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群馬県森林・林業基本計画(素案)に関する意見の募集結果について
更新日:2021年2月18日
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県では、群馬県森林・林業基本計画について素案を作成し、令和2年12月18日から令和3年1月18日までの1カ月間(32日間)、郵便、ファクシミリ、電子メール、持参により、広く県民の皆様から意見の募集を行いました。
このたび、寄せられましたご意見(延べ12件)及びそれに対する県の考え方を下記のとおり取りまとめましたので、公表いたします。
なお、寄せられましたご意見につきましては、取りまとめの便宜上、案件ごとに適宜集約させていただいております。
今回、ご意見をお寄せいただきました方々のご協力に厚く御礼申し上げるとともに、今後とも、県行政の推進にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
政策等の題名及び公布(予定)日
群馬県森林・林業基本計画 令和3年3月(予定)
意見の提出数
合計 5通
(ファクシミリ 1通、電子メール 4通)
(意見の延べ総数 12件)
意見の採択により改正した箇所の有・無(有の場合はその概要)
有
(所有者追跡困難森林への対応に関する文言を追加)
提出された意見の概要及び意見に対する考え方
整理番号 | 素案のページ | ご意見 | 県の考え方 |
---|---|---|---|
1 | 8ページ | (2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」) 2050年に向けた5つのゼロ宣言は、持続可能な社会の構築や県民の幸福度向上のためには、すばらしい宣言であると評価したいが、本当に実現できるのか疑問である。ただの目標かけ声だけで終わらない様、具体的施策を出し早急に対応すべきである。 |
本計画では、「ぐんま5つのゼロ宣言」のうち、4つの宣言(宣言1「自然災害による死者ゼロ」、宣言2「温室効果ガス排出量ゼロ」、宣言3「災害時の停電ゼロ」、宣言4「プラスティックごみゼロ」)の実現に貢献する様々な施策を実施していくこととしています。 |
2 | 9ページ | (森林に対する県民の期待) アンケートによると、生産機能や自然とのふれあい、環境教育の場としての機能への期待が低い。森林や林業、木材産業が県民生活から遠い存在となっている意識を改革するため、発信、PRしていくことを真剣に考えるべきである。山が多い群馬は林業の発展の優先度を上げるべきである。 |
林業や木材産業への県民理解が低いことは課題と考えています。 ぐんま緑の県民基金事業において、森林の役割や大切さなどについての普及啓発活動を行っていますが、引き続き、PR等に取り組んでいきます。 |
3 | 20ページ | (将来ビジョンの実現に向けた方向性 方向性4) 森林土木事業の必要性と山村地域の生活・経済の担い手である地域の建設業の継続の必要性から、森林土木事業の継続的・安定的な予算の確保を是非お願いする。 |
治山事業については、森林を強靱化し、「ぐんま5つのゼロ宣言」の宣言1の「自然災害による死者ゼロ」の達成に、また、林道事業については、林業の自立に必要であることから、優先順位を付け計画的に実施したいと考えています。各事業の予算については、毎年度、予算編成過程で検討します。 |
4 | 20ページ | (将来ビジョンの実現に向けた方向性 方向性4) 2021年から先の林野公共事業の総額、また治山事業費、林道事業費はどの程度を見込まれるのか。 |
各事業の予算については、毎年度、予算編成過程で検討します。 |
5 | 47ページ | (森林経営管理制度の円滑な運用) 今後益々、民有林所有者の死去、その後の相続拒否等が多数発生し、所有者の追跡困難化が多数発生すると見込まれる。 そこで県当局として、簡易な手続きにより、所有者追跡困難な森林の整備が可能となるような、あらゆる手段を確立しておくべきと思う。 |
所有者追跡困難な森林については、市町村が運用する森林経営管理制度において対応できる場合がありますので、ご意見を踏まえ、その旨追記します。 |
