本文
平成26年度第34回群馬県環境審議会議事録
開催日時
平成27年1月16日(金曜日)9時30分~11時45分
開催場所
県庁29階 第一特別会議室
出席者の状況
- 委員 19名出席 3名欠席 (定足数11名)
- 事務局(県) 環境森林部長 環境政策課長、温暖化対策室長、環境保全課長、廃棄物・リサイクル課長、自然環境課長ほか
- 参考人等 なし
- 傍聴人 なし
審議の概要と審議結果
- 開会
- あいさつ 青木環境森林部長
- 定足数の確認 委員19名の出席があり、定足数11名を満たしていることを確認した。
- 議事
- 審議事項
- 群馬県環境基本計画の策定について
群馬県環境基本計画の策定について、環境政策課長から説明がなされ、今後の環境基本計画部会の報告を踏まえて答申を行うとし、継続審議とすることが了承された。
- 群馬県環境基本計画の策定について
- 説明事項
- 平成26年版環境白書及び群馬県環境基本計画の進捗状況調査結果について
平成26年版環境白書及び群馬県環境基本計画の進捗状況調査結果について、環境政策課長から説明がなされた。 - 群馬県地球温暖化対策実行計画の見直しについて
群馬県地球温暖化対策実行計画の見直しについて、温暖化対策室長から説明がなされた。 - 群馬県環境学習等推進行動計画(仮称)(案)について
群馬県環境学習等推進行動計画(仮称)(案)について、温暖化対策室長から説明がなされた。
- 平成26年版環境白書及び群馬県環境基本計画の進捗状況調査結果について
- 報告事項
- 群馬県の生活環境を保全する条例の一部改正について
群馬県の生活環境を保全する条例の一部改正について、環境保全課長から説明がなされた。
- 群馬県の生活環境を保全する条例の一部改正について
- 審議事項
- 閉会
第34回群馬県環境審議会概要
審議事項
群馬県環境基本計画の策定について
(事務局から説明)
【委員】
- 多くの都道府県で、2011年改訂の生物多様性国家戦略を盛り込んだ生物多様性地域戦略が策定されているが、群馬県では、まだ策定されていない。この環境基本計画を受けて、地域戦略を策定するという流れにしていく必要があると考える。また、あわせて、生物多様性に対するモニタリングの体制も必要であると思う。
- また、人口減少に加えて高齢化というのも非常に大きな問題である。住民活動のメンバー固定化あるいは、活動停滞の原因は人口減少とともに高齢化である。若い世代への教育もあるかもしれないが、高齢化という考え方も必要だと思う。
- それから、本県を取り巻く状況、客観的に見た群馬の地理的あるいは社会的な位置をきちんと見ておくべきだと思う。資料の中で、近年の群馬県を取り巻く広域交通網の整備状況が抜けている。北関東道、圏央道の延伸、北陸新幹線の金沢開業といった流れの中で群馬が交通、物流の上で結節地点を構成するとともに、通過点になる可能性があり、貨物輸送の増加、それに伴う排ガスの増加、あるいは新幹線については高速通過やブレーキ音等による騒音も考えられる。
- 以上3点のほかに、最後にもう1点、これからどうするのかということだが、東日本大震災のような災害が起きた場合、被災がれきの受け入れをどうするのか、除染残土をどうしていくか、きちんとした基準を作っていく必要があると思う。
【委員】
- 庁内には、環境森林部だけでなく、県土整備部や教育委員会などの関連するところがある。他のセクションの関わりも必要であると思うので、環境基本計画推進会議の関係課長の範囲を教えてほしい。
- 温暖化防止に関しては、今年の年末に、2020年からの中期目標がパリで合意される見込みであり、次期群馬県環境基本計画の中間見直しを行う時期は、この中期目標がスタートする年に当たる。中期目標はかなり大幅な削減目標になると思うので、そこに向けて勢いを付けていく必要があると思う。
なお、本県の特徴は、交通運輸部門からの排出割合が全国に比べて多いということである。エコドライブやエコカーの普及はこれまでも進めてきたが、交通システムあるいは道路構造の見直しなどの新しい仕組みを取り入れるという視点も考えていただきたい。一例としては、ラウンドアバウト、サークル式の信号のない交差点も可能性として検討されてはどうか。 - 2点目が、生活環境の保全に関して、水質の点で汚水処理人口普及率が全国37位という低順位にあるのは、水源県としてはどうかと以前から言われてきたということである。下水道と合併処理浄化槽の分担のあり方を改めて見直して、下水道の拡張は財政的に厳しいので、合併処理浄化槽の促進を本気で考えていく必要があると思う。
- 3点目が循環型社会づくりについてであるが、一般廃棄物のうち生活系ごみだけに限定すると1人1日あたりのごみ排出量が800グラムを超えているのは、群馬だけだと思う。事業系ごみも含まれた数字をそのまま出すと、一人1日1,000グラム出していいのかという意識になるおそれがあるので、誤解を与えるような情報の出し方は改めていくべきである。
