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群馬県行政改革大綱(平成29~令和元年度)
行政の執行方法などを着実に改革し、環境の変化に柔軟に対応できる効率的で機能的な行政体制を確立するため、今後の行政改革の基本方針及び方針に沿った取組を推進するための行動計画として、それぞれ「群馬県行政改革大綱」及び「同実施計画」を平成29年3月に策定し、取組を推進しています。
なお、実施計画の取組期間については、次期大綱(群馬県行財政改革大綱(令和2~6年度))の取組との間に空白期間を設けないよう、当初の計画から1年延長しています。
群馬県行政改革大綱(平成29~令和元年度)実施計画の評価について
1 総合評価
推進期間4年間(平成29~令和2年度)における30の「取組事項」ごとの成果度合い
- 30項目の取組事項のうち29項目(全体の96.7%)で成果を出すことができ、そのうち、目標以上の成果(大きな成果)となった項目は17項目(全体の56.7%)でした。
- 一方で、実施のみとなった項目が1項目あり、具体的工程(作業内容)を見直すなど、課題を踏まえた取組を行います。
区分 | 評価 |
---|---|
大きな成果あり(A) | 17項目 |
成果あり(B) | 12項目 |
実施(C) | 1項目 |
未実施(D) | 0 |
計 | 30項目 |
数値目標等達成率(A) 56.7%=17項目/30項目
計画実施率(A+B) 96.7%=29項目/30項目
2 実施結果評価
60の「具体的な取組」ごとの取組目標に対する実績度合い
※令和2年度は実施計画を延長した期間にあたるため、41項目のみ取組を行っています。
- 41の「具体的な取組」のうち、19項目(全体の46.3%)において、取組目標を達成しました。また、18項目については取組目標の達成には至らなかったものの具体的工程に掲げる作業内容の50%以上を実施しました。これらを合わせた計画実施率は90.2%となりました。
- 一方、作業内容が計画の50%未満となった「取組あり(C)」が2項目ありました。この取組については、具体的工程(作業内容)を見直すなど、課題を踏まえた取組を行います。
- なお、計画策定時からの事情変化により取組の見直しを行ったため、「未着手(D)」となった項目が2つありました。この項目については、計画時とは別の形で取組を行い、取組事項における成果を上げています。
区分 | 評価 | |||
---|---|---|---|---|
令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 | 平成29年度 | |
達成(A) | 19項目 | 30項目 | 33項目 | 38項目 |
実施(B) | 18項目 | 25項目 | 24項目 | 21項目 |
取組あり(C) | 2項目 | 5項目 | 3項目 | 1項目 |
未着手(D) | 2項目 | 0 | 0 | 0 |
計 | 41項目 | 60項目 | 60項目 | 60項目 |
数値目標等達成率(A) 46.3%=19項目/41項目
計画実施率(A+B) 90.2%=37項目/41項目
3 成果評価
30の「取組事項」ごとの成果度合い
※令和2年度は実施計画を延長した期間にあたるため、25項目のみ成果評価を行っています。
- 23の「取組事項」(全体の92.0%)において計画に掲げる成果が一定程度ありました。そのうち、14項目(全体の56.0%)で、取組事項として掲げた内容を上回る成果がありました。
区分 | 評価 | |||
---|---|---|---|---|
令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 | 平成29年度 | |
大きな成果あり(A) | 14項目 | 14項目 | 15項目 | 15項目 |
