもご指摘のとおり対応したい。

各当事者団体等の障害者差別解消に向けた取組状況等について

 「各当事者団体等の障害者差別解消に向けた取組状況等」について、事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答を行った。

(金子元二委員・群馬県精神障害者家族会連合会)
 当会の意見の中に、「偏見・差別は、先祖から引き継がれた考え方も要因の一つ」と記載したが、これは優生保護法のことである。病気(障害)は、誰もがなりうるものであることが理解されない限り、差別が解消されたことにはならない。

(6)その他・意見交換(議事進行は川原会長)

(山本聡委員・群馬弁護士会)
 事業者向けの広報・周知活動について、前回の会議において、障害者差別解消の主管課である障害政策課自らが主体的に働きかけを行ってほしいと要望したが、活動の状況はどうか。
 また、障害者差別相談窓口の相談件数について、どう捉えているか。

(事務局)
 今年度に入ってから、経済4団体や観光関係者に周知を依頼した。このうち、経営者協会では、地域別に会員企業が集まる懇話会の場で、障害政策課が中心となり改正法の趣旨を主管部局として直接説明している。また、下半期になるが、事業者向けDET研修の実施や出前なんでも講座においても、障害政策課職員が民間企業に出向いて直接働きかけを行うことが決まっている。
 相談件数は、新型コロナの影響もあって令和2年度に落ち込んだが、件数が増加傾向にあると認識している。改正法公布の影響もあり、相談件数は今後も増加するものと思われる。

(山本聡委員・群馬弁護士会)
 相談件数が増加していることは、これまで問題と認識されなかったことがされるようになった、という意味で、ぜひ前向きに捉えていただきたい。ところで、県の相談窓口では昨年度は180件の実績があったとのことだが、その場で解決するものばかりではなく、関係機関につないだことも多かったと思う。どこに繋いだことが多かったのか。

(事務局)
 障害者相談窓口や当該案件の担当部局も含めて、多くは市町村である。このほか、障害者110番を経由しての無料弁護士相談や、雇用関係であれば労働基準監督署に繋いだ例があった。

(山本聡委員・群馬弁護士会)
 相談件数は右肩上がりである一方、あっせんの実績はゼロとのことである。相談件数が増える一方であっせん申立の実績がないのは、あっせんに到るべき事案であっても、上手くあっせんに繋げられなかったのではないかともみえるがどうか。

(事務局)
 前回協議会までにも、委員からは、「あっせん手続があることが相談者に知られていない。あっせん手続もあるということを積極的に紹介するような対応も必要ではないか」とのご意見をいただいた。しっかり対応して、必要に応じてあっせんに繋げられるよう取り組みたい。

(川原武男会長・群馬県社会福祉協議会)
 様々な相談がある中で、相談窓口だけで解決するようなことはない。必要に応じて、どのように関係機関に繋げられるかが重要になってくると思われる。

(塚田佳代委員・前橋地方法務局人権擁護課)
 群馬県在住の方から法務局に寄せられる人権相談の中において障害者の差別に関するものはそれほど多くないと感じている。しかし、他県において精神障害者に対する合理的配慮の不提供という事案があったが、身体的な障害に比して、精神的な障害に対する合理的配慮というものは難しい問題であると感じた。

(山本聡委員・群馬弁護士会)
 条例の制定時、あっせん手続の規定を設けることについていくつか懸念があった。一つは、「差別」とそうでないものの境目が必ずしも明確に分かれるほどに事例が揃っていない段階で、あっせんとはいえ何らかの基準、物差しを作ることになってはしまわないか、ということ。また、あっせんは相談よりも手続のハードルが高いこと。相談の際に安易にあっせん事務化してしまうことで、差別を受けたと考える障害者が躊躇してしまう可能性もある。さらに、事業者に対する指導というソフトな対応で速やかに解消できる案件がかえって長期化してしまうこともある。こういった懸念があった。
 しかし、こうした懸念を乗り越えてあっせん手続が条例に位置付けられた以上は、あっせん手続があることを説明しつつ、ケースバイケースでソフトな指導の手法で解決に導けそうなものは相談で対応するなど、柔軟な対応が必要と考える。

(大澤伸一郎委員・群馬県中小企業団体中央会)
 中小企業は、人的資源が不足しており、法改正に対応しようとしても大企業のようにスムーズに進まない。障害者雇用には目を向けてきており、勉強会が開かれているが、差別解消についてはそこまで至っていないようである。企業がどういうことをやらなければならないか、事例などを紹介していただきたい。

(五十嵐亮二委員・群馬県経営者協会)
 合理的配慮の提供については、雇用に対しては進みつつあるが、それ以外については業種ごとにも差がある。事例集などを作成する際には、業種別にしていただけるとありがたい。

(川原武男会長・群馬県社会福祉協議会)
 先行している自治体では、バリアフリー設備の導入やコミュニケーションツールの購入支援など、企業に対して助成している例もある。県は参考にしていただきたい。

(渡邊秀臣委員・群馬県医師会)
 アメリカでは、スポーツは地域単位で行っているが、20~30年前から健常者と障害者が一緒になって楽しんでいる。教育やそれ以外の場において、若いうちから健常者と障害者が触れ合うという体験は大変重要であり、そのような取組に対して県は応援してほしい。

(井上政道委員・群馬県民生委員児童委員協議会)
 民生委員は、残り1か月半で半数が改選を迎える。新しい民生委員にも勉強してもらいたい。民生委員は、見守り活動を繋ぐのが使命であり、何か問題があれば情報を繋いでほしい。

(片山和也委員・群馬県精神障害者社会復帰協議会)
 精神障害の人に対する合理的配慮が難しいのは事実である。本人に差別を受けたかと聞いただけで体調を崩す方もいる。理解が進むことが重要であり、これまでの相談内容から課題を整理して、合理的配慮に何が大切なのかをわかっていただきたい。
 また、差別解消に当たるが、法律の施行によって、精神障害者のアパート契約の課題が解消されるかと思ったが、なかなか進んでいないようである。本人には大事な問題であり、課題解消に向けて県も取り組んでいただきたい。

(山田智子委員・群馬県自閉症協会)
 別の行政機関の会議では、意見交換後、障害者団体が自らの取組を発表する機会が与えられる。先日、当団体が発表したところ、会議の参加者から話を聞けて良かったという声をいただいた。
 当事者は自らの話をする機会がない。関心をもっていただくことが、理解のスタートである。私たちの声を皆さんに聞いていただきたい。

(川原武男会長・群馬県社会福祉協議会)
 県には、協議会の回数を増やすなどの対応をお願いしたい。

(高橋淳・群馬県障害政策課長)
 ご指摘のあった当事者団体の活動を周知する場については、お気持ちを受け止めて検討したい。本日は、限られた時間の中で、貴重な意見を伺うことができた。条例改正に向けても、事業者、当事者団体からしっかりと意見を聞いて参りたい。

(7)閉会

午後3時40分、閉会