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平成25年度第1回群馬県自然環境保全審議会自然環境部会 議事録
1 開催日時
平成25年8月9日(金曜日)午後1時30分~3時10分
2 開催場所
県庁7階 審議会室
3 出席者
委員:11名(定足数6名)
事務局(県):環境森林部長、自然環境課長、ほか職員7名
4 会議
1 開会
略
2 あいさつ
略
3 議事
第1号議案 特定鳥獣保護管理計画の一部改正について
(1)群馬県シカ適正管理計画(特定鳥獣保護管理計画・第3期)の一部改正
(2)群馬県イノシシ適正管理計画(特定鳥獣保護管理計画)の一部改正
事務局から、(1)及び(2)の議案について説明した。
質疑応答要旨
[委員]
鳥獣被害について、嬬恋村では年間約3億6,000万円の被害がある。
そのような中、基幹産業であるキャベツを守るために、例えばイノシシ対策として、第1期には3年間で2億4,000万円をかけ、高さ2.2mの柵を12キロメートルに渡り設置した。現在、第2期目で28キロメートルを工事中である。
また有害鳥獣対策協議会は4年前から、鳥獣被害対策実施隊は昨年から立ち上げ、猟友会の協力もあり、被害対策に取り組んでいる状況である。
産業・地域を守るための捕獲と、捕獲を楽しむ狩猟とでは観点が全然違う。色分けをしっかりしながら、御検討いただけたらと思う。
本議案については、多くの方が賛同しているようである。
私としても仕方ないと思いながらも、嬬恋村の状況は御理解いただきたい。
地域や期間を限って、嬬恋村だけ、狩猟期間を延長するということは可能なのか。
[事務局]
今回は安全な狩猟を主眼においているため、狩猟期間は県内で統一したい。
[委員]
猟友会の会長になって10年、初めて死亡事故が2件発生した。御心配・御迷惑をおかけし、申し訳ない。猟友会としては、事故を一番心配している。
群馬県の3つの猟期は複雑であり、7年前くらいから一元化のお願いを県にしてきた。
みなさんは狩猟と簡単に考えるが、銃を所持し、狩猟免許を更新するためにはお金も時間もかかる。銃猟免許所持者の減少と高齢化が進んでいるが、若い世代には銃を持つことが重すぎるのだと思う。
事故がおきれば、猟友会が責任を取らなければならないが、この怖さを今回しみじみと感じた。
今後、再発防止に取り組むわけであるが、猟友会としては適正な時期に猟をしたい。
有害鳥獣捕獲に協力もしていくが、鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業などで有害鳥獣は捕獲してほしい。
狩猟の終わりは2月15日までとして、有害捕獲と区別してほしい。
[委員]
安全のための狩猟期間短縮ということであるが、期間を短縮することで、鳥獣害の適正管理ができるのか。県の対応が後退するイメージを与えがちだが、県の姿勢を聞かせてほしい。
[事務局]
野生鳥獣の捕獲の手法として、「狩猟」と「有害鳥獣捕獲」、「個体数調整」があり、趣味としての狩猟と、許可捕獲としての有害鳥獣捕獲は、位置づけが違うことを御理解いただきたい。
今回、今まで色分けせずにやっていたことを整理し、鳥獣被害を減らすために「有害鳥獣捕獲」という位置づけを明確にする。これは有害鳥獣対策を後退させたわけではなく、正しく位置づけをしたものである。
鳥獣被害が減るような、適正な生息数のバランスとなるよう、有害鳥獣捕獲を各市町村の実態に合わせた計画で進めていけると考えている。
[委員]
対応をしっかりしないと被害を受ける県民の数は少ないが、被害は大変大きい。その対策も大変である。狩猟期間を短くすることで、対策として後退することとならないような対応をとってほしい。
[事務局]
狩猟期間を縮めることで、捕獲そのものが減るとは考えていない。
その分、有害鳥獣捕獲に変わるだけである。むしろ、きちんと計画的な対応ができ、体系だった捕獲ができる。全体的な捕獲圧が落ちるとは考えていない。
[委員]
