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令和元年度 第1回群馬県観光審議会結果概要
更新日:2019年10月16日
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日時:令和元年9月11日(水曜日)15時00分~17時00分
会場:群馬県庁7階 審議会室
1 開会
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2 主催者挨拶
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3 自己紹介
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4 会長、副会長選出
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5 議事
- 報告事項
事務局説明 略 - 審議
6 意見交換
(会長)
観光振興の目指すべき姿や、今後策定される観光振興計画の方向性について、どうか
【A委員】
- インバウンドは国も重要視しているマーケットであり、インバウンドの戦略をどう描いていくかが重要である。
- 群馬県の外国人宿泊者を国別で見ると、台湾に偏っていることが印象的である。最近では、韓国からの旅行者減により、国別で約半分を韓国が占めている福岡県や、九州全般に影響が出ている。例えば中国は北京オリンピックに向けてスキー人口を増やす戦略があるので、県内のスキー場の活性化を考えるなど、台湾に頼らない戦略を描くのは重要ではないか。
【B委員】
- 観光振興計画策定にあたってはインバウンドは外せないと考える。全国的に見ても、ゴールデンルートからどんどん地方に流れてきており、群馬県はこれからのポテンシャルが高いと考えている。
- 現在、消費額や滞在日数の多さから、ターゲットを欧米豪にシフトしていこうという動きがある。群馬県の自然コンテンツや文化・歴史コンテンツは、欧米豪のターゲットに非常に刺さりやすいと感じるので、今後の観光振興計画では欧米豪は一つのキーワードになるのではないか。ただ、欧米豪といってもかなり広く、国によって趣向も違うので、欧米豪のなかでもターゲットを絞りこんでプロモーションをしていかなければいけない。
【C委員】
- インバウンドについては、温泉地だけでみても、差があると感じる。草津温泉は海外の方は多いが、伊香保温泉はそこまで、という話を聞く。四万温泉は、これから増えていくという状況であり、それぞれの旅館が、受け入れるためにはどうするかを勉強している。ターゲットについては、何度も日本に来ている方が違った所に行こう、と四万温泉を選ぶというのが増えてきたところだと思う。滞在日数を長く過ごしてもらえるよう、色々な提案をこれからやっていきたい。
- 受入環境整備については、地域や温泉地には、千客万来支援事業などで県から補助があるように思えるが、一施設、一事業所で考えたときに、どこまで手を差し伸べてもらえるのか興味がある。
【D委員】
- 達磨組合としては、群馬県の観光に協力させてもらい、インバウンドのお客さまへのお土産となるような良い商品を開発したいと考えている。
- 達磨は、特に中国や台湾など、漢字が分かる国の方には、好評である。
【E委員】
- 非常にユニークな素材がたくさんあることを、外国人の方も含めて皆さんにお知らせしていくことが大事である。本番DCに向け、プレDCでやってみて評判が良かったものを準備してきいきたい。
- ダムや廃線、また、富岡製糸場などを、少し勉強すれば面白い、等という味付けができれば良いと思う。例えば、深谷市出身の渋沢栄一は絹産業への貢献が高く、群馬県と埼玉県の境目には面白い所があるので、県を越えた取組をしており、周辺自治体との連携を、私どもが間に入って、一緒に盛り上げていければと思っている。
- 我々がやっていることが、外の人から見て新鮮な部分、面白い部分があるはずなので、そういったものをDCだけでなく、DC後も引き続きやっていければ良いと思う。
【F委員】
- 群馬県温泉協会では、日本温泉協会の総会で温泉を無形文化遺産に登録する運動について発信し、賛同を得た。
