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群馬県子どもの貧困対策推進計画(仮称)に係る第1回社会福祉審議会結果概要
日時:平成27年7月13日(月曜日)午前10時~11時40分
場所:県庁29階 第一特別会議室
1 開会
略
2 あいさつ
健康福祉部長 塚越日出夫
3 委員及び事務局紹介
略
4 社会福祉審議会について
事務局から社会福祉審議会の概要について説明
5 委員長互選
略
6 議事
事務局説明
- 群馬県子どもの貧困対策推進計画(仮称)策定の背景について
- 群馬県子どもの貧困対策推進計画骨子案について
- 今後のスケジュールについて
意見、質疑等概要
(委員)
貧困が世代を超えて連鎖するということは、仕事の中で、切実に感じている。貧困対策として、子どもへの支援ばかりでなく、親の支援なども含めて取り組んで欲しい。
資料で児童養護施設の子どもの大学などへの進学率を見て愕然とした。なかなか進学するのが厳しい状況だと承知しているが、生活保護世帯に比べてもかなり低い、全国の施設と比べても低いという指標があって愕然とした。何とか改善して、子どもたちが頑張れば進学できるという環境を作っていきたい。
(委員)
生活困窮者自立支援事業の学習支援事業として、いくつかの会場で、塾に行けない子どもたちを対象に学習支援を実施する方向で検討しているが、参加する子どもたちの差別を生むことが問題となると思っており、慎重に進める必要を感じている。
(委員)
子どもの貧困というのは何なのだろう、と首をかしげる思いがあった。うちは小規模自治体なので、子どもがいる生活保護世帯はなく、子どもの貧困が実感として受け入れられなかった。
ひとり親家庭の助成制度などもあるが、小さな自治体なので、高齢者の方もそうであるが、申請すること自体が恥ずかしいという認識が強いのかなと感じる。
就学支援というところで、自分も体験から思うところであるが、群馬から東京の大学に行くのは本当にお金がかかって大変だと思う。
(委員)
親の貧困はイメージしやすいが、重なる部分はたくさんあるのではないか。計画の構成案をみると一つ何とかすれば何とかなるような問題ではなくて、もっと社会全体の問題であると思う。子どもを育てる能力が社会全体で落ちている、地域も、個人の能力も、いろいろな形で全体的に沈んできていると感じる。
「孤育て」と大きく書かれた看板がとても印象に残っていて、1人で子育てするのは貧困でなくても大変な時代なのに、まして貧困であればもっと大変なのかなと感じた。
解決策は、個別には学習の支援などあると思うが、家庭も含めた意欲が問題であり、いくら制度ができても塾に行きたくなければ行かないのではないか、進学率を上げるのは難しいと思う。
骨子案では大学進学率など学歴を重視しているが、学歴社会でない社会も少しずつ確立してきているように感じられる。全体的なレベルを上げていく方向しかないのではないか、特効薬はないと思う。ただ、なかなか難しいとは感じているが、やらなくてはいけないと思う。
(委員)
骨子案では、社会的養護を受けているとか生活保護を受けているとか、制度の上に乗っていて把握ができる子どもに対する貧困対策となっているが、無戸籍の子ども等に対する対策について聞きたい。
また、骨子案に「情報の提供」についての記載はあるが、「情報の収集」もまた次の情報提供に役立っていくというところがあって、情報の収集についてどう考えるかというところを聞きたい。
(事務局)
無戸籍の子どもに関しては、福祉部局で情報を把握するのは難しい状況である。いままで子どもの貧困という切り口でいろいろ検証してくるということがなかった。計画を策定するにあたり国の方では「貧困率」を出しているが、県では、福祉部門で考えられるものとして、生活保護受給世帯の子どもの状況、また準要保護世帯の子どもの状況がベースになるものだろうと考え、計画の対象としている。
無戸籍児に関しては、関係部局と相談し、計画に入れ込んでいけるものについては、今後また情報収集をして入れ込んでいきたいと思う。
もう一つの情報の収集については、先生の言われるとおりで、この計画を策定するにあたりいろいろなところから情報収集し、それをまた還元していくというようにやっていきたいと思う。
(委員)
情報の収集まで入れると、より県民に伝わる計画になると思う。
また、理念の一番最初のところに「すべての子ども」という表現があるが、制度に乗らない無戸籍の子どもについても、もし県内に存在するのであれば、入れて欲しい。
(委員)
母子家庭の貧困率が高いということであるが、背景には母親の非正規雇用率が高い状況がある。母親が二つも三つもパートを重ねて働いている状況についてよく聞くが、もし母親が正規雇用であったら、子どもをきちんとみる時間ができるのではないか。母子家庭の母親に就業の機会を与えるとともに、正規雇用の機会を与えられる仕組みができればいいと思う。
