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個人情報保護審議会諮問事件第3号

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

1 件名

 「医務課・保健予防課・こころの健康センター及び同センター内に設置されている精神医療審査会事務局を含む保健福祉食品局職員が把握している伝聞・憶測を含む、また「病状」「症状」の請求者の具体的な個人情報」の非開示決定に対する異議申立て

2 実施機関及び担当課室所

 知事(こころの健康センター)

3 開示等決定

(1)決定年月日及び内容

 平成17年7月21日 非開示決定

(2)非開示理由

 条例第13条第4号該当

 個人に対する評価又は判断を伴う事務又は事業に関する個人情報であって、開示することにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあるとき。

4 不服申立て

(1)申立年月日 平成17年7月27日

(2)趣旨

 非開示決定の取消し及び本件対象個人情報の開示と損害賠償金等の支払いを求める。

(3)理由

 自己情報の開示請求を受けた場合は、開示をし、非開示としたことにより損害を与えた場合は賠償する義務がある。本件非開示決定は、インフォームド・コンセントの精神及び基本的人権を定める憲法に反するものである。

5 諮問年月日

 平成17年8月4日

6 審議会の判断

(1)結論

 知事の決定は、条例の解釈及び運用を誤ったものではなく、異議申立てに係る個人情報は、非開示情報に該当すると認められる。

(2)判断理由

 非開示とされた個人情報は、措置入院に関する精神保健指定医の診察や、その判断のために必要とした、申立人の生活歴や病歴等を記載したものであり、個人に対する評価又は判断を伴う事務に関する個人情報であると認められる。

 精神医療の治療行為では、患者への診療情報の開示は、医療機関と患者との信頼関係や、情報開示が患者の精神状態に与える影響といった複雑な要素を、高度に医学的、専門的な見地から判断する必要があり、特に、措置入院に関する診察内容は、本人に開示することが前提とされたものではない。患者への影響を考慮することなく当該診察等に関する情報を開示したとすれば、患者の病状に悪影響を与えたり、治療行為等の妨げとなる可能性が存在する。

 このため、開示することにより、精神障害者の医療と保護を目的とした、精神保健福祉法に基づく措置入院に関する診察など、個人に対する評価又は判断を伴う事務の適正な遂行に支障が生ずるおそれがある。

7 答申年月日

 平成18年2月15日(個審第51号)