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平成25年度第31回群馬県環境審議会議事録
開催日時
平成25年7月4日(木曜日)14時00分~15時05分
開催場所
県庁7階 審議会室
出席者の状況
- 委員 15名出席 7名欠席 (定足数11名)
- 事務局(県) 環境森林部長 環境政策課長、環境保全課長、廃棄物・リサイクル課長、不法投棄主監、自然環境次長ほか
- 参考人等 なし
- 傍聴人 なし
審議の概要と審議結果
- 開会
- あいさつ 石井環境森林部長、鵜飼環境審議会会長
- 定足数の確認 委員15名の出席があり、定足数11名を満たしていることを確認した。
- 議事
説明事項
・群馬県環境影響評価条例施行規則の見直しについて
群馬県環境影響評価条例施行規則の見直し方針について、環境政策課長より説明がなされた。
・群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例施行規則の制定について
群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例施行規則の制定について、不法投棄主監から説明がなされた
第31回群馬県環境審議会審議概要
説明事項
群馬県環境影響評価条例施行規則の見直しについて
会長
電力需給のひっ迫状況が改善された場合、自家発電施設の設置に対する環境影響評価をまた実施することになるのか。
環境政策課長
今回の適用外の措置は、一時的な措置として考えており、電力の需給状況が改善された場合は、環境影響評価を実施していただきたい。
委員
既存工場の自家発電施設設置を環境影響評価の適用外とした平成24年8月以降、増設として環境影響評価を経ずに行われた自家発電施設の設置は、県内でどの程度あるか。
環境政策課長
設置計画はあったが、実際の工事は着手されていない。把握している限りにおいては、新たにこの規模の自家発電施設が設置されたという話は、現時点では聞いていない。
群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例施行規則の制定について
委員
- 埋立て等のために搬入される土砂等の汚染に関する基準項目は、環境基本法に規定する環境基準を基にして定めるとのことであるが、ダイオキシンがないようだが、いかがか。
- 福島第一原子力発電所事故の関係から、放射性物質への対応も必要ではないかと思うが、これについても御意見をいただきたい。また、放射線量を測定するだけであれば、それほど負担はないと考えられるため、加えてもよいかと思うがいかがか。
- 土砂の搬入元は、計画書等の中で把握できるようになっているのか。
不法投棄主監
- ダイオキシンは、環境基本法に規定する土壌の環境基準項目には含まれていない。ダイオキシンについては、別にダイオキシン類対策特別措置法により環境基準が定められている。
- 放射性物質で汚染されている土砂が搬入されることは、ないとは言い切れないが、可能性としては低いと考えている。放射性物質については、放射性物質汚染対処特措法(正式名称:平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法)で別に規制していくことになる。
- 放射線の測定については、県職員が立ち入り検査等を行う際に、庁内にある測定器を利用して測定することを検討したい。
- どこからの土砂が搬入されるかは、事前届出書に添付される排出元証明書により確認できる。
会長
ダイオキシンについて、他県ではどのように規定されているか。
不法投棄主監
関東では、東京都と群馬県を除く5県がすでに土砂条例を制定しているが、検査項目にダイオキシンを含めている県はない。
委員
(ダイオキシン及び放射性物質について、)他の委員の御意見を伺いたい。
委員
他法の規制があるのであれば、そのことが明確であればよいと考える。業者の方にとってわかりやすい表記とするのが良いと思う。
委員
別の法律で規制されていることから、ここで規定する必要はないと考える。
委員
ダイオキシンや放射性物質については、現実問題として重要なものである認識は持っている。他の法律との整合性の中で、この条例施行規則に入れる必要があるかどうかは、即答できないが、例えばホームページなど、この審議会の中で、このテーマについて関心が持たれたということを何らかの形で残しておくとよいのではないか。
委員
環境基本法に規定する土壌の汚染に係る環境基準の中にダイオキシンが入っていないのであれば特別な理由がない限り加えなくてよいと思う。
廃棄物・リサイクル課長