- 群馬にはたくさんの温泉があるので、まずは群馬から手を挙げ、それから日本全国に3,000カ所以上ある温泉の中で、将来世界として残すべき温泉の姿を訴えていく形になれば良いと考えている。
- 知事に先頭に立ってもらって、群馬から発信出来るよう、素材集めをしていきたいと考えている。
【C委員】
- 群馬県にはたくさんの温泉があるが、日本人は、九州の辺りが温泉地がいっぱいあるというイメージを持っていたり、また、大分県が「おんせん県」でアピールするなど、群馬県は遅れを取っているように感じる。ただ、県薬務課で、温泉アドバイザーという資格をやっているが、他の自治体で温泉に関する資格を出しているところが無いというのは、群馬県の自慢だと思う。観光も関わって、皆が群馬の温泉について伝えられるような勉強会があれば、群馬県の観光のなかで、温泉というキーワードがもっと生きてくると思う。
【G委員】
- 富岡では、磯部温泉経由のお客さまが多く見られ、富岡と磯部は繋がっているのかなと思う。
【H委員】
- 物産振興も観光の魅力作りに入ってくると思う。商品が広がっていくと、その商品がどこから来ているのかを見に行きたくなるという話を聞いた。例えば、桐生の物産品が色々な所で見えていくことで、これを作っている群馬はどんな所なのか、どんな人なのか、一回行ってみたい、となる。SNSや多言語での情報発信と合わせて、商品と一緒にストーリーも伝えていきながら、受入側でも、県内の様々な所で生産現場が見えるようになれば面白いと思う。何回も来たくなる、会いたくなる群馬になっていくと、地域の人にとってもウェルカムな風土を作っていけるのではないか。
- 体験コンテンツの予約がしづらい状況があり、また、現地での移動手段などについても、丁寧な情報開示を現場側からもしていく必要があると感じる。
【I委員】
- 年々外国からの観光客が増えているが、資料を見ると、困ったこととして、施設のスタッフとのコミュニケーションが取れないことや、多言語表示の少なさが挙がっている。これらについて、どのような対策をしていくのか。
(観光物産課長)
- 受入体制整備については、千客万来支援事業などを活用していただいて支援していく。
- 個々の旅館や施設の話を聞きながら取り組みの紹介をしたり、市町村には国の補助金などの紹介をしているところ。
- 色々な取組をしていかなければならないので、取捨選択をしながら、地域・市町村の状況を聞いて、どのようなところに気をつけていくべきか、調査しながら進めて行きたい。
(会長)
今後計画を策定するにあたって、どのようなことが大切なのか、盛り込むべき視点、また、これまでの策定方法への疑問などについて、どうか。
【A委員】
- 県域DMOは難しい立ち位置にあるので、県域DMOと地域DMOとの役割分担を明確にするという視点は入れた方がよい。
- KPIに関しては、観光消費は入込客数よりも重要視していくべき。お金を使わない人をたくさん呼んでも疲弊してしまうので、お金を使って頂ける方にターゲットを絞ることや、お金を使いたくなる観光資源作りを意識してやっていくことが重要である。
- 特産品にストーリーがあって、そのストーリーを見てその地域に来たいという流れがあるという意見があったが、石川県では、人間国宝の方と夕食を共にし、一泊二日旅をするという商品を10万円位で販売しており、すぐ完売になる。例えば達磨を作っている方とご飯を食べて、工場見学をするというような商品はとても面白いのではないか。
- 外国人観光客の受入環境整備よりも、まずは誘客が重要ではないか。日本全国取り合いになっている中で、受入体制整備が進まないと誘客しないのでは、競争に負けてしまう。同時にはやるものの、誘客に傾斜をつけて戦略を立てるべきではないか。
- 観光消費額を高めるために、観光素材のブラッシュアップをどんどんしていくべき。この中から、インバウンドに響くコンテンツを取捨選択し、スター事業のようなものを作るのが重要ではないか。
- 国の示す方向性も踏まえて戦略を策定していくのも大事である。
【B委員】
- KPIについては、数より質という観点で、観光消費額は非常に重要であり、高めにウェイトを置いた方が良い。
