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第3回群馬県行政改革評価・推進委員会の概要
1 開催日時
平成23年1月21日(金曜日)14時05分~16時10分
2 場所
群馬県庁 第2特別会議室
3 出席者
7名(佐藤委員長、荒木委員、猪熊委員、小川委員、桐谷委員、鴻上委員、間仁田委員)
(2名欠席)
4 議事概要
(1) 新行政改革大綱(案)について
- 第2回委員会時の案との対照表(資料1-2)及び県政運営の改革方針との主な相違点(資料1-3)について事務局から説明後、討議
事務局説明
[第2回委員会時の案からの変更点]
第2回委員会案 |
今回案 |
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[記述なし] |
※副題を追加
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1 新行政改革大綱の目的 |
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2 3つの目標
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※第2回委員会の意見を踏まえ、広義になりすぎていた点等を修正
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3 具体的な改革 |
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3 具体的な改革 |
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削除 5項目 |
[削除理由] |
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統合 6項目→3項目 |
[統合後の「具体的な改革」項目] |
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→ 改革6(2) : 内部管理経費の節減 |
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→ 改革4(3) : 内部管理業務に係る情報システム改修による事務の効率化 |
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→ 改革7(1) : 県政を担う人材の育成 |
追加 1項目 | [追加項目] |
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2 行政改革の目標 目標達成のための視点 |
4 改革に当たっての取組姿勢 ※「具体的な改革」の説明の後に記載順を変更 |
[追加] | ※前回案では骨子案(第1回委員会時)から削除したが、改めて記載
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[具体的な改革]
現行の「県政運営の改革方針」は、県政を刷新するための3つの方針を立てた上で、広範な取組を掲げたが、今回は内容的に行政改革に当たるものに絞り体系的に整理し、項目数も大幅に絞り込んだ。
討議
(鴻上委員)
3つの目標からの体系や改革内容が、前回案に比べ分かりやすくなった。
(猪熊委員)
以下、意見を述べたい。
ア 「1 新行政改革大綱の目的」中の「群馬県の潜在力と可能性」について
「潜在力」と「可能性」は、二重の表現になっている。一体的な概念としてとらえているならば「潜在力・可能性」と一くくりにしたらどうか。
イ 「目標3 健全な財政運営の維持」中の「臨時財政対策債を除いて基礎的財政収支の黒字を維持」について
後で交付税措置があるからとの理由で臨時財政対策債を除外しているが、地方分権を進めていく意味からも国に頼らずにやっていく姿勢をもっと示せないか。
ウ 「県」という単語の使い方について
骨子案の時から意見を述べているが、一般的に「県」という単語は、市町村、県民、企業等を含むこの地域全体を表すのに使われている。県庁の中では、行政組織としての県を表すのが一般的かもしれないが、県民目線という意味からも工夫できないか。
エ 「改革4 行政の情報化」中の「対象手続を拡大」について
「手続」の拡大ではなく、「対象」の拡大である。
オ 「改革4 行政の情報化」中の「行政事務用端末」について
「行政事務用端末で動作できるようにする」と難しく書かれていると何か特殊な機器に置き換えるように受け取られてしまうので、通常の業務で使っている普通のパソコンであることが分かるようにした方がよい。
カ 「改革5 事業執行方法の多様化」中の「原則3年を目途に見直す」について
「原則3年間の指定管理に見直す」と読めてしまい、「原則3年ごとに見直す」との意味であることが分かりにくい。
キ 「改革8(1) 県税収入の確保」中の「徴収率の向上や収入未済額の圧縮に努め」について
「徴収率の向上と収入未済額」に修正した方がよい。
ク 「改革8(3) 未利用財産の売却など」中の「集中的に管理できる体制を整備することにより、早期に処分を行えるようにする」について
体制を整備するとなぜ早期に処分を行えるようになるのかは、県行政の現在のやり方を知らないとよく分からない。
ケ 「改革8(3) 未利用財産の売却など」中の「施設命名権の売却」について
施設命名権は一定期間の使用権であり「売却」との表現はそぐわない。
