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【tsulunosPLUS(ツルノスプラス)12月号】季節のおすすめに注目!ツルノメ
群馬の地酒の底力
豊かな自然に恵まれた群馬は隠れた地酒王国です。
近年、国内はもちろん海外での人気も高まっています。
群馬の地酒には、全国を、世界を魅了する「底力」があります。
知られざる底力を秘めた、群馬の地酒の「今」を深掘りします。
底力1 酒蔵同士の切磋琢磨で群馬の地酒がさらに進化!
群馬の地酒について
酒づくりにおいて大切なのは水。「水質の良い自然豊かな土地であることが、群馬の地酒のおいしさの基本にあります」と話すのは群馬県酒造組合会長の吉田幸雄(よしだゆきお)さん。もちろん、素材だけの力ではありません。「酒の味わい深い香味成分を作り出す酵母の開発の他、各蔵元の若い作り手が、熱心に議論を重ねながら技術の向上を図った結果、群馬の地酒の酒質が上がってきています」と続ける。全国大会での受賞が増えてきているのがその証拠です。「まずは群馬県民の皆さんに地酒を楽しんでもらいたいです。その後全国に広まっていく流れを作っていければいいですね。群馬県の皆さん、群馬の地酒で乾杯しましょう!」
若手の交流について
群馬県酒造組合・稲水倶楽部会長の吉田和宏(よしだかずひろ)さんは「県内の蔵元は、若手を中心に横のつながりが強いですね」と話す。オーナーだけでなく技術者など隔てなく有志が集う「醸衆会(じょうしゅうかい)」が結成され、かつては表に出ることはなかった各蔵独自の作り方や麹(こうじ)についてなどもオープンに意見交換する場を設け、時には他県のお酒を飲んで、研究することも。「昔ながらの味、新しい味と各蔵元は今、おいしさを極めています。群馬の地酒、ぜひ皆さんに飲んでいただきたいですね」と和宏さん。「全国で金賞を取りたい」という目標のもと、各蔵元が切磋琢磨している。
吉田幸雄さん(写真右)は群馬県の26の蔵元で構成されている酒造組合の会長。息子である和宏さんは、青年部である稲水倶楽部の会長に就任し1期目。
毎年東京で「ぐんまの地酒フェア」を開催。
オール群馬県産「舞風」が誕生
県開発の酒造好適米「舞風」、県開発の「群馬KAZE(かぜ)酵母」または「G2酵母」「群馬227酵母」、そして「群馬の水」を使用し醸造されるのが「舞風」。「今年で9年目を迎え、年々酒質は良くなっています」と酒造組合の山川明彦(やまかわあきひこ)さん。精米方法、水、そして蔵の作り方で味の違いが出るので、ぜひ飲み比べてみてください。
舞風は、毎年4月の第3金曜日に一斉発売される。今年は15の蔵元が製造した。
カンパイ!グンマ 2年連続で最優秀賞受賞
関東信越国税局酒類鑑評会で、令和元年・2年と2年連続で最優秀賞を輩出。群馬の地酒の品質向上が裏付けられた。
令和2年の関東信越国税局酒類鑑評会の表彰式。純米酒の部で牧野酒造(写真左)が最優秀賞を受賞。
県内の酒蔵 各蔵元のお酒を飲み比べてみよう!!
- (株)町田酒造店 前橋市
- 柳澤酒造(株) 前橋市
- 聖酒造(株) 渋川市
- 井田酒造(株) 玉村町
- (株)町田酒造店 玉村町
- 岡村合名会社 高崎市
- 牧野酒造(株) 高崎市
- 柴崎酒造(株) 吉岡町
- 美峰酒類(株) 高崎市
- 高井(株) 藤岡市
- 松屋酒造(株) 藤岡市
- 聖徳銘醸(株) 甘楽町
- 浅間酒造(株) 長野原町
- 貴娘酒造(株) 中之条町
- 土田酒造(株) 川場村
- 大利根酒造(有) 沼田市
- 永井酒造(株) 川場村
- (株)永井本家 沼田市
- 近藤酒造(株) みどり市
- 分福酒造(株) 館林市
- 龍神酒造(株) 館林市
- 清水屋酒造(有) 館林市
- 山川酒造(株) 千代田町
- 山崎酒造(株) 太田市
- 島岡酒造(株) 太田市
- (株)今井酒造店 太田市
ぐんまの地酒PR動画コンテスト
学生と蔵元がコラボ
群馬県は、若い世代に群馬の地酒の魅力を伝えることを目的に、20歳以上の大学生と酒蔵との連携によるPR動画コンテストを開催。県内大学から11チームが参加しました。
「永井本家の『悠(ゆう)』の動画を制作しました。おすすめの飲み方、蔵元の紹介、一気飲み防止の3部構成となっているのがポイントです。編集作業は未経験で大変でしたが、メンバーと協力して、仲間の大切さを改めて実感しました。地酒の魅力をもっと広めたいです」
高崎商科大学 3年 唐澤敦紀(からさわあつのり)さん
動画は「群馬SAKETSUGU(サケツグ)」のYouTubeチャンネルで公開中(QRコード)