成果あり(B) | 9項目 | 16項目 | 15項目 | 15項目 |
実施(C) | 2項目 | 0 | 0 | 0 |
未実施(D) | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 25項目 | 30項目 | 30項目 | 30項目 |
計画を上回る成果(A) 56.0%=14項目/25項目
一定の成果(A+B) 92.0%=23項目/25項目
4 評価一覧
群馬県行政改革大綱~群馬の未来創生を支える県政改革の推進~
1.大綱の目的
「第15次群馬県総合計画」に基づく諸施策を着実に推進し、人口減少と少子化・高齢化が進む社会において群馬の未来を創生していくため、今後も行政改革を進めて、厳しい財政状況を克服しつつ、県民ニーズを敏感に感じとり、新たな行政施策にしっかりと対応できる体制をつくる。
2.3つの目標に基づく改革
前大綱(群馬県行政改革大綱~改革意識の浸透と実践~(推進期間 平成26~28年度))では、3つの目標(県民目線の県政の実施、「仕事の仕方」の改革、健全な財政運営の維持)を掲げて改革を進めてきた。
3年間の取組の結果、ぐんまふるさと納税へのクレジット納付導入や電力入札による調達経費の削減、県庁情報システムの集約化、保有総量の縮減に向けた公共施設の集約など、多くの取組が進んだ。
一方で、県民が県政を身近に感じられるようにするために、今後も県民目線や現場主義の視点を常に意識していくとともに、厳しい財政状況下においても、引き続き時代や環境の変化に合わせた質の高い公共サービスを効率的・効果的に提供するには、情報通信技術や民間活力・ノウハウの活用など仕事の仕方の改革をさらに進めることが必要である。
また、時代や環境の変化で生じる新たな政策課題に的確に対応できるよう、財政運営の健全性を維持していくことも必要である。
こうしたことから、前大綱が掲げていた3つの目標を継承し、環境の変化に合わせて取組を見直しつつ、10の具体的な改革を進める。
目標1 県民目線に立った県政の推進
県政の推進に当たっては、主役である県民の目線に立つことが不可欠である。
県民参加の前提となる県政情報について引き続き提供内容と発信手段の充実を図るとともに、今後も県民との意思疎通を重視していく。
また、地方の発意に根ざした新たな取組を推進するために導入された国への提案募集制度による地方分権改革を進め、地方分権改革の成果を活かした行政運営を行うとともに、社会保障・税番号制度の活用による行政手続の簡素化を進めるなど、県民の視点に立った県政を引き続き推進する。
改革1 情報提供内容・情報発信手段の充実
県民目線の県政を推進していく上では、県政に対する県民の関心を高め、参加を促進していくことが重要である。
その前提として、県ホームページのユニバーサルデザイン化など多様な手段によるきめ細かい情報発信に関する取組を進めてきた。これに加えて、県政情報の提供内容の充実、情報を入手しやすい環境の整備などを通じて、県政に関する県民との情報の共有を一層進める。
【具体的な取組内容】
- オープンデータ化の推進など県政情報の提供内容の充実
- 提供・発信手段の充実
改革2 県民意見の反映手段の充実
県民意見の反映手段として、審議会などへの公募委員・女性委員の登用を引き続き促進するとともに、県民アンケートなどその他の手段を含めて、それぞれの特長や性質を活かした取組を実施することにより、県民意見の更なる効果的な反映を図る。
【具体的な取組内容】
- 多様な手段による積極的な県民意見の聴取
- 審議会などへの公募委員・女性委員の登用の促進
改革3 行政手続における利便性の向上
行政手続においても情報通信技術の進歩といった社会環境の変化に適切に対応していく必要がある。こうした観点から、社会保障・税番号制度の活用により添付書類を省略するなど行政手続の簡素化を進めるとともに、県の窓口等に出向くことなく行うことができる行政手続をさらに増やすなど、県民にとってより便利な環境を整備する。