ダイオキシンについては、焼却によって生じる副産物、例えば焼却灰に対する基準というのは制定する意味があると考える。しかし、搬入される土砂にダイオキシンが含まれる可能性を考えたときに、ダイオキシン特措法の基準を超える濃度で含まれることは一般的に考えられない。この条例で定めるということは、測定義務が生じることになるので、事業者の方の負担という点からも、この条例からはダイオキシンについての規定は外させていただきたい。
委員
ダイオキシンについても、放射線についても、特措法によって別に規制が図られているのであれば、定める必要はないと考える。
環境保全課長
- ダイオキシンについては、一般廃棄物の焼却等に伴って非意図的に生成され焼却場周辺の土壌の表面部分が汚染されているという実態を捉え、ダイオキシン特措法で規定されている。
一方、土壌汚染対策法は、製品などとして出回っている化学物質が排水中に混じって地中に染み込み、土壌を大量に汚染するという事態を想定している。
したがって、土壌汚染対策法で規定している27項目にはダイオキシンは含まれていない。
この条例は、有害物質を含む大量の土壌が県内に運び込まれることによって土壌汚染が生じないようにするもので、土壌汚染対策法と同じ27項目を規定することが適当と思う。
ただ、ダイオキシンについては県民の皆様の関心も高いと思うので、こういった議論をいただいたことを重く受け止め、県民の皆様が不安に思うことがないよう説明していきたい。 - 放射性物質によって汚染された土壌については、放射性物質汚染対処特措法によって「みだり投棄」が禁止されていることから、土砂条例からは外してよいのではないかと考える。
委員
内容については、理解した。ただ、別の法律があるということが、この条例でも分かるようになっていると、分かりやすいと思うので、何らかの形で考慮していただければと思う。
不法投棄主監
埋立て等の許可申請の手引書を作成する予定であるので、その中で記載することを検討したい。
会長
ほかに意見がなければ、ここで、前回の審議会で群馬県土砂等の埋立て等の規制に関する条例(案)に対して出された委員意見について、事務局から検討結果を報告していただきたい。
不法投棄主監
- 前回の環境審議会において、群馬県土砂等の埋立て等の規制に関する条例(案)について御審議いただいたところ、「土砂等の埋立て等を行う者の責務に『自然環境への配慮』を追加した方がよいのではないか」との意見をいただいた。
- そして、この件については、事務局と会長とで検討させていただくことを前提として、条例案については、原案のとおり御了承いただいた。
- 事務局と会長との検討の結果、自然環境の保全も重要であり、考慮すべきことは多々あるものの、この条例は「生活環境の保全」と「土砂災害に対する安全の確保」を主眼として制定するものであることに鑑み、条例案については原案のとおりとさせていただいた。御理解をお願いし、報告とさせていただきたい。
委員
説明については了解したが、少なくともこの条例においては埋立て先についての規制は全くないという認識に立って要望がある。ここからは趣旨から外れてしまうかもしれないが、絶滅危惧種を守るため、これらに対する保護条例、さらに生物多様性に関する条例の早期制定を望む。
自然環境次長
現在、保護条例の制定に向けて動き始めているところである。この条例の制定により、希少種の保全について、実効性をもって取り組んでいきたいと考えている。
委員
- もう一点、生物多様性という観点で見たときに、これらを包括的に守るための何らかの条例、方策が必要だと思う。
- 国においては生物多様性国家戦略の見直しを行っており、それに対して日本生態学会も要望書を提出したところである。
- しかし、群馬県は、それらの生物多様性に関する取り組みが行われていないと言われても仕方のない状況にある。全国でも今や生物多様性に関する条例を制定している、あるいは戦略を打ち出している県が主流となっている中、群馬県は遅れている状況であり、これらに対しても早急に何らかのアクションを起こすことを望む。
自然環境次長
都道府県レベルで、そういった戦略がないところが少ないということは十分承知している。生物多様性についても先ほどの条例と同時並行的に進めていきたいと考えている。
委員
子どもを育てるなら群馬県であるとか、自然環境が豊かな県と打ち出していて、なぜそのような状況かと思う。子どもたちとの自然観察や自然体験活動をライフワークとして取り組んでいるが、絶滅危惧種がどんどんいなくなっているということを聞いており非常に残念な気持ちでいる。自然環境は群馬県の大切な宝物だと思うので、それをどうやって守っていくかということは、この審議会の中で話すべきことではないかと思う。
自然環境次長
自然環境については、自然環境保全審議会が別にあり、この審議会において、さきほどの条例や戦略を御審議いただくことになる。
会長
そこでの審議の状況を、環境審議会にも情報提供していただけるとありがたい。
自然環境次長
環境審議会への情報提供について、検討したい。