猟期中の事故は猟友会の責任である。
有害鳥獣捕獲では、鳥獣被害防止特別措置法に基づいた特定鳥獣被害の対策協議会がある市町村は、市町村が責任を取ることになるが、結局は猟友会の保険に入っており、事故時の責任があいまいで危険である。市町村の依頼で行ったことは、市町村が責任を取るべきである。
2月15日までが適正な猟期、という考えである。
[部会長]
狩猟は趣味であり、有害鳥獣捕獲としての捕獲は計画を作成し、それを実行するのが正しいのではないか。
[委員]
猟期による捕獲数が減少したが、それは捕獲した鳥獣の放射性物質の濃度が高く食べられないことが原因である。捕獲した鳥獣を山に埋めるのは大変であり、有害鳥獣捕獲であれば、市町村に処理してもらえる。その辺も御理解いただきたい。
[委員]
野鳥の会としては、猟期の一元化について賛成している。
ただ質問が2点ある。1シカの適正管理計画は現在3期に入っていて、目標を設定し、その目標達成のために猟期の延長を決定した経緯があったと思う。今回それを変更せざるを得ない状況であり、市町村の有害鳥獣捕獲でそれをまかなうということであるが、適正管理計画の目標を達成できる根拠、県の関与の仕方を聞きたい。2その目標について、必要に応じ今後も見直すということであるが、第3期は見直さず、第4期で見直すということか。
[事務局]
1について、県では狩猟で捕獲していた約300頭が、有害鳥獣捕獲に移ると推計している。その内容としては、国からの鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業などを利用することにより、計画的な有害鳥獣捕獲を進めるということ、また狩猟免許の一種免許所持者は3割減少しているが、わな猟の免許所持者は7割増加している。わなは捕獲を進めるために重要であると考えるが、免許を取得する人を増やすこと、また免許を取得して腕をあげて捕獲してもらうために、免許取得のための講習、技術向上のための講習に取り組んでいく。こういったことで、代替できると考えている。
2については、当初の文言を活かしたものである。
[委員]
狩猟時にわなにかかったイノシシを、小さいからといって放してしまう事例を何度も見た。小さくてもそれが被害につながるものであるため、処分することを県で指導できないか。
[事務局]
狩猟は個人の意思で行っている趣味であるため指導できないが、有害鳥獣捕獲になれば、確実に処分することができる。
[部会長]
ほかに質問が無ければ、以上で採決に移ります。
第1号議案については、異議がありませんか。
[全委員]
異議なし。
[部会長]
異議がないものとして知事に答申します。
第2号議案 鳥獣保護区特別保護地区の指定について
(1)伊香保鳥獣保護区特別保護地区について
(2)草津鳥獣保護区特別保護地区について
事務局から、(1)及び(2)の議案について説明した。
質疑応答要旨
[委員]
今回の縮小については、やむを得ないと判断している。
ただ要望として、伊香保鳥獣保護区の南、特別保護地区と鳥獣保護区の境界の範囲、相馬山と特別保護地区の間の地域について、特別保護地区に指定することはできないか。
この地域は、貴重な鳥類の繁殖地となっている。
[事務局]
要望として受けて、次年度以降に検討する。
[部会長]
ほかに質問が無ければ、以上で採決に移ります。
第2号議案については、異議がありませんか。
[全委員]
異議なし。
[部会長]
異議がないものとして知事に答申します。
答申の方法については、部会長が案を作成して会長に一任することでよいでしょうか。
[全委員]
異議なし。
[部会長]
異議がないため、そのように答申手続きを進めます。
その他、何かありますか。
[委員]
国有林はこの4月、特別会計から一般会計となり、開かれた国有林として地域に貢献するよう変わった。鳥獣害の問題にも被害者、管理者として対応して参りたい。
[部会長]
そのほか議事がなければ、これにて本日の審議を終了します。
4 閉会
略
以上