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文化財保護審議会 平成23年度第2回開催結果
1 開催日時
平成24年2月14日(火曜日)午後1時30分~午後3時35分
2 場所
群馬県庁 第1特別会議室(29階)
3 出席者
審議会委員17名
4 議案
報告事項
- 群馬県内の国・県指定等文化財件数について
- 平成23年度県指定文化財保存事業について
- 県指定文化財の現状変更等について
- 史跡上野国分寺跡・史跡観音山古墳の管理について
- 東日本大震災への対応状況について
- 「偲ぶ毛の国」群馬の魅力発掘・発信事業について
部会報告(非公開)
群馬県文化財保護審議会の組織改編について(非公開)
審議事項
群馬県指定文化財の指定について
「松平大和守家歴代藩主画像 附 その他画像」(まつだいらやまとのかみけれきだいはんしゅがぞう つけたり そのたがぞう)
「前橋藩松平大和守家記録」(まえばしはんまつだいらやまとのかみけきろく)
「天引の麦祭り」(あまびきのばくまつり)
「下南室太々御神楽の養蚕の舞」(しもなむろだいだいみかぐらのようさんのまい)
「高崎市吉井町産出のジョウモウクジラ化石」(たかさきしよしいまちさんしゅつのじょうもうくじらかせき)
5 議事概要
報告事項
報告事項1
(事務局(資料に基づき説明))「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観」が国選定重要文化的景観として平成23年9月21日に官報告示された。また、第1回審議会で答申を受けた「針山の天王ザクラ」の指定及び刀剣6件の指定解除を平成23年9月20日に県報告示した。県指定文化財の所在確認をしているところであるが、今後も市町村をとおし、所在の悉皆調査に努めていく。
報告事項2
(事務局(資料に基づき説明))県指定文化財の保存・修理・整備等を実施している。震災で被害を受けた文化財修理も3件終了した。
報告事項3
(事務局(資料に基づき説明))平成23年7月から平成24年1月までの間の現状変更等である。
報告事項4
(事務局(資料に基づき説明))史跡上野国分寺跡の管理及び利用状況
3名を雇用し、解説・施設管理を行っている。
地元のお祭り等、様々なイベントで活用されている。
今年度県主催で古代史講座を2回実施した。
史跡地内のプレハブを撤去した。
今年度1月までのガイダンス施設利用者は5千名超。対前年度比103.69%である。
(事務局(資料に基づき説明))史跡観音山古墳の管理及び利用状況
地元の保存会に委託し、解説・施設管理を行っている。
震災の影響の基礎調査を実施している。
四阿や敷石等の修理を行っている。
今年度1月までの見学者は1万6千名超。対前年度比110.62%である。
※学校の学習活動による両史跡の利用を促進するため、チラシ及びパンフレットを県内全小・中学校に配布した。
報告事項5
(事務局(資料に基づき説明))被災文化財の修理の進捗状況である。資料の黄色は復旧・修理済み、ピンク色は一部修理済み、紫色は修理作業中、白色は未着手ではあるが、今後、内容を検討し取り組んでいこうと準備を進めているところが大半である。
報告事項6
(事務局(資料に基づき説明))新規事業「『偲ぶ毛の国』群馬の魅力発掘・発信事業」で群馬の魅力を全国に発信したい。県民が群馬の歴史や文化に誇りを持ち、群馬のイメ-ジアップ、地域づくり、観光振興に役立てることが事業の主旨である。
平成24年度事業内容(予定)
「史跡上野国分寺跡整備」未発掘地の発掘調査、史跡地の地形復元、ガイダンス施設の改修、新たな基本設計の策定、整備検討委員会の設置・運営など。
「文化財保存事業費補助特別枠」従来からの補助事業に加え、特別枠を設け、市町村の要望に応えるものである。
「古墳情報発信事業」「毛の国古墳サミット」の開催及び古墳出土物の紹介冊子の作成。
「古墳総合調査」県内の古墳の悉皆調査を行い、昭和13年度発刊の『上毛古墳綜覧』の平成版を作成。
「史跡等保護管理運営」史跡上野国分寺跡及び史跡観音山古墳の管理を年中無休とするため、現地解説員を増員。
審議事項
審議事項1
(事務局(資料に基づき説明))
《委員 指定に関し異議なし》
審議事項2
(事務局(資料に基づき説明))