- 広域観光の視点は入れて頂きたい。旅行者は県境や市町村境は関係無く動く。北関東3県の周遊を高め、モデルルートを示すことで、お客さまに価値を提供していくというような観点を計画に盛り込んで頂きたい。
【C委員】
- 今後、知事が、地域をどのようにブランディングするかについて、方向性が示され、それに対応していくと思うので、観光局だけでなく、全県あげて、知事の思いに向かって行くのが一番良いのではないか。
- 観光以外の所属や県民が、同じ温度で考えていけるような施策をお願いしたい。ぐんまウェルカムサポーターズは、まだ知らない方もおり、同じ県内でも温度差があるように感じるので、温度を同じにしていただきたい。
【H委員】
- 地域の住民として、観光をどう見ていくかは非常に重要と感じる。1店1店の店主が、どうお客さまに対応していくかは大事だが、外国人が来るようになったら、やるようになるのだと思う。時間もお金も無い中で、居ない人のために指差しのメニューを作ろう、とはならない。「最近外国人が多い」と見えるようになってくると、一人一人の意識も変わってくるのだと思う。
- 群馬県のHPや観光のHPは、市民レベルだとあまり見ないので、例えば若い人であればSNSなどで、必然的に色々な情報が入ってきて、来た人に紹介できるようになると良いと思う。
- 東部地域は、東武鉄道で来る人も多い。県内には鉄道路線も色々あるので、公共交通機関を上手く楽しく使って、県内を色々回れるようなものも良いのでは。県民でも乗ったことのない鉄道もあるので、まずは自分たち一人一人が知り、案内できるようになると良いと思う。
【E委員】
- 県内の鉄道会社5社間は連携しており、世界遺産ワンデーパスも発行している。外国人の方は公共交通機関を使う人が多いので、そういったものをPRしていきたい。
- 鉄道だけではなく、バス会社と一緒にできないかを検討している。バス路線で、様々な所に行けることを、事前に外国人の方にお知らせが出来れば良いと感じている。
- 交通事業者として、色々な素材に向けて、移動をしっかり出来るようにどうするかを考えていきたい。我々としては、振興計画には、MaaSの視点、「移動のスムーズさ」といった文言を是非入れて頂きたい。また、県から、交通事業者に向け言ってもらえると、全体がまとまりやすくなると思う。
【副会長】
- 外せないのはインバウンド、デジタル関係である。
- 国の動きを見ながらいかに消費額をあげるかが大切。
- 温泉を無形文化遺産にというのは、キャッチーで、分かりやすく、県内外にもPRできる。
- 県の計画やパンフレットは、あれもこれも平等に、になってしまうと思うが、次期計画は、少し大胆に、「これだけは負けない」というものが出てくると良いのではないかと感じた。
(観光局長)
- 田辺委員の意見を聞き、インバウンドに関しての誘客活動と受入環境整備のバランス感覚は大事で、新計画を策定する際には意識する必要があると感じた。
- 次期計画は、より県民目線で、例えば子ども達に郷土に誇りを持ってもらうのに役立つような計画とすべきと感じた。
(会長)
委員からの事前意見についての説明を、事務局からお願いしたい。
【E委員事前意見】
- 千客万来支援事業補助金の補助メニュー観光客周遊化施策について弊社にとって駅からの交通事業者との連携は急務と認識しているが、記載されている「バス運行事業等を支援」とは具体的にどのようなものになるのか。
(観光物産課長)
- 公共交通機関を利用する観光客の利便性を高めるため、県内鉄道駅等からの二次交通対策等として実施するバス運行事業等に補助を行っている。
- 具体的には今年度、みなかみ町観光協会の水上駅を通り谷川温泉や道の駅水紀行館等を周遊するシャトルバス「わくわく号」や、安中市の横川駅から熊ノ平間のシャトルバスの運行などを補助している。
- 山と歴史のぐんま観光事業における「宿泊と周遊の促進で「稼げる」地域を創出」について群馬DCを見据え、「稜線トレイル」と鉄道アクセスの利便性向上は必要であると考えるが、具体的な「稼げる」プランの内容はどのようなものになるのか。
(観光物産課長)
- 昨年全線開通したぐんま県境稜線トレイルという観光資源を生かし、様々な方に群馬の山を楽しんで頂きたいという思いのなかで、周辺の温泉地への宿泊や周辺観光地の周遊を図り、観光消費額の増加につなげていきたいと考えている。