【具体的な取組内容】
- 行政手続の簡素化
- 行政手続の手段の多様化
改革4 地方分権改革と自治体間連携の推進
地方の発意に根ざした新たな取組を推進するために導入された国への提案募集制度による地方分権改革を進めるなど、本県の実情に即した行政運営に取り組み、住民サービスの向上に結びつけていく。
また、引き続き、対話と協調を基本とした市町村との連携を進めるとともに、広域的な課題へ対応するため、近隣都県との連携を図り、地域における最適な行政サービスの提供体制の構築に取り組む。
【具体的な取組内容】
- 地方分権改革の成果を活用した主体的な政策推進
- 市町村との連携の推進
- 近隣都県等との連携の推進
目標2 「仕事の仕方」の改革
限られた人員・財源の中で新たな課題に対応していくためには、従来と同じ方法で漫然と仕事をしていただけでは、いずれ限界が生じ、サービスの提供に支障を来しかねない。
実施方法の工夫によるさらなる事務改善や情報通信技術の活用による効率的な行政運営を進めるほか、サテライトオフィス形式でのテレワークの試行導入による職員が働きやすい職場づくり、民間との連携・民間ノウハウの活用によるサービスの質の向上など「仕事の仕方」の改革に取り組む。
また、人事評価制度の運用や研修を通じて職員の人材育成や組織マネジメントの向上を図るとともに、時代や環境の変化に応じた組織体制の整備に取り組む。
改革5 事務改善と適正な事務の推進
効率的な行政を進めるため、事務事業の廃止や縮小といった減量化に取り組む一方で、実施方法の工夫や情報システムの活用により、費用や事務手間の最小化と効果の最大化を図る。
また、前例踏襲により漫然と仕事を進めるのではなく、社会の動きを常に意識しながら時代や環境の変化に合わせた事務執行となるよう「仕事の仕方」を見直す。
【具体的な取組内容】
- 実施方法の工夫による効率化
- 情報システムの活用による効率化
- 時代や環境の変化に合わせた適正な事務の推進
改革6 民間活力やノウハウの効果的な活用
財政状況が厳しさを増す中で、政府を中心に、公共施設の整備や運営において、民間資金、民間活力の活用の促進が図られている。
こうした動きを捉え、多様化する県民ニーズに対応するため、NPOやボランティア、民間企業といった様々な民間主体との連携や協働を進めるとともに、民間活力やノウハウを効果的に活用し、行政サービスの更なる質の向上を図る。
【具体的な取組内容】
- 民間との連携による県民サービスの向上
- 公の施設におけるサービスの向上
- 公社・事業団等の改革
改革7 自治を担える人づくり、力を最大限発揮する組織づくり
限られた人員の下で、時代や環境の変化で生じる新たな政策課題に的確に対応していくために、組織・定員管理を柔軟に行い、その適正化に努めるとともに、人事評価制度の運用や研修を通じて職員の人材育成や組織マネジメントの向上を図る。
また、サテライトオフィス形式でのテレワークの試行導入、時間外勤務縮減や年休取得促進などによる総労働時間の縮減、メンタルヘルス対策を通じて、職員がいきいきと活躍できる働きやすい職場を築き、組織の力を最大限に発揮する。
【具体的な取組内容】
- 県政を担う人材の育成と組織マネジメントの向上
- 実践的な政策形成能力の向上
- 適正な組織・定員管理
- 働きやすい職場づくり
目標3 健全な財政運営の維持
引き続き、健全な財政運営に努め、各種財政指標の健全性の維持を実現する。
また、固定資産台帳を含む統一的な基準による財務書類等を整備する地方公会計制度の円滑な運用や流域下水道事業の公営企業会計への移行などにより、財政情報のより分かりやすい開示及びその活用による財政マネジメントの強化等を図る。
改革8 歳入確保と歳出の最適化
急速な高齢化に伴い増加する社会保障費や公共施設等の老朽化に適切に対応することが求められているなか、本県の未来創生に向けて施策を強化していく必要がある。