- 最後が環境学習の進め方、啓発活動についてである。ある程度関心のある方が、もっと積極的に関わってみたいという場合の少し進んだ形のプログラムが必要であるし、逆にイベントの啓発事業にすら目を留めない人に対しては、こちらから押しかけていくなど、色々な段階に応じた方法を考えていく必要があると実際の活動から感じている。
【環境政策課長】
- 環境基本計画推進会議の構成は、現時点では未定である。いただいた御意見を踏まえて、できるだけ多くの範囲の所属が入るよう検討していく。
【委員】
- 私も庁内会議については、色々なところと連携しながら進めていただければと思う。
- 学校教育の立場からも、環境学習、環境教育についても、かなり重視をしていかなければならないと思っている。ぜひ、環境教育が必要だということを計画の中に取り入れていただきたい。例えば、成果として、尾瀬学校や総合的な学習の時間での環境教育を挙げているが、それでは非常に不足していると感じる。総合的な学習の時間で環境教育を取り上げている学校は少なく、取組のための時間がなかなか取れないという状況でもあるので、その点をもう少し意識してほしい。
- それから、最初の「群馬の豊かな自然を守り、育む」という基本目標で、具体的施策として、環境保全とかリサイクルとかごみ減量とか、対処法的な内容がクローズアップされているが、群馬の豊かな自然を感じる、つまり、子どもたちが守りたい自然について知る、体験するということがとても大事だと思う。将来を担う子どもたちが守るべき自然のことを知らないで、環境を守ろうと思うか非常に不安である。長い目で見ると、そういった方向が入るとありがたいと思うので、ご検討いただきたい。
【委員】
- 現計画の構成図を見ると、内容が横へ一直線に移行していく形となっているが、各項目は計画の中でも相互に結びついていくので、そのような考え方を含めていただきたい。
- 水草を見に川へ行くときに、川は入ってはいけないという考え方が別の組織にあるが、うまく連携を取り、より柔軟に動けるようになると良いと思う。話し合いができる場を持つことができれば、スムーズに進むのではないか。
【委員】
- これから10年先を踏まえた計画として、少子・高齢化、人口減少を一番重視しなければならないと感じている。3点ほど、策定にあたって気にしていただきたい。
- 1つは、いわゆる二次林、人の手が加わることによって維持されている環境を、高齢化、人口減少の中で、10年後維持できているかイメージして作っていただきたい。具体的には、所有権に対しての義務に言及するような方向を考えていかないと、維持は難しいのではないかと思っている。
- 2点目は、生物多様性について、何がどうなったら良くなったのだということが伝えづらいので、一般の人が具体的に思い浮かべることができるような観点で、計画を作っていただきたいということである。ビオトープマップのような、自分の住んでいる場所と直接的に関わりのあるものを作成するなどといったイメージである。
- 3点目は2点目とつながる部分もあるが、もっと民間の力を使うということである。行政の持っている環境のデータをフリーで使ってもらい(オープンデータ)、民間の活力を取り入れる。それが少子・高齢化の対策にもなると思う。
【委員】
IPCCの第5次報告では、異常気象に関して、極めて温暖化による影響が高いと言われている。また、前回の報告で、伝染病がもっと蔓延するであろうと言われていたことが、本当に起こってきており、温暖化に対する危機感がかなり高まってきている。それなので、思い切ったCO2削減のための群馬ならできることをぜひ入れていただきたい。
【委員】
今までの基本計画は、所々にわかりづらい言葉が使われている気がする。例えば、「生活環境の創造」というのは、快適な生活環境の創造という注釈があるが、よく意味が取れない。それから、「すべての主体が」という言い方も、おそらく家庭、地域・民間団体、事業者、県・市町村というのを全部あわせて表現していると思うが、「主体」と言われてもよくわからない。できる限りやさしい、常識的な言葉を使って、作成いただきたい。
【委員】
国だと、環境基本法があって環境基本計画、環境基準があり、環境基準の基本的な考え方は、人の健康と快適な生活環境という2つにわたって基準が決まっている。今までの話を聞くと、どちらかというと、快適な生活環境を守るということに重きが置かれていると感じるが、「良好な環境の保全」には、人の健康という視点は入っているか。
【環境政策課長】
生活環境はもちろん、人の健康面も含めた全体的な環境をよくしていくという意味で「良好な環境の保全」となっている。
【委員】
環境問題はほぼ全てのことに関わってくるかと思うが、群馬県の計画であるので、群馬県の歴史や伝統を踏まえるような視点が中心部にあった方がいいと思う。
【委員】
- 環境基本計画部会としての会議は4回ほど計画されているが、委員皆さんの意見が盛り込まれることがよいと思うので、事務局を通じて意見を出していただきたい。
- 「環境の創造」や「主体」という言葉について、思い起こしてみると、地球サミットから環境基本法に変わった93年に「環境の創造」という言葉が出てきている。それから「各主体の取組」については、2000年前後くらいから、行政だけでなく、いろいろな人達が協働するのだという話が盛り上がってくる中で、このような表現が出てきた。
