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第11回情報公開審議会議事概要
次第
- 日時 平成20年6月27日(金曜日) 10時00~12時30分
- 場所 141会議室(県庁14階)
- 出席者 情報公開審議会委員5名、事務局5名、傍聴者4名
- 議事
- 群馬県情報公開条例の一部改正について
- 群馬県情報公開条例の実施状況について
- その他
議事概要
1.開会
司会が10時00分開会を宣す。
2.議事録署名人の指名
大河原会長から高橋委員が指名された。
3.群馬県情報公開条例の一部改正について
事務局から、資料1「群馬県情報公開条例の一部改正について(概要)」及び資料2「群馬県情報公開条例の一部改正について」により説明。
(大河原会長)
ただいまの事務局の説明につきまして、委員さんの皆さんから質問・意見等がありましたらお願いします。
(吉田委員)
説明を伺っていて、遅きに失しているというか、対応が遅いと感じる。これは何か理由があったのですか。つまり、みんながやってきたからウチもやろうみたいなことで、厳しく言えば、情報公開に積極的に取り組もうという姿勢があまり見られない。オンブズマンの情報公開度ランキングが絶対とは言わないが、群馬は下位が続いていると思うが、こうしたことも一つのマイナスポイントになってきたと思う。これは、県の体制替えに伴うものか、もしくはそういうこととは別にして、時間的にやらざるを得ないということなのか。
(事務局)
今までは、既にある条例をいかに開示度を上げるために運用していくかという方に力点を置いていたというのが実態です。ただ、国の法律や他県の状況等を見て、遅れている部分があることは前から認識はしておりました。それについて、「遅れているからこういうことが困るんだ」という声がそれ程県の方に聞こえてこなかったことは実態としてあります。
(吉田委員)
議会と県警本部・公安委員会について、他県の状況を見ると半々ですよね。基本的には知事等と同様にすべてを対象とする方向で進めるとありますが、事務局で描いているものはありますか。
(事務局)
議会については、条例改正について意見照会をしまして、知事部局と同様、平成21年4月からすべての文書を対象としても支障はないという回答をもらっています。
警察本部・公安委員会については、知事部局とだいぶ文書の扱いが違っているようで、未整理の文書がたくさんあるという話です。例えば、知事部局は旧条例施行以降文書は整理されているが、警察については、今の情報公開に対応できるような文書管理は平成11年頃から取り組み始めたと聞いています。警察本部・公安委員会の条例改正に関する考えとすると「対象公文書を全部とすることについてはその趣旨はよく分かるが、来年度の4月からということについては事務上の混乱が生じる」という意見は聞いております。
事務局としては、一定期間は文書整理に要する期間として考えることがあったとしても、その期間が過ぎれば当然すべての公文書が対象となるという内容での条例にしたいと考えております。
(吉田委員)
議会がOKとすれば一緒にはできないのですか。
(事務局)
現時点では、警察本部・公安委員会を除いて、来年の4月1日からすべての公文書を対象とするという考えでおります。
(吉田委員)
話は変わりますが、住宅供給公社と土地開発公社を加えることについては、公社の色々な土地取得に絡む問題がありましたが、そういった流れの中で今回入れ込むという話ですか。
(事務局)
その問題とは関係はなく、それ以前から公社を実施機関に加えるという考えはありました。昨年度、「県政運営の改革方針」を策定するという話が出てきた時に行政改革の一つとして公社を実施機関とすることを検討を始めており、平成19年の夏頃から考えております。前回の昨年12月の審議会資料の中でも、検討事項として両公社の実施機関化は入れてあります。
(吉田委員)
県が出資している他の公社で、今後、検討対象となるところはありますか。
(事務局)
