令和3年度水質汚濁事故の発生状況について

更新日：2022年9月20日印刷ページ表示

1．水質汚濁事故とは

　水質汚濁事故とは、工場などでの操作ミスや機械の故障、交通事故や不法投棄などにより、河川へ油や化学物質が流れ込み、異常な水質が発生することをいいます。具体的には、川に油が浮いている、大量の魚が死んでいる、異臭がする、川が変色しているなどです。

2．発生件数

　令和3年度に県内で発生した水質汚濁事故総数は43件で、前年度と比べて1件の増加でした。

3．原因別発生状況

　人的ミスが11件（26%）、交通事故が15件（35%）、その他（自然災害や不法投棄等）が3件（7%）、原因不明が14件（32%）でした。
　なお、人的ミスには、工場・事業場での操作ミスだけでなく、適切な点検により防げるという観点から機械の故障も含まれています。

令和3年度事故原因グラフ画像

4．種類別発生状況

　油の流出が34件（79%）と最も多く、魚のへい死が1件（3%）、汚泥の流出が3件（7%）、白濁・着色が4件（9%）、化学物質の流出が1件（2%）でした。
　なお、魚のへい死には、他に分類可能な事案(化学物質の流出による魚のへい死等)は含まれていません。

令和3年度事故種類グラフ画像

5．月別発生件数

　発生件数が最も多かった時期は6月（10件）で、次いで7月（8件）、5月（6件）でした。

**月別発生件数一覧**
区分	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月	1月	2月	3月	合計
件数	3件	6件	10件	8件	2件	4件	1件	2件	3件	0件	1件	3件	43件

6．管内別事故件数

　令和3年度については、県東南部地域（東部環境事務所管内、太田市）において発生件数が多く、県全体の37%を占めました。
　なお、各環境（森林）事務所等において、事故による被害の拡大及び事故の再発を防ぐため、事故の状況や原因を調べ、その内容を関係機関に通報するとともに、原因者が判明した場合は原因者の指導を実施しました。

**管内別事故件数一覧**
区分	中部（前橋、伊勢崎以外）	西部（高崎以外）	吾妻	利根沼田	東部（太田以外）	政令市				合計
区分	中部（前橋、伊勢崎以外）	西部（高崎以外）	吾妻	利根沼田	東部（太田以外）	前橋	高崎	伊勢崎	太田	合計
令和3年度	3件	4件	3件	2件	8件	3件	7件	5件	8件	43件
令和2年度	4件	4件	1件	1件	13件	3件	5件	3件	8件	42件
令和元年度	1件	7件	6件	1件	16件	6件	9件	9件	12件	67件
平成30年度	2件	11件	1件	2件	17件	3件	5件	4件	12件	57件
平成29年度	3件	11件	2件	5件	12件	4件	5件	5件	10件	57件

7．水質汚濁事故に関するお願い

水質汚濁事故の未然防止のために

　河川の水は、水道水源、農業用水や水産用水など、私たちの生活と密接なかかわりがあり、上流から下流までつながって流れています。
　このため、ひとたび河川に油や化学物質などが流れると、下流では利水上の被害が発生します。
　事故の原因者には、対策や処理に要した費用の負担が求められ、また、社会的信用の低下も招きます。
　事故の原因としては、故障や破損など、設備の日常点検で未然に防止できるものや、操作ミスなど、リスクマネジメントを導入することで被害を防止できるものがほとんどです。
　思わぬ事故で、多額の負担を強いられることのないよう、日々の取組が大切です。

初動対応が重要

　万一、事故が起こってしまっても、素早い対応により被害を最小限にくい止めることができます。
　そのためにも、日頃から事故時の対応方法を確認しておくとよいでしょう。
　それでも外部に流れ出てしまったら、関係機関に「事故が起こってしまった」ことを通報しておくことで、下流の利水者は準備ができます。
　早期対応と迅速な通報で、被害の拡大防止に努めましょう。