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特集「高齢者の交通安全 ~事故に遭わない、起こさない~」 3
高齢者の不安解消のために
自動車の運転に不安がある人などからの相談に応じている、県警察本部運転適性相談室の森田上席に伺いました。
森田 淳(もりた じゅん)さん
増えている相談
「当室では、脳梗塞などの病気による後遺症や認知症、加齢に伴う身体機能の低下などにより、自動車の運転に不安がある人やその家族からの相談を受け付けています。最近では、75歳以上の人が運転免許の更新時に受検する認知機能検査で、記憶力・判断力が低くなっていると判定された人からの相談が多くなっています。
記憶力・判断力が低くなっていると判定され、免許の更新を希望する場合は、再度認知機能検査を受けることもできますが、早期に医師の診断を受けることを勧めています」
加害者にならないために
「高齢になると身体機能が衰え始めます。70歳以上の人が受講する高齢者講習では動体視力検査の他、実技講習もあり、運転の基本操作を改めて確認することができます。自分の心身の状態をよく理解し、運転を見つめ直す機会にしてほしいです。
免許の更新時期を迎えたことをきっかけに、免許証の返納を考えたり、家族に勧められたりする人もいると思います。免許証を返納する際には、今後の生活の中での移動手段をどうするかなど、具体的な生活方法を家族の方とよく話し合ってほしいです。また家族の方は、返納した人の生活に不便を生じさせないように、寄り添い協力してほしいです。
11月22日からは、全国統一番号『♯(シャープ)8080』での電話相談が始まりました。事故の加害者にならないためにも、不安に思うことがあれば遠慮なく相談してください」
運転適性相談室
相談日・時間
月曜日~金曜日 午前8時30分~午後5時15分
※来所による相談は4時まで
所在地
県総合交通センター(前橋市元総社町80の4)
費用
無料
相談方法
電話または直接
※来所の際は事前にご連絡ください
相談・問い合わせ先
#(シャープ)8080
電話 027-252-5329
運転時認知障害早期発見チェックリスト15
認知症の早期発見のきっかけとなる、車の運転時に現れやすい状態のチェックリストです。3項目以上チェックが入る人は、認知機能の障害を念頭に専門機関で診てもらうなどの目安として活用しましょう。
- 車のキーや免許証などを探し回ることがある
- 道路標識の意味が思い出せないことがある
- スーパーなどの駐車場で自分の車を停めた位置が分からなくなることがある
- よく通る道なのに曲がる場所を間違えることがある
- 車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある
- アクセルとブレーキを間違えることがある
- 曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
- 反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
- 右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった
- 車間距離を一定に保つことが苦手になった
- 合流が怖く(苦手に)なった
- 駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を停めることが難しくなった
- 交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった
- 運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる
- 同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった
【提供】特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会
【監修】日本認知症予防学会理事長 浦上克哉
このチェックリストは「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」から抜粋しています。「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」は特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会ホームページ<外部リンク>からご覧ください
高齢者の運転免許証の更新がスムーズに!
今までは
70歳以上の人が運転免許証を更新するには、更新の前に高齢者講習などを受講しなければなりませんが、予約が取りづらい状況でした
来年から
県警察があらかじめ講習の日時や場所を指定した通知書を送付します。これにより予約を取る負担の軽減と講習などの待ち時間の短縮が期待できます
問い合わせ先
県警察本部運転管理課
電話 027-253-7573
運転免許証の自主返納を支援します!
運転免許証の自主返納手続きは、県総合交通センターや住所地を管轄する警察署・交通安全協会で受け付けており、運転経歴証明書の交付も申請できます。
運転経歴証明書とは?
運転免許証と同様に身分証明書として使うことができます。運転免許証を自主返納した人だけでなく、失効した人も申請により交付を受けることができます。
問い合わせ先
県警察本部運転免許課
電話 027-253-9300
運転免許証自主返納者へのサポート
運転経歴証明書を提示することなどで、運転免許証自主返納者へのサポートを実施している市町村や企業などから、さまざまな支援を受けることができます。詳しくはお問い合わせください。
(例)・バス、タクシー券の交付 ・中小私鉄運賃の割引 など
問い合わせ先
県庁道路管理課
電話 027-226-3600
特集全体の問い合わせ先
県庁道路管理課
電話 027-226-3600