- 10年前にこの計画を作ったとき、当時の担当の方に、役所のために作るのではないのだから、役所の人だけが読んでわかる文章ではだめだという旨を話したことを覚えている。今、改めて、そこはとても重要な視点だと感じた。
- 我々、審議会委員は、それぞれの立場で活動しているが、一県民としての視点も持っていなくてはいけない。我々の意見をきちんと反映させるような部会を運営していきたい。
【会長】
本審議会としては、今後の調査審議については計画部会から報告を受け、それに基づいて来年度末までに最終的な答申をするということでよいか。
【委員】
(異議なし)
【会長】
それではそのように進めさせていただく
説明事項
平成26年版環境白書及び群馬県環境基本計画の進捗状況調査結果について
(事務局から説明)
【委員】
- 尾瀬のシカ対策は、非常に効果を上げていると思う。このことは環境白書にも記載され、行政内では把握しているが、県のこうした取り組みと成果について、みなさんが知っているのかなと思う。
- 例えば福島県では、福島民報、福島民友の一面に、檜枝岐村で行う尾瀬シカ対策に県が補助金を出すという記事を出していた。群馬県側でも、福島県側と同等、それ以上の被害があるのだから、県としてもきちんと取り組んでいることを白書だけではなく、メディアにも出していいのではないか。
- それから、群馬県、福島県と国で連携して取り組んでいるとは思うが、もう少し実効性のある形でできないかと思う。我々が調査したこと、あるいは各県の尾瀬関係部署の調査したことが、きちんと環境省に伝わっているのか疑問に思うことがある。県から国に対してきちんと現状の厳しさを説明する体制が必要だと思う。環境白書は県民に公表するというとともに、行政のツールとしてもかなり強力なものになるので、そういう意味でもお使いいただきたい。
- それからもう1点、電気自動車の取組について非常に進んだと書かれているし、事実その通りだと思う。そこで質問だが、東京都では燃料電池の導入について積極的に進めるという方針を打ち出しているが、群馬県においては燃料電池車、あるいは水素を燃料とする車の普及について、どのようなお考えか。
【環境政策課長】
御指摘のとおり、燃料電池車、水素自動車についても、非常に大きな課題であると思っている。昨年12月にトヨタのミライが発売されているが、温暖化対策の面でも環境負荷の面でも、非常に大きな可能性を秘めたものだと思う。今後どうやって県として関わっていくかということは、大きな課題として検討していきたいと考えている。
【委員】
- 進捗点検について、ダイオキシン対策はかなり進んだというが、化学物質の中にはほかにも、アスベストやPCB、フロンなど、対策が必要なものがある。アスベストも過去の問題のような意識もあるが、実はまだまだ問題が残っている。
- また、フロンについて、進捗点検の調査結果に、「フロン回収破壊法による回収率は、環境省の集計によると全国平均で3割程度となっている。」とある。群馬はそれより進んでいると思うが、群馬県内における回収率をもし把握されていれば、具体的な数字を伺いたい。
【環境保全課長】
回収元となる事業者がどれくらいあるかを把握していないが、あくまで推計として、群馬県の回収率については、全国レベルの3割よりは良いのではないかと期待している。
【委員】
全体として厳しい状況にある事業の中で、中小私鉄振興対策が挙がっているが、パークアンドライドのための無料駐車場整備や、公共交通利用への働きかけ、自転車持ち込み可能など、私鉄でご努力いただいている取組を、環境白書の中に例として載せていただきたいと思う。
【委員】
- 進捗点検の集計結果で、例えば「生物多様性の保全」について、貢献度では、ほぼ予定どおりとしている事業が8割だが、成果の傾向評価では、全体として厳しい状況もしくは横ばいの傾向があわせて70何%となっている。これはどう解釈したらいいのか。うまくいっているのかいないのかがよく分からない。
- それから、間伐・作業道推進プランについて、未利用材を搬出しているので、間伐面積が減っているという話があったが、間伐をする人が増えていないので、手が回らないという状況だと思う。林業の担い手の教育を抜本的に考え直した方がよいのではないか。
【環境政策課長】
二番目の貢献度のところでは、様々な事業により、しっかり取り組んでいるという認識なのだが、三番目の成果の傾向のところでは、やっているのだけれどなかなか結果が出ないということなのだと思う。県の施策だけではなかなか目標達成できない部分もあるので、そういった意味合いで、両者に違いが出てくるということではないか。
群馬県地球温暖化対策実行計画の見直しについて
(事務局から説明)
群馬県環境学習等推進行動計画(仮称)(案)について
(事務局から説明)
【委員】
先ほどの基本計画と同じだが、こういう計画は立てることに意義があるのではなく、これを基に実際に活動される方が活動しやすいものにすることが重要である。それぞれがどんどん活動できるような計画にしていきたい。
報告事項
群馬県の生活環境を保全する条例の一部改正について
(事務局から説明)