もう一点、ハンディがあっても教育を受けさせれば子どもは伸びるので、貧困家庭の子どもに対しても教育の機会を与えることが大切だと思う。
ボランティアで塾のように勉強を見ているグループがいくつかあるが、そうした団体を組織化できれば、子どもたちに安らぎの場を与え、塾に行ける機会を与えられると思う。
また、朝食欠食児童について、学童保育で学校の前に朝食を出すような仕組みがあればいいと思う。あらゆる子どもを救う機会や仕組みを考えて実現することを希望する。
(委員)
親に対する教育も必要ではないか。子どもが一生懸命やっていても、まず親の理解が必要だと思う。
母子家庭の中には、お金がかかるから学童保育に行けないという子もいる。クラブに入っても、例えば柔道着やテニスの道具など高くて買えないという状況である。
我々もボランティアとして、母子家庭や父子家庭の親子の勉強会などに協力したいと思っている。
施設に入っている人は3食食べられるからいい、母子家庭の子の中にはそれもできない子がいる。そういう実態に対して支援していただければありがたいと思う。
(委員)
新聞でもよく児童虐待や学校のいじめなどの児童の問題を目にするが、このように資料として一冊にまとめられたとき、すごいなという印象である。行政にしても私たちにしてもどこから手をつけていいのか圧倒されるような感じで面食らう。
最近、学校にスクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーなどが福祉と教育の橋渡しとして配置はされているが、一番子どものことを知り得る立場にあるので、いろんな情報をそれぞれの支援機関に伝え合うことによって解決に一歩近づくと思う。
(委員)
妊娠中から支援をしてあげないと子育てが難しい時代になったと感じている。出産後も子どもをどう育てていいかわからないという女性がいると思われるので、妊娠中など早期に支援ができれば、子育てをする女性が少し気持ちが楽になるのではないかと思う。
相談ができる場がであったり、保健師さんなりとつながれる場があることを、知らないで妊娠をしてしまい出産してしまうケースがあるのかなと感じる。
また、学校でのいじめについては、いじめられた子がSOSを出せないことがないようにして欲しい。それから、親は賢くあって、支援の情報をたくさん知っておくこと、支援を受けるときは受けて、返せるときにちゃんと返せばいいことを、子どもに伝えることが必要であると思う。
せっかくいいものができても、情報が届かないと意味がない。支援が必要なお母さんたちは、情報を得るチャンスがなく、ものすごく狭い世界で生きていると思う。情報をどうやって伝えられるかを含めて子育て全体にできれば関わっていただきたい。
(委員)
就学援助制度によって、いろいろな事情で学校に行けない子どもが少なくなり、周りの大人はよかったと言っていますが、実際に子どもたちは援助を受けるときにどう受け止めているのかと、思いました。援助を受けるに当たっての大人の気持ち、子どもの気持ちがきちんと整理できるように進めてあげたいと思う。
(委員)
数字に驚かされた。貧困率がこれほど高いこと、OECD加盟国中の日本の順位など、これほどに日本の置かれている状況が厳しい状況にあるのかと感じる。格差という部分で、外国の格差については報道されるが、日本の状況にについての報道はなかなかないというところで驚かされた。
親の関係で話が出ているが、教育以前の問題が非常に大きいと思うので、県でも複数の担当部局と検討していただきたい。
(委員長)
各委員からの発言を次回の会合までにいろいろな観点から受け止めていただきたい。
(健康福祉課長)
長時間にわたり熱心な議論をありがとうございました。子どもの貧困については、テレビなどでは他国の状況について目にするが、まさか足下の日本で、豊かな日本で子どもの貧困が広がっているという、なかなか知られていない状況であると思う。
今日の資料だけでも、貧困の状況が深刻な状況があることがわかる。また、今日委員さんの話でも貧困の状況をお伺いしたところである。
今後とも、県としても庁内各部局と連携を図って情報収集しながら計画を作っていきたい、また、委員の皆さまからいただいた意見を踏まえて、今後も事務局の方にいろいろな意見をいただきながら実効性のある計画を立てたいと思う。
その後もしっかり検証評価し、何をすれば子どもの貧困が解決すると直結的な方策は難しいと思うので、継続的にやれることをやりながら引き続き計画を見直したりしながら、実効性のある対策を進めて行きたい。
(委員長)
今日の意見を踏まえながら引き続き計画策定に向けて進めていただきたい。
7 閉会
略