このため、歳入面では、基金残高の減少など厳しい財源状況をしっかりと認識し、県税など自主財源の確保に取り組むとともに、国庫支出金等の積極的な活用のほか、適正な使用料・手数料の設定や未利用地の積極的な売却、施設命名権の拡大などの歳入増加策に、引き続き全庁挙げて取り組む。
歳出面では、政策評価や事業評価などを通じて既存事業の見直しを徹底するとともに、県民にとって真に必要な施策を見極め、限られた財源を重点的・効率的に配分する。
【具体的な取組内容】
- 収入の確保
- 金利動向を踏まえた安定的な資金調達
- 支出の最適化
- 効果的な事業評価の実施
- 基礎的財政収支の黒字の維持
改革9 資産の適正管理と有効活用
現金主義に基づく現行の予算や財務処理の仕組みの下では、発生主義会計において認識される資産や負債といった財務情報が見えにくいことから、地方公会計において発生主義に基づく財務情報を取り入れる取組が全国の地方自治体で進められている。
こうしたことから、固定資産台帳を含む統一的な基準による財務書類等を整備する地方公会計制度の円滑な運用や活用方法の検討を進める。
また、貸付金等の債権、公共施設や未利用財産等の資産について、適正な管理と有効活用に取り組む。
【具体的な取組内容】
- 税外収入未済額の圧縮に向けた税外債権の適正管理
- 未利用財産の売却・有効活用
- 公共施設等の長寿命化
- 統一的な基準による地方公会計の整備
改革10 公営企業改革
電気事業、工業用水道事業、水道事業、団地造成事業、施設管理事業、駐車場事業、病院事業などの本県の公営企業は、県民のくらしの安全・安心や生活基盤を支え、地域発展の礎となる社会基盤をつくる重要な役割を担っている。
今後も事業経営を通じて県民福祉の一層の増進に取り組むとともに、本県の未来創生への取組に貢献するため、引き続き経営の健全化に努める。
また、流域下水道事業について新たに公営企業会計へ移行し、より計画的な経営基盤の強化と財政マネジメントの向上等を図る。
【具体的な取組内容】
- 公営企業の健全な経営
- 公営企業会計の適用推進
3.改革に当たっての職員の取組姿勢
行政改革を進める原動力は「職員」であり、職員一人ひとりが常に以下の姿勢で改革に取り組む。
(1)県民目線と現場主義
良いと考える政策や事業でも、県民ニーズに合致したものでなければ何の役にも立たない。机上だけでものごとを考えるのではなく、県民の視点と現場の視点で取り組む。
(2)幅広い知識・情報の取得と新しいことへの挑戦意欲
前例踏襲など、現状を是とする意識だけでは急速に変化する時代や社会の動きに適切に対応できない。常にアンテナを高く伸ばし、担当業務以外・役所の仕事以外にも広く目を向け、新しいことにも失敗を恐れず積極的に取り組む。
(3)スピード感とコスト意識
年度単位で仕事を進める感覚では、現代の社会の動きに対応できないこともある。丁寧に仕事を進めることは大切であるが、必要以上に時間を浪費することは、対応の遅れはもちろんコストの増大にも繋がる。また、業務を遂行する全ての過程で人件費を始めとするコストが発生している。ヒト・モノ・カネ・時間の資源投入の必要性を見極め、不要なコストの削減に努める。
4.改革の効果的な推進
(1)職員の意識への浸透
各所属において取組姿勢や実施計画について議論するなど、職員がこの大綱を自己のものとして認識する。
(2)実施計画に基づく進捗管理
各取組ごとに、取組所属や成果目標、具体的な取組及び工程を示す実施計画を作成し、年度終了ごとに評価・検証を行い、進捗管理を行う。
(3)推進体制
群馬県行政改革推進会議(議長:知事)の下に実施委員会を設置して全庁的に取組を推進する。
また、県民や有識者で構成する群馬県行政改革評価・推進委員会から評価に関する助言を得ながら、県民目線で改革を進める。
5.推進期間
3年間(平成29~令和元年度)
※実施計画の取組期間については、次期大綱(群馬県行財政改革大綱(令和2~6年度))の取組との間に空白期間を設けないよう、令和2年度まで延長(一部取組を除く)。