コ 「改革8(4) 安定的な資金調達と調達コストの削減」中の「市場公募債調達コストに見合った運用利回り」について
実施計画の成果目標では「を上回る」となっており、整合していない。
(事務局)
- ア(潜在力と可能性)について
群馬県の印象は都道府県の中では低くなっているが、地勢的な力は秘めていると考えており、そうした「潜在力」を引き出せば、さらに発展できる「可能性」を持っているということであり、県では1つのフレーズとしてよく使っている。新しい総合計画案で使っている表現との整合性を確認し検討したい。
- イ(臨時財政対策債)について
臨時財政対策債は、本来は地方交付税として入ってくるはずのものを一時的に借入で賄っているものであり、通常の借金とは区別して考えている。
- ウ(「県」の使い方)について
「県庁」としてしまうと、前橋にあるこの建物を表してしまうことがあるので難しいが、用語の使い方は工夫したい。
※ 他の委員の意見
(鴻上委員)
勘違いしそうな箇所があれば置き換えた方がよいが、そこまでのものはないと思う。
(佐藤委員長)
「県行政」で置き換えられる箇所もあるのではないか。誤解されそうなところは置き換えるということでどうか。
- エ(対象手続を拡大)、オ(行政事務用端末)、カ(原則3年を目途に見直す)、コ(調達コストの削減)について修正したい。
- ク(未利用財産の売却など)について
財産処分は、現在は各所管の部署で他の目的での活用や処分を検討しているが、当初の目的で使わなくなった時点ですぐに専門の部署に引き継いで処分等を行うことができるようにしようとするものである。
(佐藤委員長)
財政・行政の専門用語が使われているものや、行間から内容を読み取らないと理解できないものがある。「県民目線」の大綱になるよう工夫してほしい。
(荒木委員)
施設命名権の売却は、今後も積極的に進めるのか。公共施設に企業名が付くのは違和感がある。
(事務局)
施設命名権の売却は今後も進めていく予定である。ただし、県議会でも荒木委員と同様の意見が出ており、これまでも県の施設であることが分かる「ぐんま」等の単語を必ず入れさせるなどの見直しを行ってきている。施設命名権を売却する際は、今後も留意したい。
(小川委員)
「改革6(1)事務・事業の仕分け」の中で「部局横断的に議論し点検する」とあるが、部局横断的な連携は従来から言われてきており、難しい課題である。これまでの県庁の仕事の仕方を見ても、一般職員のレベルで部局を超えて判断するのは権限等の面から難しく、部局横断的な議論は難しいのではないか。
また、「部局横断的」という表現は、県庁の仕事の仕方を知らないと分かりにくいので、一般県民に分かりやすくなるよう工夫する必要がある。
(事務局)
一般職員が他の部局のことについて普段から意見を出していくことは難しいが、職員も異動によって様々な部局を経験する中で、他部局の仕事ではあるが変えるべきと感じている仕事がある。昨年行った「事業仕分け」は、それを議論する場を整えたものであり、職員自身が他部局の仕事も含め課題のあるものをリストアップして議論した。「部局横断的」との表現はそうした趣旨である。
(佐藤委員長)
部局横断的に議論をする素地はできたので、それを充実したいということか。
(事務局)
「部局横断的」ということはこれまでも言ってきたことではあるが、1歩踏み出せたと考えている。
(小川委員)
「目標2 「仕事の仕方」の改革」の中で「情報通信技術を使いこなし業務の改善につなげる必要がある」とあるが、「使いこなし」という表現では「職員が使いこなすこと」が必要と受け取られてしまう。
(事務局)
電子受付等は単に社会の情勢だから進めるというものではなく、それを導入することによってどういう業務がどう効率化し、県民の利便性が向上するかを考えて進めていきたいということである。
(佐藤委員長)
ITに関しては様々な技術が日進月歩しており、職員がそれに遅れていかないようにするということもあるが、行政の情報システムのあり方を見直していくことが必要である。
(佐藤委員長)
以下、意見を述べたい。
ア 「改革1(1) 政策に県民意見を反映させる機会の拡大」
具体的な反映方法としてパブリックコメントしか挙げられておらず、内容に対してタイトルがまだかい離している。
イ 「改革3 地方分権改革への対応」
「への」という表現は、受け身の対応である印象を与える。国が進めている改革へのスタンスではなく、県が能動的に動いていくことを示す必要がある。
ウ 「改革4 行政の情報化」
- 「目標2 「仕事の仕方」の改革」のメインは、改革4(行政の情報化)ではなく、改革5(事業執行方法の多様化)や改革6(事務処理の効率化と経費削減)ではないか。
- 改革の分類については、誰のための改革かという視点から整理したらどうか。例えば、「(1) 電子申請等受付システムの拡充」、「(2) 電子入札システムの改善・拡充」は、事務処理の効率化の面もあるが県民の利便性向上の面が大きいので、「目標1 県民目線の県政の実施」に分類でき、「(3) 内部管理業務に係る情報システム改修による事務の効率化」、「(4) 情報処理システムの見直しによる業務改善・経費節減」は、「改革6 事務処理の効率化と経費削減」に分類できる。
エ 「改革5 事業執行方法の多様化」
「多様化」は、状態を表す言葉であり、改革内容を示していない。具体的な改革の内容を見ると「公共サービスの担い手の適正化」に関する取組である。
オ 「改革5(5) 公社・事業団改革」
公社・事業団改革を県内部の「「仕事の仕方」の改革」(目標2)に分類するのは違和感がある。「改革2(3) 公社・事業団に関する情報公開の推進」と一緒に、「改革10 公営企業改革」に分類してはどうか。(この場合、改革10の見出しは修正する必要がある。)
