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平成28年度第3回群馬県自然環境保全審議会自然環境部会 議事録
1 開催日時
平成29年3月15日(水曜日)午前10時~11時44分
2 場所
県庁7階 審議会室
3 出席者
委員:8名(定足数6名)
事務局(県):環境森林部長、自然環境課長、鳥獣被害対策支援センター所長 ほか
4 会議
1 開会
略
2 挨拶
略
3 議事
第1号議案:群馬県第12次鳥獣保護管理事業計画の策定について
事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全員一致で原案に異議なしとして知事に答申することとされた。
【質疑応答要旨】
【委員】
鳥獣保護管理事業計画(案)の第4で、箱わな等による捕獲対象種が増やされたが、農耕地等に設置した箱わなに猛禽類の幼鳥が好奇心で入ってしまうことがある。(案)に示されたとおり、必ず1日1回見回りをして間違った捕獲の無いよう御指導をお願いしたい。
【事務局】
はい。
【委員】
鳥獣保護区の標識類の設置等について、館林や多々良など都市部の鳥獣保護区では、保護区域内の公園を散歩等で利用する者も多いため、目立つところに指定目的や指定期間などを記載した案内板を設置し、県民に対して鳥獣保護を啓蒙していただきたい。
【事務局】
適切な明示ができるよう検討していきたい。
【部会長】
錯誤捕獲を防ぐための方策として、「1日1回以上の見回りの実施など」と記載がある。現在、ICTを利用し、スマートフォン等を活用した動画の確認により、オリの状況確認と捕獲を遠隔操作で行えるが、センサーカメラによる確認を「1日1回以上の見回り」に代えてもよいのか。
【事務局】
スマートフォン等で確認できるのであれば、その方法も可能であると考える。絶対に見まわらなければならないという趣旨ではなく、錯誤捕獲が無いよう適切に対応していければと考える。
第2号議案:群馬県ツキノワグマ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第二期計画)の策定について
事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全員一致で原案に異議なしとして知事に答申することとされた。
【質疑応答要旨】
【委員】
昨年度の夏、新潟県で発生したナラ枯れの状況とツキノワグマの捕獲との関連を把握しているか。
また、県境での有害鳥獣対策、近隣県を含めた対策についてどう考えるか。
【事務局】
群馬県ではナラ枯れの大きな発生はなかったが、毎年行っている堅果類の豊凶調査で本年度は結実が少なく、ツキノワグマによる人身被害の発生を危惧していた。
近隣県との情報交換は定期的に実施しており、引き続き対策を推進したい。
【部会長】
ナラ枯れの発生は、堅果類の豊凶に関わらずツキノワグマの集落への出没に影響するが、新潟県では、どのような対応をしているのか。
【事務局】
新潟県における対策は把握していない。発生したナラ枯れは、比較的低標高地であり、ツキノワグマの生息する奥山での影響は少ないと考えられる。
【部会長】
新潟県での影響は、群馬県でも同様のことが起こり得る。ナラ枯れの状況を把握して情報交換に努め、計画に反映してほしい。
【委員】
ツキノワグマの目標とする生息数はどうか。
【事務局】
現状の生息数の維持となる。
【事務局】
生息数の正確な把握は難しい。これまでの定点観測法や捕獲分析法を元にした推定数との比較であり、階層ベイズ法の導入と情報の収集により精度を高めたい。今後、実態に近い数値が得られると考えている。
第3号議案:群馬県ニホンザル適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第四期 計画)の策定について
事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全員一致で原案に異議なしとして知事に答申することとされた。
【質疑応答要旨】
【部会長】
ナラ枯れの影響はどうか。新潟県からの群馬県へのニホンザルの移動はあるのか。
【事務局】
奥山の生息状況は把握していない。県で行動域を把握しているニホンザルの群れは、集落付近の加害群である。
【部会長】
目標値を加害群数71群と設定しているが、奥山の群れの把握はどうしているのか。
【事務局】
数値は住民へのアンケート調査であり、加害群とそれに準じる群れを把握している。
【部会長】
非加害群化は、群れの除去もしくは加害レベルの低下が考えられる。具体的な対応がわかりにくい。
【事務局】
資料編7頁の表2に加害レベルの目標値で表記している。
【部会長】
同表2の変遷をみると分裂が考えられる。原因は何か。
【事務局】
ニホンザルの対策の基本は防除であるが、捕獲により分裂してしまったことが考えられる。また、ニホンザルの生息域の拡大も分裂の要因と思われる。
【部会長】
対策の結果、群れが増加してしまっている。検討願いたい。
【委員】
ゾーニングは、どのような対策を立てるのか。
【事務局】
具体的には、追い払いや追い上げのラインを明記していきたい。計画にある毎年の会議で対策を検討していく。
【委員】
追い上げしたニホンザルの奥山での林業の影響はどうか。
【事務局】
林業被害は、過去にシイタケ栽培において発生していたが、現在は報告されていない。
【委員】
ニホンザルは、おいしいものを知っているため、人身被害も発生している。最も良い対策は、追い払いであるため、野生動物が山に帰り、本来の適正な繁殖率で生息するよう生息環境の整備を望む。
【委員】
ニホンザルの捕獲の対象は。
【事務局】
基本的には加害個体が対象となる。また、分裂を回避するためメスは捕獲しない。
【委員】
ツキノワグマもニホンザルも奥山へ返すよう、野生鳥獣と人との棲み分けがしっかりできるようお願いしたい。
【事務局】
奥山の生息環境の確保は重要であるため、対策を進めたい。
【部会長】
ニホンザルは、現在「住食接近型」となっており、移動距離は1日に1km程度である。農地周辺の泊まり場の確認と調査を進めて対策をしてもらいたい。
管理計画はすべて人間の視点であるため、動物の視点で自然に帰ることをもう一度考えることが必要である。
4 閉会
略
以上