- 具体的な稼げるプランについては、色々な周辺の素材を、旅行エージェント等に情報発信をし、旅行商品に結びつけてもらったり、また、情報発信により個々人の方に来て頂き、宿泊・周遊してもらう等があるが、山自体を一つの素材として生かしていきたいと考えている。
【C委員事前意見】
- 今目の前に迫り、強く取り組んでいただきたいのは2020年の群馬DCである。昨年春の決定から、地域では新たな素材の掘り起し、磨き上げをしており、県観光局を中心に広報、誘客活動が盛んになっているが、受け入れる県民一人一人の意識は、まだまだ薄いと感じる。観光に関わるところは、おもてなしバッジもつけてお客さまとの会話のツールにしているが、全県民が友人を迎えるような気持ちで、DCを意識していただけるよう、県民の意識を高める施策を強化していただきたいが、受入体制整備の進み具合を教えて欲しい。
(DC推進室長)
- 今回DCにおいては、宿泊施設をはじめ、観光事業者の皆さんや市町村、観光協会の方々には早くから協力体制を取っていただき、準備を進めることができている。
- 観光に直接関係の無い県民の方や事業者の方に、DCをもっと意識してもらい、関わってもらうことが大切と考えるので、取組をさらに強化していきたい。例えば、事業者の方に協力いただいて、DCをもっと県民の方々の目に触れるようにしていきたい。また、ぐんまウェルカムサポーターズについては、登録していただいた方に、イベント情報などを発信し、拡散について御協力いただこうと考えている。
【C委員事前意見】
- fun-gunmaのぐんまインバウンドメールマガジンは、活用している。事業のフィードバックがあるので、やりがいも感じるので、是非続けていただき、多くの方々に知っていただきたいと思う。また、観光局施策概要を読み、各係ひとつひとつの取り組みはとても良く考えられ、実行されていると感じる。実際に、地域でも、一事業所としても参加し活用している。是非メルマガで情報発信していただき、広く周知していただきたいと思うが、そのような取り組みはあるのか。
(観光物産課長)
- インバウンドメールマガジンについては、一方通行の発信にならないように心掛けており、毎月様々な情報を発信したいと考えている。
- 県で行っている取組をまだまだ伝えられていないと感じるので、できるだけ多くの皆さんに周知していきたいと考えている。
(観光局長)
- 局内の各係が実施している事業を、一元的に伝えられていないので、一般県民の方や事業者の方が、県の観光局が何をやっているのか分かるような、幅の広い情報発信方法を検討していきたい。
【C委員】
- fun-gunmaのメールマガジンは、群馬全体のメールマガジンなのか、インバウンドについてのメールマガジンなのか、今ひとつ分からなかったので、今回質問させてもらった。
【J委員事前意見】
- 資料を拝見し、外国人観光客がバス利用と、無料Wi-Fiの無い場所で苦労していることがよく分かった。私たちが海外旅行で苦労しているのと全く同様である。
- すでに欧米人やアジア圏からのリピーターが、思い思いに地方各地に散らばって観光をしており、群馬県としては県域全体での言語バリアフリー化を進める必要がある。しかし、地方部での無料Wi-Fiの導入は不可能である以上、アナログ対応も重視すべきと考える。
- 対応方策として、鉄道駅から出た時に探す1.方面別バス乗り場の位置看板、2.各バス停の行先表示、3.バス本体への路線番号の表示、4.各バス停名称のナンバリング化、5.バスを降りた場所からの案内看板(観光マップ)、誘導看板について、「すべての多言語化」を来年度事業ではぜひ検討して欲しい。
- 横浜市や神戸市などの観光先進自治体ではすでに取り組み、表示手法等のノウハウ等を蓄積しているはずなので、参考としつつより良いものを普及させて欲しい。群馬県の各地を訪れる外国人観光客の評価を向上させるよう、検討をお願いしたい。
(観光物産課長)
- 群馬に来る外国人旅行者の大方が鉄道を利用しているなかで、そこからスムーズな案内ができるかが大きな課題と考えている。MaaSや、自動運転などの様々な仕組みがあるなかで、今対応しなければならないことについて、連携しながら取組を進めていきたい。先進自治体の取組も参考にしながら、まずは来年のDCに向けて取り組んでいきたい。