カ 「改革9(3) 事業評価制度の強化」
「改革9 歳出の縮減」に分類するということは、歳出削減が事業評価の主目的ととらえられる。「事業評価」の位置付けに関する群馬県の考え方によるので、一概には言えないが、施策や事業について、作りっぱなし、やりっぱなしではなく、評価・改善を前提に立案していくという面からは、「目標2 「仕事の仕方」の改革」に分類するのがよい。特に政策評価は、ゼロサムではないので歳出削減には直結しない。
(事務局)
- ア(政策に県民意見を反映させる機会の拡大)について
従来から様々な意見反映の仕組みがある中で、さらに追加して行う取組であることから「機会の充実」という表現にした。
- ウ(行政の情報化)について
「目標1 県民目線の県政の実施」にかかわる内容もあるが、情報に関する項目を集約してはどうかとの意見を踏まえ集約した。
- オ(公社・事業団改革)について
県とは別の法人格を有する団体に関することであり、「改革10 公営企業改革」と一緒の項目にするのは難しい。公社・事業団は、公的な部分の担い手の一つということで「改革5 事業執行方法の多様化」に分類した。
- イ(地方分権改革への対応)、エ(事業執行方法の多様化)、カ(事業評価制度の強化)について
検討したい。
(2) 新行政改革大綱実施計画(案)について
- 資料1-3(県政運営の改革方針との主な相違点)及び資料3(新行政改革大綱(案)「具体的な改革」により達成すべき成果一覧)により事務局から説明後、討議
事務局説明
(事務局)
今回の実施計画の特徴は、資料1-3の「3 実施計画の対比」にあるとおり、次の3点である。
- 現状・課題を示したこと
- 「達成すべき成果1・2」を設けたこと
- 事後の評価を前提としたこと(現計画である「県政運営の改革方針」では、評価を前提とせず結果を示すのみだった。)
[実施計画の具体的な内容については、資料3により全38項目を説明した。]
討議
(猪熊委員)
「改革5(3) 市場化テストのモデル的実施」は、指定管理者制度に関するものか。
(佐藤委員長)
市場化テストは、指定管理者制度とは別の制度である。
従来から民間に業務委託できるものは委託してきているが、市場化テストは、コストだけでなく質も含め、地方公共団体の直営と民間への業務委託とのどちらがよりよいかを、入札と第三者委員会による審査でテストするものである。
市場化テストには、公共サービス改革法に基づき行うものと地方自治法に基づき行うものがあり、幅広く実施できる。
「モデル的実施」との表現になっているが、先行自治体の例では、マニュアルを作ってモデル実施して終わりというところもあった。あえて「モデル的」としなくてもよいのではないか。
(猪熊委員)
以下、意見を述べたい。
ア 「改革4(2) 電子入札システムの改善・拡充」
説明中「入札事務の効率化に資する改善や操作性の向上を図るなど改善のための更新」の部分は、繰り返しになっており修正が必要である。
イ 「改革7(3) 組織の見直し」
説明中「質の高い県民サービスを行うのにより機能的な組織を構築するために」の部分は、修正が必要である。
ウ 「改革8(3) 未利用財産の売却など」
「達成すべき成果2(数値等の目標)」が売却物件数となっているが、規模の大小にかかわらず同じ成果になってしまうので、売却面積や売却金額を指標にするのがよい。
(鴻上委員)
以下、意見を述べたい。
ア 「改革6(2) 内部管理経費の節減」
「現状・課題」が総論的な記述になっているので、例えば長期契約にするとなぜ経費節減になるのかなどの説明が必要である。
イ 「改革6(4) 公共工事の経費削減」
- 「現状・課題」で「設計VEの対象事業の拡大などにより更なる効果が期待できる」と記載されているが、「達成すべき成果」には「ワークショップの開催」しか記載がない。ワークショップの開催によって対象事業が拡大することを示さないと課題に対する解決策にはならない。
- この項目の重要な成果指標である「総合コスト15%縮減」が資料3に記載がない。今後も資料3を活用するならば資料3の修正が必要である。
(事務局)
- ア(内部管理経費)について
達成すべき成果として掲げている各項目ごとに現状を記述した方が分かりやすいと思うので、検討したい。
(桐谷委員)
目標やタイトルが分かりやすくなり、内容も具体的になった。
「改革7(1) 県政を担う人材の育成」の研修業務の外部委託とは、出向研修や社会体験研修のことか。
(事務局)
この項目で記述している外部委託は、従前は県が直営で行っていた研修を専門業者に委託しているものである。なお、出向研修や社会体験研修は現在も別途行っている。
(間仁田委員)
以下、意見を述べたい。
ア 「改革7(1) 県政を担う人材の育成」
適正配置していくとのことだが、異動期間の方針はあるか。
イ 「改革6(2) 内部管理経費の節減」
契約の長期化や一括化によってコスト削減ができるものは他にもある。現在、課ごとに行っていることを極力集中管理していくことが必要である。
(事務局)
- ア(人材育成)について
特定の専門分野の場合は10年超となる者もいるが、一般の事務職は通常3~5年である。
(間仁田委員)
研修の充実や人材育成の面から、その業務に適正のある者は、もう少し長いスパンにするのも一つの方法ではないか。
(3) 今後の日程について
- 資料4(行政改革評価・推進委員会関係:当面のスケジュール)により事務局から説明
- 詳細は委員長に一任することで了承された。
(4) その他
- パブリックコメント及び職員意見照会の結果は、後日各委員に情報提供する。
(以上)