6 | 56ページ | (エネルギーの「地産地消」事業の展開) 木質バイオマス発電所を増やし、森林資源を有効活用し、地域経済を活性化すべきである。地産地消の取組を推進する。国も再生可能エネルギーの割合を原発エネルギーに代わり増やすといっているので、おおいに木質バイオマス事業を増やすべきである。 |
木質バイオマス利用は、「ぐんま5つのゼロ宣言」の宣言2の「温室効果ガス排出量ゼロ」や宣言3の「災害時の停電ゼロ」の達成に必要であることから、地域の森林資源をバイオマス発電所等の燃料として地域内で利用する「地産地消」の取組を推進していきます。 |
7 | 57ページ | (新たな森林資源利用 数値目標) 地域における木質バイオマスエネルギー活用に取り組む市町村数の目標値は15ぐらいの目標をもつべきである。また燃料用チップ、ペレット生産量も250千立方メートル/年ぐらいに上げるべきである。目標は大きくしてほしい。 |
地域における木質バイオマスエネルギー活用に取り組む市町村数は、現状の2倍を目標としています。 燃料用チップ、ペレットは、曲りや欠点のある低質材を原料としています。この低質材は、製材用として使われるA材・B材と一緒に生産されるため、燃料用チップ、ペレット生産量はA材・B材の需要に合わせて、目標設定しています。 |
8 | 60ページ | (「森林ビジネス」の創出(休養林としての森林)) 森林に「路網密度を高めた、壊れない林道(欧州式屋根型林道)」の形成により、恒続的に材木搬出ができ、林道により、森林空間は、人が憩い・健康づくり活動の場となり、保養客など宿泊施設等に長期滞在が見込まれ、保養の場として捉えることもできる。 |
ご意見を参考に様々な視点から森林の新たな価値を創出する取組を進めます。 |
9 | 60ページ | (「森林ビジネス」の創出(木材生産としての森林)) 欧州式屋根型林道の形成により、大型機械が入りやすくなり、森林施業の低コスト化も図ることができ、作業道が土場となり、そのまま、材木を搬出する。麓に製材所を作ることにより、材木の輸送コストを抑え、ITなど活用し、需要のある付加価値の高い材を生産する。 |
林道などの基盤整備については、森林施業の低コスト化を図るために、重要な施策であると考えています。 ICTなどの活用につきましては、37ページの「ウ 具体的施策≪重点取組≫木材流通・加工構造の改革」において、木材流通コスト削減のためにICTを活用した木材需給マッチングシステムを構築していくことを記載しています。 |
10 | 60ページ | (森林環境教育の推進) 森林を活用するための多彩な取り組みを支援するための専門的集団を組織(実際に森林で作業する方が、森林官として森林を守り、活用すべく人材として学べる機関、専門学校ないし親方制度(現場で学び資格をとる))などを作る。 今、林業を担う方で、手本となる林業家さん等を講師とする。 市民を対象に、森林のことを多面的に学べる場所を作る。 |
森林環境教育の指導者「緑のインタープリター」の活動や県立森林公園等の活用を通して、「森林の学び」を一層推進します。 |
11 | 61ページ | (県民参加の森づくり推進) 高度な木材生産の場として、市民が身近で憩うことができ健康保全の場としての森林育成を目標とする。 市民参加の森づくりの場を形成・組織する。(簡易作業小屋・簡易トイレなど貸出) 近年、シカ・イノシシの害が多発する中、街と森林の境界を区別するためのゾーンの下草刈りなども、市民レベルで手伝う。 |
木材生産や保健休養などの森林の多面的機能が十分発揮されるとともに、獣害の発生を減少していくため、市民等によるボランティア活動や企業との連携など「県民参加の森づくり」を推進します。 |
12 | 68ページ | (新たな森林管理手法の構築) 台風等、土砂災害の軽減を図るためにも、施業体系を今までの一斉皆伐式ではなく、天然下種更新を基調とした多様な樹木を育て、常に樹木がある、恒続的な間伐方式とする。これに付随する見本林を作り、普及指導、研究をする。 次の世代に大切な森林を引き継ぐためにも、森林土壌を守り・育む施業体系でなければならない。 |
本計画では、森林の特性や地理的条件に応じたゾーニングや新たな林業システムを導入します。緩傾斜地は皆伐・再造林を推進し、奥山等の急傾斜地は強度間伐・天然更新により天然林化を図るほか、斜面地であっても、利用間伐が可能な森林では、長伐期林業による針広混交林化を推進するなど、ゾーニングに応じた施業方法を研究・普及し、持続可能な林業経営と森林の適切な保全の両立を図っていきたいと考えています。 |