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【tsulunosPLUS(ツルノスプラス)9月号】群馬名物を研究!ツルハシ
群馬の定番研究所
今回の研究対象 焼きまんじゅう
群馬では「定番」となっているアレコレを、深掘りして、あらためて研究するコーナー。
初回の研究対象は群馬県民のソウルフード「焼きまんじゅう」です!
ルーツは酒まんじゅう!?
群馬名物の代表格といえば「焼きまんじゅう」。誰もが知る定番を深掘りするにあたり、県立歴史博物館の元職員で“群馬の粉もの文化”に詳しい横田雅博(よこたまさひろ)さんに話を聞きました。
横田さんによれば、焼きまんじゅうのルーツは酒まんじゅうにあるそうです。「酒まんじゅうは中国から伝わり、関西、江戸を経て群馬にも入ってきました。酒まんじゅうは冷めると固くなります。そのため農村ではこれを焼いて温めて、みそをつけて食べていました。これが焼きまんじゅうのルーツではないかと考えます」。
でも、酒まんじゅうはあん入りが一般的。なぜ「あんなし」が生まれたのでしょうか?
酒まんじゅう
「すまんじゅう」の本当の意味
「もともと農村には、あんが入っていない焼き餅があり、この影響で、あんなしの酒まんじゅうが生まれたようです」と横田さん。さらに驚きの調査結果と仮説を教えてくれました。
「実は、かつて群馬県央部では酒まんじゅうを『すまんじゅう』と呼んでいました。この名残りで、焼く前の焼きまんじゅうを『すまんじゅう』と呼ぶようになったと考えられます」。
幕末に商品化され串刺しに
現在のような形で、商品化されたのは江戸末期。今も続く老舗の誕生や祭りの屋台での提供にともない、串刺しや、あん入りも生まれ、いつしか県民のソウルフードになっていったのです。
「ググっとぐんま写真館」から転載
研究結果
焼きまんじゅうのルーツは酒まんじゅう。
幕末に商品化され、串刺し、あん入りが生まれた。
参考図書:「おきりこみと焼き饅頭―群馬の粉もの文化―」(横田雅博)
※諸説あります。
写真提供:高崎市観光協会