例えば林業公社等の他の公社等について、実施機関化は考えておりません。いわゆる地方3公社以外で実施機関としているところは全国的にもありません。公社の実施機関化については、全国的には17府県で既に行われていますが、公社を実施機関にする根拠の一つとして、平成12年5月17日に開かれた国の「第22回特殊法人情報公開検討委員会」の中で、「地方3公社については情報公開条例の実施機関とすることについて法律的に問題ない」という見解が当時の自治省・建設省から示され、それを拠り所に他の県で実施機関とし始めたということがあります。他のいわゆる出資法人については予定はありません。その代わりに、すべての出資等法人については、県の情報公開条例に近い形で独自に情報公開の規程を作って、運用してもらっています。
(高橋委員)
両公社については、既に情報公開条例を基にそれぞれが規程を設け、一定の情報公開は実施していると理解していいですか。
(事務局)
はい。
(高橋委員)
今回、実施機関として県の条例に取り込む必要性は3公社ということだからですか。今までの規程の中で実施していたのでは不十分ということがあるのですか。
(事務局)
両公社については、県の行政・施策を補完している面が非常に強く、ある意味では県の業務を代行しているというところが強いので、そういった業務によって得た文書を情報公開の対象としないのは問題があるかと思います。
条例に加えることで変わることは、(広い意味での)法律によって保障された権利になるという所が大きく違うと考えています。これまでは、公社に対して請求や申出をして、公社から「開示できません」という通知が出た時に、それに対して「おかしいではないか」と言う先がありませんでした。規程の中では、異議や苦情を申し出ることはできますが、それに対して、どういう回答があるかまでは担保されていませんでした。
正式に条例上の実施機関になれば、決定に不満があれば行政不服審査法上の不服申立てや、抗告訴訟で取消を求めたりもできますので、県民等の方にとっては非常に権利性がはっきりしてくる点で意味があると思っております。
(吉田委員)
スキャナでの写しの作成の件ですが、全国的にも行っている県は3つしかなく群馬県でも行っていくということですが、今までの群馬県も含め行っていない県の理由はどのようなことが考えられますか。
(事務局)
群馬県で取り組んでこなかった理由とすると、スキャナの普及がどの程度か分からなかったことが一番大きいということがあります。また、他県での対応の理由としては、どの程度の需要があるのかがはっきりしないということもあり、積極的に取り組んでなかったのかと思います。
それと、スキャナでの読み取りとなると、コピー機でコピーするよりも時間がかかるということで、職員の手間が少しかかるということを気にして対応していないところが多いのかと思います。
(竹内委員)
今度の改正のポイントとしては、制度改正として大変いい方向に向いていると思います。県民の知る権利に答えて、情報を県民にくまなく行き渡るようにしようという姿勢を打ち出された。従来は、できた条例の中でそれを適正に運用するということを最大限考えてきたが、今回は制度そのものを見直そうという考えで、その方向としては開示請求の対象文書の拡大や実施機関の拡大など、評価していいと思います。ですから、この方向で改正を進めていくことで異議はありません。
(大河原会長)
事務局の方向で改正を進めることでよろしいでしょうか。
<各委員了承>
(大河原会長)
各委員のご意見や審議内容等を踏まえて、条例改正に向けて事務を進めていただきたいと思います。
4.群馬県情報公開条例の実施状況について
事務局から、資料3「公文書開示等の実施状況」及び資料4「県民意見提出制度(パブリック・コメント)の実施状況(19年度)」により説明。
(大河原会長)
委員さんの皆さんからただいまの説明につきまして質問・意見等がありましたらお願いします。
(竹内委員)
運用状況ですが、かなり活発に請求がなされており、活用がされていることがよくわかります。資料の新聞記事を見ますと「制度改正の方向はいいけど、非開示を減らすように」との注文がついてるようですが、資料3の不服申立処理状況を見ますと、全部認容がほとんどなく一部認容も少しある程度ですから、運用としては開示の方向で運用していると思います。あとは、非開示理由が問題です。
