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「八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事からの緊急申し入れ」への回答(前原大臣から1都5県知事への回答)
1都5県知事による2度の前原国土交通大臣への緊急申し入れ※に対して次のとおり回答がありました。
(以下は前原大臣からの回答文)
平成22年1月8日
東京都知事 石原慎太郎殿
埼玉県知事 上田 清司殿
千葉県知事 森田 健作殿
茨城県知事 橋本 昌殿
栃木県知事 福田 富一殿
群馬県知事 大澤 正明殿
国土交通大臣
前原 誠司
「八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事からの緊急申し入れ」への回答
標記について、以下のとおり回答いたします。
1.11月13日付けの申し入れについて
1 国は、マニフェストに書いてあるから八ッ場ダムを中止するという結論を前提とするのではなく、予断を持たずに、多角的な観点を踏まえた客観的な再検証を行うこと。なお、再検証は当初の検証を踏まえて行われるべきものであることから、マニフェストに中止を掲げた時点での検証の内容、すなわち八ッ場ダム建設中止の方針を決定した具体的な根拠について、速やかに明らかにされたい。
去る10月27日の定例会見で発言しましたとおり、八ッ場ダムについては、予断を持たずに、全国のダムと同様に検証することとしております。
また、民主党のマニフェストに中止を掲げた際の検討については、民主党において行われたものであり、その内容については政府としてお答えする立場にありません。
2 利根川の治水・利水の安全性向上は重要性及び緊急性が非常に高く、その恩恵を受ける下流域の自治体はダムの早期完成を望んでいる。また、八ッ場ダム建設予定地の地元住民も、ダムの完成を前提とする一日も早い生活再建の実現を切望している。このため、国は、八ッ場ダム建設事業のこれまでの経緯、利根川流域における治水・利水の状況、建設効果などの個別性を十分に踏まえ、早急に再検証を進め、平成22年度政府予算案の決定時までに関係都県及び地元住民の理解を得ること。
八ッ場ダムの検証については、去る12月3日に設置した「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が本年夏頃に予定している中間とりまとめ等を踏まえて、早急に行い、できるだけ早期にその結論を得ることとしています。また、関係都県や地元住民に対して、丁寧にご説明し、ご理解を得ていくこととしています。
3 再検証は、中立的、専門的な分析、かつ冷静な判断のもとで行われる必要がある。このため、専門家による有識者会議を行う場合、その人選については1都5県知事の意向を反映させること。
先に述べた有識者会議において、検証の進め方を含め、全国のダム事業の検証に際して適用する共通の考え方を整理し、それを踏まえて、八ッ場ダムの検証を行うこととしています。
なお、この会議は中立的な方を選ぶという考え方等に沿ってメンバーを決定させていただいておりますが、八ッ場ダムを含む個別のダムの検証を行うことを目的に設置したものではありません。
4 利根川の治水計画は、カスリーン台風時の被害を踏まえ、これと同規模の洪水に対し、首都圏を含む流域全体の安全性の確保を目標としている。国は、再検証にあたり、目標の前提となる、治水基準点における基本高水流量を安易に見直さないこと。
利根川の治水計画において用いる基本高水のピーク流量の扱いについては、先に述べた有識者会議における検討の結果を踏まえて、個別のダム事業の検証の際に、必要に応じて検討していくこととしております。
5 八ッ場ダムの再検証に基づく代替案については、関係都県知事が意見を述べられることを国土交通大臣は確約しているが、関係都県の意見を十分に反映させるため、再検証の検討過程において、随時、関係都県に情報を提供するとともに協議に応じること。
八ッ場ダムの検証については、1都5県知事の皆様ともご相談しながら進めていくこととしております。
6 国は、生活再建関連事業を遅れることなく実施するとともに、水没関係地域の住民の方と話し合える環境づくりを行い、早急に、大臣と地域住民の意見交換の場を設置すること。
代替地造成や付替道路などの生活再建関連事業に関しては、必要な事業について、予算の範囲内で、できるだけ遅滞なく進めていきたいと考えております。
また、地元住民の方々との意見交換会については、1月24日の開催に向け、現在調整を続けているところです。
2.12月2日付けの申し入れについて
1 八ッ場ダムの治水・利水に係る再検証を早急に実施されたい。ついては、当該再検証のスケジュールについて明確に示されたい。
2 仮に再検証が平成22年度予算政府原案決定時までに実施されない場合、再検証のスケジュールを踏まえ、八ッ場ダム建設及び治水・利水の代替対策について、平成27年度完成・完了までの具体的な工程を説明されたい。
八ッ場ダムの検証については、先に述べた有識者会議が本年夏頃に予定している中間とりまとめ等を踏まえて、早急に行い、できるだけ早期にその結論を得ることとしています。
3 10月27日の話し合いの際に、国土交通省は八ッ場ダムの再検証にあたっては1都5県の意見を聴く旨の考えを示している。ついては、大臣と1都5県知事との再検証に係る話し合いの場を早急に設置されたい。
また、1都5県としては、実際のデータ及び科学的根拠に基づき意見を述べる必要があると考えており、今後、国土交通省は、新たな解析が必要となるものも含め、利根川の治水・利水計画に係るデータの要求には速やかに対応されたい。
八ッ場ダムの検証については、1都5県知事の皆様ともご相談しながら進めていくこととしており、必要に応じて話し合いの場を持ちたいと考えております。また、利根川の治水・利水計画に係るデータについては、可能な限り提供してまいります。
(前原大臣からの回答文は以上)
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