(委員)冊数は現実に405冊となっている。すでに分冊されているので、現実の405冊で指定しておく方がよい。
(委員)点数については色々と意見があると思う。便宜上、厚さを半分にしたといういきさつがある。404で番号が付いてくるわけであるから、(1)、(2)として404のままでよいのではないか。
(委員)現実にはどのような番号を付けているのか。その辺に従うことも方法かと思う。
(事務局)404、405と付いている。
(委員)管理上の問題や対外的な説明は405だと思うが、資料の根源的な形は元々一冊である。しかも404と405は同じ年度である。厚さは別として、404の方がよいのではないか。現状からいうとそれはおかしいと言うことになれば405でも。踏ん切りをどうするかである。
(委員)そもそも元は254冊に分冊されている。管理運営上、現実的な405冊でよいのではないか。
(議長)405冊でよろしいか。
《委員 員数は405冊とし、指定に関し異議なし》
審議事項3
(事務局(資料に基づき説明))
(委員)無形文化財という性格上、今回の機会に保存会というような形をとられるようにはたらき掛けていく方が将来に向けて保存・活用の展望があると思われる。
(事務局)氏子という形ではなく、会・組織という形で保存継承が行われるよう、町・地元にはたらき掛けていきたいと考える。
(委員)現在、大麦を地元では作ってはいない。本来の意味を考えて、小学校の授業で大麦を作るようなところまで発展していけたらと思う。
(事務局)そのようなことをはたらき掛けていきたい。
《委員 指定に関し異議なし》
審議事項4
(事務局(資料に基づき説明))
(委員)地元には養蚕農家はどのくらい残っているのか。
(事務局)長らくは地元でも2軒の養蚕農家があったということではあるが、現在は養蚕農家はないと聞いている。
《委員 指定に関し異議なし》
審議事項5
(事務局(資料に基づき説明))
(委員)化石は発見したときに、発見者に所有権が発生するものか。
(委員)そのとおりであるが、今回の発見者は、自身が持つよりは専門家が持っていた方が世のためになると考え、寄贈されたのではないか。
(委員)埋蔵文化財では土地所有者にも権利が発生する可能性がある。
(事務局)埋蔵文化財は落とし物と同じ扱いで処理をしているので、土地所有者の権利は一部あらわれる。今回の場合は千百万年前のことで、落とし物の範疇ではなく、土地所有者の権利としては発生しないと解釈している。
《委員 指定に関し異議なし》
(審議会長)審議いただいた結果、「松平大和守家歴代藩主画像 附 その他画像」ほか4件について、諮問どおり指定文化財とすることで答申する。
その他
(委員)世界遺産登録の動きについて、最新状況を報告していただきたい。
(事務局)世界遺産に向けての推進は世界遺産推進課が行っている。世界遺産にするためには、文化財保護法で保護の対象となっていること、保存管理計画が策定されていることが条件となる。指定する行為、指定された文化財の保護・活用計画が文化財保護課の仕事となる。
昨年の国際専門家会議の中で、当初10の資産で暫定リストに載っていたものを4つの資産に絞り込んだ。富岡製糸場、高山社跡、荒船風穴、伊勢崎市の田島弥平旧宅である。田島弥平旧宅はまだ指定されてはいないが、1月末に国に対して史跡指定の意見具申書を提出した。今年度中には史跡指定になるであろうと考えられ、文化財の指定は完了する予定である。
世界遺産の登録申請については、4つの資産をもとにユネスコに対して来年の1月を目安に世界遺産推進課の方で提出する予定である。国の審査を経てユネスコに提出すると、来年の夏頃にはユネスコが現地調査にくるであろう。それを受け、再来年の7月頃には世界遺産会議に諮問され、世界遺産になるかどうかが決まるであろう。指定された文化財を守るためには、それを取り囲む周辺の部分も含めて保存のための計画を作らなければならないが、これについては、市町村の都市計画の部局が中心となって、都市計画の中に位置付けて進めることとなっている。現在の課題として、田島弥平旧宅は伊勢崎市の都市計画への保存管理は順調に進んでいるが、近隣の深谷市・本庄市に対してより完璧な保護管理を求める投げ掛けを進めているところである。
(委員)市町村の取り組み等が分かるように、地元作成の資料もこの場に用意していただきたい。
(事務局)資料について、後日送付する。