現行の条例の範囲内で最大限条例を運用して、開示できるものはほとんど開示していますという状態で運用しておれば適正な運用ですよね。ただ、住民は何でも知りたがるわけですから、情報公開を利用して自分の他の目的に使うためにということもあります。傾向として、無理なものを請求してきていればダメですけど、今の制度で、その程度の情報であれば開示してもいいのではないかという場合ですと、非開示事項を再検討する必要があると思います。
今回の制度改正は、制度の大きな枠組みの中で対象を広げたりという訳ですが、知事もマニフェストで、県民に開かれた県政をやりたいとおっしゃってるので、その方向に沿うものであります。改正の点もいいものを盛り込んでいる。
だけど、非開示の理由を緩和しない限り、対象は広がったが非開示の範囲は広がらないという結果も出る可能性があります。典型的なものいいですけど、審査会での運用状況が分かるものがあれば知りたいです。例えば、個人情報の判断の仕方で、個人の名前があればすべて個人情報だからダメですと考えるか、特定個人のプライバシーの侵害に繋がるおそれがあるという場合にダメと考えるかによって開示の範囲は変わってきますので、そこらの運用を審査会でどのような観点でされているかが興味があります。
(事務局)
基本的に個人情報ですと個人識別情報は、既に公にされているとか、生命・健康・財産等を保護するために必要があるときや公務員の場合を除いては非開示という扱いをしております。プライバシー性があるかどうかの観点では判断しておりません。個人識別情報だけでやっておりますが、名前などのストレートなものではなく、これで識別性があるのかというような部分が争われて、そこは識別性がないと当初非開示にしていた部分を一部開示するということは何度もあります。
(竹内委員)
運用は慎重にできるだけ条例の趣旨を活かすような方向でやっているということですね。
(事務局)
はい。「他の情報と照合させることにより」というモザイクアプローチについても、他の情報がどの程度のものかというところは考慮して、開示・非開示は判断しているつもりです。審査会までいって、より細かく過去の判例等も照らし合わせて見たところ、「もう少しここは」ということも出てくることはあります。
(竹内委員)
審査会で判断された事例集は作ってますか。
(事務局)
県のホームページで、個人や法人を推測できるような記述は記号に置き換えて答申集を公開しています。裁決集というものでは載っていません。
(竹内委員)
大体、答申どおりの決定を実施機関はしていますか。
(事務局)
答申どおりにやっています。
(竹内委員)
他府県のことをよく研究されてますが、今度の条例改正によって他府県よりもちょっと良くなりますか。自信はありますか。
(事務局)
オンブズマンの情報公開度ランキングは、制度的な所にあまり重きを置いてなく、実際に自分達が開示請求した場合にどこまで開示できたかという非開示・不開示の運用の所に非常に重点が置かれています。あとは、ウェブ情報をどこまで出しているかという所が重点になっています。質問項目自体も毎年変わっていますので、自信と言われると正直あまりありません。
(竹内委員)
制度そのものとして群馬県が遅れているとは私は思いません。むしろ、前向きに取り組んでいると思います。オンブズマンの批判に耳を傾けて、運用にそれを活かすという方向でいくしかないと思います。県民の情報公開要求のニーズに応えるようにできるだけ運用していただくしかないですね。
(事務局)
はい。制度の仕組みからすれば、かなり良くなると思います。もちろん、対象文書については遅い方から追いかけていく形になりますが、そうでない実施機関の拡大やスキャナでの写しの作成など、まだあまり取組がされていないところに入っていきますのでかなり良くなるかと思いますが、ランキングはなかなか高くならない難しさはあります。
(大河原委員)
他にご意見等ありますでしょうか、なければこれで議題2については終了したいと思います。今後も、条例の適切な運用をお願いしたいと思います。
5.その他
- 次回の開催について、条例改正のパブリックコメント終了後の11月下旬を予定。
6.閉会
以上をもって議事を終了し閉会した。
資料
- 資料1 群馬県情報公開条例の一部改正について(概要)
- 資料2 群馬県情報公開条例の一部改正について
- 資料3 公文書開示等の実施状況(19年度)
- 資料4 県民意見提出制度(パブリック・コメント)の実施状況(19年度)